【感想・ネタバレ】遊動論 柳田国男と山人のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年09月27日

遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)
(和書)2014年02月13日 22:52
柄谷 行人 文藝春秋 2014年1月20日


「思考実験=抽象化」ということと遊動性。

抑圧されたものは強迫的に回帰する。

柄谷さんの言いたいことを理解しようとそれぞれ考え思考実験(抽象化)してきた人たちにとって...続きを読むは柄谷さんがかなりわかり易い言葉と柳田国男という日本人にとってかなり具体的な例より解説されている。

今まで自分の中で疑問になっていた部分が氷解されています。

柄谷さんは人間が思考実験と遊動性をどのように実践していけばいいのか?抑圧された自然状態(遊動性)が強迫的に回帰するということが思考実験とどのように関係すればいいのか?を示している様に思う。

人間を弱者として体系化するのではなく弱者から格差の解消を目指すということ、それは人間の関係にある格差を止揚することを目指す姿勢であるのだろうと思う。それが思考実験としてありえるがスティグマされ不可触民のようにされているものであるが実践として非常に有効なものであると感じた。そういったものが強迫的に回帰するというのは僕のような人間にとって非常にオプティミスティックに感じるところである。

「小さきもの」の思想 (文春学藝ライブラリー)も楽しみにしています。

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Posted by ブクログ 2015年09月01日

柳田邦男の「山人」という今は忘れられた人々のことをテーマに、その人々が持っていた概念を遊動性という言葉から解き明かそうとされています。国家などに所属をしないという点では、遊牧民もそうですが、彼らはそれに所属していなくても依存しています。そうではない、遊動性を持った過去の人はどういう人であったのか、そ...続きを読むの答えに一番迫ったと思われる柳田邦男の書からそれを知ろうとされています。
現在では、それに近く残っているのは世界宗教もしくは、この日本だけなのではとも思えました。

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Posted by ブクログ 2016年09月12日

柄谷行人は『世界史の構造』を書くにあたって、色々と調べ上げたということだが、柳田国男の遊動論もその中のひとつであったという。それでも、なぜ、今となって柳田国男なのか。

その答えは、彼の交換様式論にとって、柳田国男の遊動民(ノマド)の理論が重要な位置づけを占めていたからであった。二種類の遊動民(その...続きを読む一つが有名な山人)をあり、それが理解の鍵でもあるとする。遊動民と交換様式論の関係について引用すると次の通りである。

「各種のノマド(遊動民)が、交換様式C(商品交換)の発展を担ったのある」そして、「遊牧民は、交換様式Cとともに、交換様式Bの発展を担ったということができる」
さらに「定住以前の遊動性を高次元で回復するもの、したがって、国家と資本を超えるものを、私は交換様式Dと呼ぶ」

そう、『世界史の構造』における交換様式Dが、遊動性に関係しているのだ。

「交換様式Dにおいて、何が回帰するのか。定住によって失われた狩猟採集民の遊動性である。それは現に存在するものではない。が、それについて理論的に考えることはできる」

だが、その後の議論は具体的には進まない。

「彼がいう日本人の固有信仰は、稲作農民以前のものである。つまり、日本に限定されるものではない。また、それは最古の形態であるとともに、未来的なものである。すなわち、柳田がそこに見いだそうとしたのは、交換様式Dである」

と相変わらずの我田引水っぷりで本文を終える。
柳田国男を読んだことがなかったこともあり、ちょっとわからなかったな。

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