【感想・ネタバレ】使える 弁証法―ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見えるのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年06月05日

哲学のことはあまり詳しくない私であるが、ちょくちょく「アウフヘーベン」など哲学用語を目にすることがあり、少し調べてみた。副題の「ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見える」に惹かれたのもある。本書の特徴は弁証法について基礎的なことを具体例を挙げて説明していることだ。正(テーゼ)と反(アンチテーゼ)があ...続きを読むり止揚(アウフヘーベン)して合(ジンテーゼ)に至る思考方法が分かる。そして弁証法を活用した思考法とその先にある未来を見る方法を解説している。世の中の進化を螺旋階段に例えているのも分かりやすい。復活や復古と進化の階段を上がるのを繰り返すことが弁証法の肝なのではないかと理解した。2005年の著書なので若干例が古い感じがするが、そこは弁証法的思考でどのように世の中が進化してきたのかを検証する意味で腑に落ちる要因となる。

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

弁証法を理解するのに、大局観を養うのにとてつもない良書だった。
弁証法の根源的な考え方やそこに紐づく法則
・事実の螺旋的発展
・否定の否定による発展
・量から質への転化による発展
・対立物の相互浸透による発展
・矛盾の止揚による発展

事例をベースに解説されておりとてもわかりやすかった。
また、全て...続きを読むの物事には矛盾が含まれその矛盾を解消するのではなく弁証法的に止揚した時に進化が生まれるというのは面白かった。

例えば、「出社vsリモートワーク」、「プロ野球におけるベテラン起用vs若手起用」みたい事象も不満を解消するのではなく止揚することが大事なのだと理解した。

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Posted by ブクログ 2023年03月11日

これは凄い本に出会った。ヘーゲルのアウフヘーベンを実際のビジネス、社会の予言に応用する。
凱旋的発展。モノの味方が変わる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月16日

田坂氏の本。
哲学的思索により森全体をみる、。
弁証法により、洞察力と予見力がみにつくとのこと。
なかなか興味深い。さすがの一冊。

行間が広めで、考えながら読みやすくて良い。

メモ
・螺旋的発展の法則
 物事は螺旋的に発展するというもの。
 進歩発展と復活復古が同時に起こっているというもの
・何...続きを読むが一弾登ったのか、何が進歩発展したのか
 深く考える必要がある。
・未来進化と原点回帰は同時に起こる
 進化するとき、便利になった懐かしいものが
 復活してくる。
 または、懐かしいものが残りつつ、便利になっていく
・進化の本質は多様化。古いものは淘汰されることはあっても、必ずしもそうとは限らない。その結果世界はますます豊かな世界になっていく
・我々の人生の長さに比べ、
 世の中の変化が早くなった。
 そのため、局所的変化のみならず、
螺旋的発展を目撃するように。
・ビジョンや戦略の陳腐化
 書を捨てよ街に出よ
・弁証法の使い方
 →何が復活してくるかを読む
 →そのために何が消えて行ったのかを見る
  合理的効率化の中で消えたものはなにか
 →なぜ消えていったのかを考える。
 →どうすれば復活できるのかを考える
・新しいものを古い眼鏡で見ると過ちになる。
 新しいものは新しい眼鏡でみる必要あり
 →いかなる形で新たな価値が付加されるか
  復活とともに何が付加されているか
・ある指標の量が一定の水準を越えたかを判断する
 には、キーワードが忘れられたか。
 インターネットといった言葉が日常化し、当たり前のものになったか。それが一つの目安となる。
・否定の否定による発展
・量から質への転化による発展
・対立物の相互浸透による発展
 争っているもの同士は互いに似てくる
・弁証法においては、対立し、争うかにまえる二つのものがある意味で互いに相手を内包していき、結果として両者が統合されていく。
・根底に存在する法則は、矛盾の止揚による発展の法則。物事は矛盾の止揚により発展する。
全てのものごとには内部に矛盾が含まれるが、矛盾こそが発展の原動力になる。矛盾を機械的に解消するのでなく、弁証法的に止揚したとき、物事は発展する。
・割り切らないこと。矛盾を抱えて進めることこそが矛盾のマネジメント。
・矛盾を機械的な割り切りによって解消してしまうと矛盾とともに生命力や原動力も消えてしまい進歩や発展が止まってしまう。
・止揚とは、対立するように見えるものに対して、両者を肯定し、包含し、統合し、超越することで高い次元のものに昇華していくこと。
・矛盾のマネジメントとは振り子をふること。二つの局を極端にふってみる。経営者の行うべきことはバランスを取るために振り子を振り続けること。
・割切りとは魂の弱さ。矛盾と戦い続けること。

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Posted by ブクログ 2019年07月15日

正、反、合

なかなか受け入れられない意見を受け入れることでより考えが深くなる。

意見と反対意見を合わせて新しい考えを作り出す。

なかなか自分の考えだけに固執しがちだが、固執し凝り固まった時、それがストレスになった時に、違う考え方が出来るので良い。

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Posted by ブクログ 2018年10月14日

"未来をみるために必要なのは哲学的思索。その一つ弁証法を学ぶことで、洞察力、予見力、対話力が身につくという。
とても、おもしろい。"

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Posted by ブクログ 2016年04月17日

著者の言いたいことは「すべては螺旋的に発展する」!。

そのほかにも陰極まれば陽に転ずるとか、否定には現状の否定を含むなどの法則も紹介しているが、螺旋に発展するに含まれていると思う。ヘーゲルの弁証法は通常は対立するものの止揚という意味で取られられているが、ここに螺旋という考え方を持ち込んだことが新し...続きを読むいと思った。

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Posted by ブクログ 2016年01月06日

「未来進化と原点回帰は同時に起こる。」・・・便利になった懐かしいもの→ご用聞きビジネスもそのひとつ。コンシェルジュとして、復活してきました。でも、まったくイコールではなく、ちょっと進化しています。三河屋さんは、自分のお店で売っているものしか、持ってきてくれませんでしたが、コンシェルジュは・・・。

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Posted by ブクログ 2014年05月10日

○「螺旋的発展」において、何が「復活」してくるかを、読む。「合理化」と「効率化」の中で「何が消えていったのか」をみる。「その段階」で、それが「なぜ消えていったのか」を考える。「新しい技術や方法」で、どうすれば「復活」できるかを考える。(87p)

○「矛盾」とは発展の「原動力」であり、世界の「生命力...続きを読む」のことなのです。だから我々の生きている世界は、変化し、発展し、進歩し、進化していくのです。(171p)

○「割り切り」とは、魂の弱さである。
この世に存在する様々な「矛盾」を前に、それを深く心の中に把持し「割り切る」ことなく格闘し続けること。(172p)

○もし、西洋文明と東洋文明が壮大な融合を遂げていくとするならば、それは他のいかなる国でもない、この国においてではないか。(193p)

★世界を見る新しい「目」を手に入れることができる本。
アスクルがメーカーから流通へ転身したのも、ドラッカーが売り手中心から買い手中心へ変わったと言っているのも、「螺旋的発展」

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Posted by ブクログ 2012年12月16日

「弁証法」って何なのか全く知らなかったけれど、マクロな視点で世の中を理解するための思考ツールと理解しました。完結に書かれていて、あっという間に読めてしまう、良書でした。

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Posted by ブクログ 2012年06月22日

どうすれば、未来が見えるのか?
 哲学的思索
弁証法(洞察力と予見力)
 対話力

弁証法において、「螺旋的発展」の法則が最も役に立つ
 物事は、螺旋的に発展する
   ・世の中の全ての物事の進歩や発展は、右肩上がりに一直線に
    進歩・発展していくのではない。
    あたかも螺旋階段を登...続きを読むるようにして進歩・発展していく。
   ・「進歩・発展」と「復活・復古」が、同時に起こる

ネット革命による螺旋的発展の例
 オークション、逆オークションと市場(いちば)の競り、指値
 ギャザリング(集団購入)と生活共同組合
 コンシェルジュ・サービスと御用聞き
 Eラーニングと寺子屋
 電子メールと文(ふみ)
 ネレッジ・コミュニティと助け合い
 電子ブックと紙の書籍

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Posted by ブクログ 2011年02月11日

その名の通り使えます。流行・ブームを冷静に眺められるでしょう。ヘーゲルと易経をつなげる進化論。分かり易い。

●時代の変化が早くなったので、今まで直線に見えていた進化の過程が、螺旋的な進化である事が分かるようになっている。懐かしいものが進化して出てきている。一度消えたものが復活してきている。
●ひと...続きを読むたび消えていったものが復活してくるとき、革新的技術や社会基盤の整備を背景に、何かが便利になって戻ってくる。螺旋階段を一段登ってくるように新たな価値が加わるという進化がそこにある。
●物事の内部には矛盾が含まれている。それは両者を肯定し、抱合し、統合し、超越することによって高い次元へと止揚していく「発展の原動力・生命力」。
●矛盾を割り切ることは魂の弱さ。割り切ることなく格闘する人は、魂の強い人。これが「器の大きな人物」という言葉の意味。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

未来予測の導きとなる思索書。
田坂さんの本には、
それはなぜか、それは何か、問いかけるスタイルが多く
自問自答しながら進んでいく面白さがあります。
いつも、しびれます。

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Posted by ブクログ 2019年04月28日

この本の内容を鵜呑みにするなら、
世の中のすべてのことは弁証法で説明がついてしまうらしい。
ある程度説得力はあるけど、本当にそうなのかと言われると
……どうなんだろう。
ただ、弁証法の入門書としてはとても読みやすい。
現在世の中で起こっていることを例に挙げているのも
わかりやすいと思う。
書かれた時...続きを読む期を考えるなら、著者の考察からの予測はかなりの精度で的中しており、そこは2019年現在からすると驚かされる。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

 本のタイトルも、「ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見える」という副題も「いかにも」風なんだけど、これは意外な拾いものだった。読み直す価値あり。

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

本書サブタイトルは、「ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見える」。ホンマかいなという感じがするが、そこはさすがに田坂さん。実に明快に、ヘーゲルの弁証法を解説し、それをIT革命に代表される現代に見事に当てはめてみせる。とても納得。これを近未来に当てはめることで未来を予想する。ビジネスの新ネタ探しにも役...続きを読むに立つと思う。 では、田坂流ヘーゲルの弁証法とは何か? どうやら次の5点の命題が重要らしい。1.物事は、直線的にではなく、螺旋的に発展する。2.物事は、反転の反転によって発展する。3.物事は、量から質への転化によって発展する。4.物事は、対立物の相互浸透によって発展する。5.物事は、矛盾の止揚により発展する。1−4に対しては解説の必要はないだろう。5の「止揚」とは、「矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること」。要は、合い対峙する要素から上位要素を取り出すことで発展するということ。特に5が重要であるとは言うまでもない。こういう風に発展を捉えると、確かに何かが見えてくるかもしれない。じっくり考えてみよう。

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ネタバレ購入済み

対話と会話の違い

2016年12月29日

対話と会話の最も大きな違いは、お互いが持てる知識を出し合うことで、そこに新たな気づきが生まれることだと思います。一方の出した意見が他方に否定され、そこから対話を通した両者の深い思考が始まる。お互いがお互いの意見を取り込みながら、真理を追究して思考を続けることで、最終的にお互いの意見を内包した、新たな...続きを読む気づきが生まれる。この過程こそが対話の真髄であり、これを弁証法と呼ぶということです。筆者はこの弁証法こそが現代に求められる思考術だと述べています。

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Posted by ブクログ 2016年04月05日

弁証法の理論をかいつまんでIT業界で起きたことに照らし合わせるというスタイルであった。なんとなく弁証法が分かったつもりになれる本だろう。

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Posted by ブクログ 2016年03月14日

弁証法は世の中のちょっと先を予測するのにとても役立つ考え方で、物事は振り子のように左右を往復するが、少しの進化を伴ってらせん状に上がっていく、的な考え方。この考え方がわかっていると、世の中・テクノロジ・組織などいろいろなものがどういうバランスでどこに課題があるから次どうなっていくか・どうしていくべき...続きを読むかが非常に整理しやすい。

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Posted by ブクログ 2015年04月26日

弁証法的な思考について。田坂さんらしい言葉遣いで、例示も多々あり、自身で深く考えながら読み進められます。

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Posted by ブクログ 2011年02月20日

田坂広志著『使える 弁証法』 この本読んでから物事に対して新しい視点が身についた。
日本は機能的価値から情緒的価値が強い国になるのかなぁ。などと予測。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

久々に、激しく感動した書籍でした。
世界の流れや、次の一手を考える際のものの見方について
哲学(?)を交えながら書かれている書籍です。

「物事は、螺旋的に発展する」、
「物事は、否定の否定により発展する」、
「物事は、量から質への転化により発展する」、
「物事は、対立物の相互浸透により発展する」
...続きを読むの4つの法則を、世界の流れを読み解く視点として紹介されています。

田坂さんの文章、簡潔・読みやすくて、すごく
あこがれます。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

【目的】
仕事に役立つ考え方のエッセンスを学び取る

【引用】

【感じたこと】
螺旋的発展。過去のの懐かしいものをが進化して再登場する。それを見極める。まず「何が消えたか」を見る。
「なぜ」と疑う。

【学んだこと】

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Posted by ブクログ 2016年05月23日

インターネット以前と、以降の違いについて比較しているのみで、螺旋とか言われても、全く説得力ないなあ。というのが最初の感想。
洞察力、予見力、対話力が身につくのかはさておき、ヘーゲルを理解する一助にはなると思う。

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Posted by ブクログ 2015年06月10日

分析思考は木を見て森を見ない。盛り全体を見る。

螺旋的発展の法則。未来進化と原点回帰は同時に起こる。
進化とは多様化のことである。元の種はなくならない。
次に復活する。

書を捨てよ、町に出よ=タウンウォッチング

何が復活するか、を見るためには何が消えていったか、を見る。それが新しい技術で復活す...続きを読むる。

通信料金の低下で発展する。

ものごととは否定の否定で発展する。

知識社会とは、知識が価値を失っていく社会。

振り子のように両極端を繰り返す。ハイテクはハイタッチに向かう。

中間業者の復活=進化。さらにコンシェルジュ=御用聞きへ。

対立するものは似てくる。争っていると似てくる。

矛盾にこそ、意味がある。矛盾の止揚による発展。
市場原理と政府規制の矛盾。うまく振り子を回す。

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Posted by ブクログ 2013年03月02日

時代は螺旋状に進化してく。同じ事が回帰されるが、繰り返された時に何かが一歩進化している。それは何か?
現実に存在したものには全て意味がある。世間から消えて行ったものも、意味がなくなったのではない。相対的な重要度が下がったから消えた。
時代の流れについて抽象的に考えたい時に適した本だと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年10月08日

弁証法という言葉は聞いた事がありますが、何なのかはわからない。そんな中でタイトルに惹かれて読みました。
個人的には第三章の弁証法における解説をはじめに持ってきて欲しいと思う構成でしたが、予測するための一つの考え方としては面白いです。ただ、弁証法自体の知識が無いので、肝である螺旋的発展が対話としての方...続きを読む法である弁証法との関連が未だによく分かりませんが。。
何事もそうですが、読んですぐ使える訳では無いし、あくまで参考になる部分を取り入れる事が重要です。未来の予見というよりは、起きた現象の本質を理解するというのに適しているのかな、と思います。

以下は具体例を省いた学びのポイントです。

◉未来を予見する
本質の洞察・未来の予見に必要なのは『弁証法』という哲学的思索。
・分析に偏ると細部に囚われ、論理思考では直観や大局観が働かなくなる。
・弁証法により、洞察力と予見力、対話力が身に付く。

第一章『使える弁証法』
・弁証法‥‥ドイツ観念論の哲学者・ヘーゲルの思想。
人類が生み出した哲学で、最高峰と称される哲学。
◉重要な法則はただ一つ
【螺旋的発展の法則】
‥‥物事が発展するとき、螺旋的に発展する。右肩あがりに進捗するのではない!
‥‥「進歩・発展」と「復活・復古」が同時に起こる。
◉螺旋的発展の一例
・ネット革命でのオークション
‥‥電子上で世界とオークション・逆オークション(指値)が可能になったが、ビジネスモデル自体は昔からあった。
→合理化に合致しないので、姿を消していたモデルがネット革命により、大幅に発展して再び現れた。=螺旋を一段上がって発展したという事。
◉螺旋的発展はどこか?
・復古してきたモノを表層的に見るのではなく、何が進歩・発展したのかを深く考えなくてはならない。
◉未来進化と原点回帰は同時に起こる
・懐かしいモノが便利になって再登場する。=進化
@進化とは、元々生物学の用語。単なる連続的な変化ではなく、不連続的な飛躍を意味する。
・進化の本質は多様化である。
・『同時に起こる』とは、
①未来進化が起きるとき、必ず原点回帰も起こり、懐かしいものが復活する
②原点回帰が起こるとき、必ず未来進化も起こり、便利になって復活する
の二つの視点である。
◉螺旋的発展を目にする変化が起きた
・世の中の時間速度が早くなっている。その為、局所ではなく、螺旋的発展を目にするようになっている。
→ドッグイヤー‥‥犬の寿命は人間にくらべ、1/7。七年が一年で起こるという比喩。
→マウスイヤー‥‥人間の18倍の速さで成長する。
◉一生において、世の中の大きな螺旋的発展を目撃する時代。
日常生活において、様々な物事の螺旋的発展を目撃する時代。
→螺旋的発展は街にある。
便利になった懐かしいものを発見し、考える。

第二章『弁証法をどう使うか』
◉弁証法を使う為の思考法
①螺旋的発展において、何が復活してくるかを読む
②合理化と効率化の中で何が消えていったのかを読む
③その段階で、それがなぜ消えていったのかを考える
④新しい技術や方法てわ、どうすれば復活できるかを、考える
◉次の思考ステップ
・消えたモノの理由を考える
①合理化を実現するための均質化
②合理化の極点での反転
③均質化から個性化への回帰
◉新しいモノを新しい眼鏡で見なければならない
→いかなる形で新たな価値が付加されたか?
◉『動き』の視点から、螺旋的発展を見る
・現在の動きは「反転」する。
→言い換えればトレンドのリバウンド
【否定の否定により発展」の法則】
◉世の中は振り子のように動く
@タオイズム(道教)
陽、極まれば、陰
陰、極まれば、陽
→物事の変化は、その極点において、反転するという東洋思想
◉戦略的思考への応用
・次なる主戦場を読む
‥‥世の中の変化が激しく、次なる主戦場を考えて立案しなければならない。
→主戦場が移行する可能性を判断する法則
【物事は量から質への転化により発展する】
‥‥量が増大し、一定の水準を超えると、質の変化が起こる。
     ex.水の沸点
→量が一定の水準を超えたかを図るには?
‥‥キーワードが忘れられたか?
◉本質の洞察、未来を予見するもう一つの法則
【対立物の相互浸透による発展】
‥‥対立し、闘争している二つのものは、互いの性質が相互に浸透していく。
◉矛盾にこそ、意味がある
【矛盾の止揚による発展】
‥‥弁証法の最も基本的な原則。
矛盾とは、物事の発展の原動力である。
@止揚とは、ドイツ語でアウフヘーベン。ヘーゲル哲学の難解な概念。
止揚‥‥互いに矛盾し、対立するかに見える二つのものに対して、いずれか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、包含し、統合し、超越することによって、より高い次元のものへと昇華していくこと。
・矛盾のマネジメント
‥‥振り子を振ること。矛盾を割り切らないこと。
@亀井勝一郎‥‥割り切りとは、魂の弱さである。

第三章『弁証法で身に付く力』
◉弁証法を知ると対話力が身に付く
@弁証法はギリシア時代に用いられた方法。ソクラテス。
プラトンの著作『ソクラテスの弁明』
弁証法‥‥対立した意見の持ち主が対話を行うことによって、互いに、より深い思考に向かっていくための方法。
→具体的な方法は、正・反・合による思考の深化である。
正(テーゼ)、反(アンチテーゼ)、合(ジンテーゼ)
→一人が語った意見(正)に対して、もう一人がその反対の意見(反)を語り、それぞれの意見に基づく対話を通じて、二人がともに、二つの意見を包含し、統合し、止揚した、さらに深い理解(合)に到達するという方法。
◉弁証法によって、歴史観が付く
東洋と西洋の止揚。
これがこれからの歴史におきる螺旋的発展。
西洋文明が開花させた最先端の科学技術と資本主義。
東洋文明の根本にあった生命的世界観と深い精神性。
@人類の文明は5000年前に東洋において生まれた。
エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、中国文明。

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Posted by ブクログ 2011年09月12日

19世紀ドイツの哲学者・ヘーゲルが提唱した弁証法には、4つの法則があるという。
①螺旋的発展の法則・・・物事は螺旋的に発展するという法則
②否定の否定による発展の法則・・・物事は否定され、さらにその否定によって反転するという法則
③量質転化による発展の法則・・・物事は量的な臨界点を超えると質的な転換...続きを読むを起こすという法則
④相互浸透による発展の法則・・・対立する物事は互いの性質が浸透することで発展するという法則
この4つの法則によって、「時代を読むことができる」というのが本書のテーマだが、そもそも時代を読み続けることが本当に必要なのだろうか。
その意味で、具体的に使えるのかどうかは、検討の余地がある。
時として、時代が間違った方向に進むときがある。このとき、正しい螺旋の先にいたとしても、時代とマッチしない。
時代を読むことよりも、大事なことがあるような気がしてならない。

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Posted by ブクログ 2010年06月15日

弁証法の法則

螺旋的発展の法則、否定の否定による発展の法則、量から質への転化、対立物の相互浸透による発展の法則、矛盾の止揚による発展の法則がわかりやすく記載されている。
なんとなくそう思ってたことを再確認。一時間くらいで読める。

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Posted by ブクログ 2010年03月30日

田坂広志著「使える弁証法」東洋経済新報社(2005)

*ヘーゲルの弁証法
①「螺旋的発展の法則」
→「未来進化」と「原点回帰」
→未来進化においては、「便利になった懐かしいものが復活してくる」と同時に「懐かしいものが残りつつ、便利になっていく」。例)書籍の進化:データと紙の共存と共生
→ダーウィン...続きを読むの進化論では、進化とはたんに「新しいもの」がきえ「古いもの」になるわけではない。つまり、魚類、両生類も共生し棲み分けている。つまりは生物種が多様化を遂げていく。
→(1)「螺旋的発展」において、何が復活しているかを読む(2)「合理化」と「効率化」の中で何が消えていったのかを見る(3)「その段階」でそれがなぜ消えていったのかを考える(4)「新しい技術や方法」でどうすれば復活できるかを考える。
→「合理化」を実現するための均質化、合理化の極点での反転、均質化から個性化への反転
②「否定の否定による発展の法則」
→否定が2回起こることによって物事が発展していくこと。
③「量から質への転化による発展の法則」
→量が増大し一定の水準を超えると質の変化が起こる
④「相互浸透による発展の法則」
→対立し闘争している2つのものは、互いの性質が相互に浸透していく
⑤「矛盾の止揚(しよう)による発展の法則」
→「矛盾のマネジメント」とは「割り切らない」ことである
→「割り切り」とは魂の弱さである。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

螺旋的発展の法則。

確かに昔はやったものが再度
流行する。

でもそれはまったく同じものではなく
なにかが進化したものとして。

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