【感想・ネタバレ】『永遠の0』と日本人のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年02月17日

永遠の0の原作があまりに好きで、その延長のような評論に手を出してみた。興味深く、面白く読めた。
『風立ちぬ』の章が特によかった。あの映画を見た後、もやもやした、なんとも座りの悪い気持ちになったのをよく覚えていて、その時の気持ちを代弁してもらったような気分になった。堀辰雄は読みつつも、堀越二郎の自伝に...続きを読むは触れていなかったので、この機会に読んでみたい。
学生の頃から、かっこつけのように日本批判をする人によく遭遇して、違和感を覚えていたから、精神構造のくだりはとても得心がいった。こういう風潮も、作られてきたんだなぁと。また、憲法への言及も、とてもわかりやすい。日本の平和状態を維持しているのは日本の外交力と同じかそ!以上に、日米安保条約であり、米国の軍事力であり、今の状態を維持しようと思うことは、米国の軍人に、日本の代わりに戦えと言っていることではないのか?と個人的に感じていたのだけど、あながちおかしな考え方でもないようだ。
安保条約締結時は、反共を狙う米国に利はあった。でも今、米国に日本を守るだけの理由があるのか?と思うと、なんだか、今のあり方も変な感じがする。
この作者のバックグラウンドを何も知らずに読んだけど、あとがきの『一番やめてほしい反応は「右翼による戦争肯定」「特攻賛美」という類のレッテル貼りだ』というコメントが正鵠を得ている。そうしたレッテル貼りで相手の発言を封じたり、論に耳を閉ざすことは(右派とか左派とかおいといて)往往にしてあると思うのだけれど、それでは問題の本質は見えないと思う。また、自分も無意識のうちにやってしまう可能性もあるから、教訓として覚えておこうと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年05月19日

文芸評論家小川榮太郎の「永遠の0と日本人」。
映画「永遠の0」、映画「風立ちぬ」、映画「終戦のエンペラー」、小説「永遠の0」、特攻とは何だったのか、の5つの章で構成されています。
映画「永遠の0」の章では、最初に観た時の違和感について書かれているが、自分自身も本で読んだイメージと主人公のキャラが少し...続きを読む違うのと物語全体の空気に違和感を覚えてたので、その解説は大いに参考になりました。
「風立ちぬ」の章では、宮崎駿作品が戦後日本や国家というところに直視していないところを厳しく突っ込んでいます。
「終戦のエンペラー」の章では、この映画が俳優・スタッフたちの驚くべき無知から作られていることを詳しく指摘しています。
小説「永遠の0」の章では、現代の読者が感情移入しやすいようにあえて宮部を傀儡とした設定しているとの事で、なるほどなと感心。
そしていよいよ白眉の最終章。
まず前提として特攻は非戦闘員への無差別攻撃ではなく、敵を絞り込む最大の戦果を求めて、叩くべき極点を限定した戦術であり、その意味においてテロとは全く異なる。という事。
大西中将があえて特攻という作戦を固辞した理由として、1つはは万世一系仁慈をもって国を統治され給う天皇陛下は、このことを聞かれたならば、必ず戦争を止めろ、と仰せられるであろうこと。2つはその結果が仮に、いかなる形の講和になろうとも、日本民族が将に亡びんとする時に当たって、身をもってこれを防いだ若者たちがいた、という事実と、これをお聞きになって陛下御自らの御仁心によって戦さを止めさせられたという歴史の残る限り、5百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するであろう」ということである。
大西中将は8/16未明に割腹自決を行った。介錯を拒み15時間近くもがき苦しんだ末、同日夕刻に生涯を閉じた。特攻隊員への懺悔という意味もあったとの事。
著者は特攻の成果についても従来の定説を公開されたアメリカの資料により覆しており、加えて、もし特攻がなかったなら、アメリカは大船団を引き連れて日本近海まで自由に到達し日本本土に上陸したであろう、そして戦争末期は、リンチのようなワンサイドゲームになったであろう。
有色人種である日本人が、一方的なリンチで敗北したら、敗戦処理はどうなっていただろうか。インデアンやハワイのように国家主権そのものが半永久的に剥奪され、世界は植民地から解放されたのに、肝心の日本は奴隷の国に落ちぶれなかったと言えるか。と。
しかしながら、この本の最初の見開きに親日家のアンドレマルローが昭和天皇に騎士道にも合い通じる武士道について語り、しばし黙られたあとのお言葉。「しかし、あなたは、来日以来、一度でも武士道を思わせるものを見ましたか」と。
「敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花」現代の日本人もその精神はなくなってはいないものの7年に及ぶGHQの弾圧の占領政策により戦後、大切なものを失ってしまったようである。先人たちの尊い犠牲のうえに今私たちが享受する平和があることをかみしめつつ、この後の世に彼らの命が無駄にならなかったと思える日本になってほしいと願うばかりであります。

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Posted by ブクログ 2014年04月04日

日本人たるの矜持を失ふ勿れ

平時に処し猶ほ克く特攻精神を堅持し
日本民族の福祉と世界人類の和平の為最善を尽せよ

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Posted by ブクログ 2014年02月27日

実は、『永遠の0』を読んでから、何故百田尚樹さんがあの本を書いたのかといふ意図が能く解らなかつた。なぜなら『永遠の0』は読み方によつては反戦思想の物語にも読めるし、たんなるヒューマンドラマにも読めるからだ。しかし、この本を読んでから、疑問が氷解した。私の読み方が甘かつたのだつた。また、本書の中に引か...続きを読むれた英霊の遺書には涙を禁じ得なかつた。『永遠の0』解説本として好適。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月09日

映画「永遠の0」「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」の解説あるいは批評かと思って読みだしたが、直ぐにそれが誤りだったことに気づかされる。著者はこの3作品を俎上に載せて、戦前(風たちぬ)・戦中(永遠の0)・戦争直後(終戦のエンペラー)の時代を語ろうとしている。
穿った見方(読み方)をすれば、先の(太平洋戦...続きを読む争でなく)大東亜戦争や特攻の賛歌ではと、誤解を受けやすいが、問題の切り込み方や、論理展開が半端でなく、我々がこれまで目を背けていた「あの戦争」は何だったを考えされられる。
個別の映画の批評としては以下のような内容になっている。
「風たちぬ」
著者は宮崎駿の中に内在する「戦後の平和日本」の矛盾を指摘する。つまり「風の谷のナウシカ」はその自己矛盾に身悶えし、それがリアリティを保証しているが、「風たちぬ」は零戦という戦争の申し子を主題に選択したにも関わらず、戦争とは一切関係なく「世界一美しい飛行機」作りに邁進する主人公・堀越二郎を描いていると。『彼(宮崎)は零戦を生むに至る歴史を正視しない』
この著者は「風の谷のナウシカ」が好きなのが行間から伝わってくる。そういう作品を作った宮崎駿が最後の仕事での、中途半端さへの苛立ちが聞こえてくるようである。

「終戦のエンペラー」
この映画は、「偽りと不信の日米関係」と切り捨てている。具体的には戦後のアメリカによって行われた検閲問題に迫っている。

「永遠の0」
ここで、著者の言いたい事が爆発している。
小説にあるが、映画では切り捨てられているものに焦点をあて、両者の違いを丹念に探っていくことにより、主人公宮部の苦悩、大東亜戦争、特攻・・・家族・祖国を守るということは何だったのかを正面から我々に問いかけてくる。

私は必ずしも著者の考え方に同調するわけではないが、これまでの我々が目を背けてきた「現代史」あるいは「戦争」および「戦後の平和」とは何かと言う問題を、改めて考えさせてくれる本であった。

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Posted by ブクログ 2015年12月29日

私が観た映画のことが書かれていたので学校の課題用に購入しました。永遠の0をべた褒めしすぎかなと思いましたが私もそう思ったのでまあそれはいいとして、全体的に読みやすかったし偏見があるような気もしますが戦争映画の考察としてはよい文献だったと思います。

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Posted by ブクログ 2014年03月15日

映画『永遠の0』『風立ちぬ』『終戦のエンペラー』について読み解いてあります。
映画を見た時の違和感の正体が解りやすく書いてあり納得。
後半、少し表題より作者の主張の方が強い感じがしました。

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Posted by ブクログ 2014年01月11日

年末に「永遠の0」を観て以来、その余韻をずっとひきずっていたところこの本を見つけたので読んでみました。
そうだ、原作の宮部さんはこういう人だったんだよなぁ~、また原作を読み返したくなりました。
「風立ちぬ」については、まえから宮崎駿の作品ってなんか上から目線っぽい感じがしてなんか好きになれなかったん...続きを読むですけどその理由が具体的にわかり、やはり自分は宮崎駿は嫌いだと思いました。

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Posted by ブクログ 2014年01月07日

興味深く読めました。
永遠の0の映画をみて納得できなかった部分を次々と解説してくれててすごく参考になりました。

永遠の0の映画をもう一度みにいこうかと思います。

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Posted by ブクログ 2019年08月12日

前半は「永遠のゼロ」、「風立ちぬ」、「終戦のエンペラー」の本と映画の感想にあてており、いまひとつと思ったが、後半は具体的な分析がされており、まあまあの内容だった。

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Posted by ブクログ 2016年08月09日

書評がどうとか、考え方がどうとか、そんなことの前に、ここに書かれていることの現実に感じることがたくさんあった。

70年前に何があったのか。

小説や映画「永遠の0」は80代90代の方達と戦争を知らない世代との距離を縮めてくれた。神聖化しなくていい、同情しなくていい、ただ私たち世代が知るということ、...続きを読む感謝をしてもらえばいいんです。ーーどこかで読んだご老人の言葉を思い出した。

何があったのかを知ることが大事。

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Posted by ブクログ 2016年04月17日

永遠の0を読んだときは、最終的に興ざめした部分があったけど、この本を読んでもう一回読むと違う視点から読めるのではないかと思った。
悪くない。悪くないけど、気合をいれて読まないと、
置いていかれてしまう本だった。
もう少し大きくなって、長い休みが取れたら、
もう一度読み返したい本だった。

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Posted by ブクログ 2015年02月25日

宮崎監督の「風立ちぬ」を見ていなかったので テレビ放映で見てから再読
零戦を作った人・乗った人それぞれの描き方があるんだなぁ
あの戦争はなかったことにはできない

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Posted by ブクログ 2014年09月28日

安倍首相がTwitterで話題にしたことが、読むきっかけだった。映画『永遠の0』『風立ちぬ』『終戦のエンペラー』を通して大東亜戦争、特攻とは何だったのかを読み解いていく(筆者の考えを通して)ものだ。
「特攻」「零戦」が大きく取り上げられた時期だけに、誰が、どのようにあの戦争を振り返っているのかには大...続きを読む変興味があった。「あの時代、日本人として潔しとされる美しい生き方(筆者の考えによる)があった」のだと、私は理解したつもりでいる。
本書で取り上げられた3本の映画だが、題材、作り手、主題によって、「あの戦争」は様々に描かれているのが解る。未だ観ていない『終戦のエンペラー』を観てから、再読してみようと思う。

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Posted by ブクログ 2014年02月14日

『永遠の0』『終戦のエンペラー』『風立ちぬ』の3作を読み解く。先人の努力の上に今の日本の平和があることを今一度思い起こさなければならない。

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Posted by ブクログ 2014年01月13日

今や社会現象と言っても差し支えない、百田尚樹著「永遠の0」と本書を原作とした映画「永遠の0」、それにいずれも昨夏、公開された宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」、日米合作映画「終戦のエンペラー」が題材の本。
結論から言いますと、本書を読み終えて気持ちは片付かないままです。
私は小説「永遠の0」を読み、多くの...続きを読む方と同様に感動しましたが、3本の映画は観ていません。
著者は小説、映画とも「永遠の0」をほとんど手放しで称賛する一方、「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」をほぼ一貫して批判しています。
資料に基づきながら大東亜戦争(太平洋戦争)を肯定的に捉え、特攻隊も理のある作戦だったと擁護しています。
当時の実相としては、そうだったのでしょう。
進歩主義的な方から見たら恐らく鼻白む内容ですが、私は現代の価値観や尺度であの戦争を評価すべきではないと考えています。
そういう意味で納得のいく内容でした。
ただ、全体を通して、「今という時代」にも戦争を賛美している印象です。
著者はあとがきで「特定の史観やイデオロギーを主張、宣布しているのではない」と弁明していますが、ベクトルは戦争へ向かっているのです。
私も過去、靖国神社を参拝し、英霊に哀悼の誠を捧げました。
著者と同様にあの戦争を肯定的に捉えることにやぶさかではありません。
でも、そこから「今という時代」に私が導き出す回答は、「だから二度と戦争はしない」です。
それに、小説という物語の形であれば大いに結構ですが、論評で大東亜戦争を肯定的に捉え、声高に喧伝するのには抵抗があるのです。
今よりよほど奥床しかった戦争当時の日本人なら恐らくそんなことはしない。
私としては、特攻隊員の遺書などから彼らの気持ちを忖度し、静かに感謝したいのです。
著者は戦後の平和を米国の庇護のもとで得られたとし、安穏と人生を重ねる日本人が許せないようです。
私は、いいじゃないかと思います。
米国の庇護のもとであれ、平和は平和です。誰が何といおうと尊いものです。
私のように安穏と日々を過ごす人たちだって、もちろん戦争を戦った人たちと比べればちっぽけなものですが、喜びや苦悩など抱えているものは様々です。
国家を重く見る一方で、個人に目が行き届いていないのではないでしょうか。
そんな感想を抱きました。
うん、やはり、気持ちが散らかったままですので、まとまりのない文章になってしまいました。
でも、面白かったですよ。

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