【感想・ネタバレ】脳のなかの匂い地図のレビュー

あらすじ

香りを感じる脳のメカニズムが、ついに見えてきた!食欲をそそるいい匂い、果実の爽やかな香り。食べ物や飲み物の「おいしさ」は、味とともに香りや匂いに強く影響される。このことは、食べたり飲んだりしているときに、鼻をつまんでみるとよく実感できる。匂いが消えると、味まで変わった気がします。花の香りやお香の香りなど、いい香りは心地良さや精神の安定につながる。逆に、いやな匂いがすれば、その場から逃げ出したくなる。しかし、香りを感じる脳のメカニズムは、長らく分からなかった。なにしろ、数十万種類もの香り分子を脳はいったいどのようにして感じるというのか、大きな壁が科学者の前に立ちふさがっていた。1991年に匂いを受け取る、匂い分子受容体が発見されてから、事態は急激に変わった。それから10数年、「脳のなかの匂い地図」が形となって大きな成果を上げ始めた。本書は、驚きと新発見に満ちたドラマをやさしく再現する。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アロマの関連で読みました。
本書の内容は特にアロマに直接関係するわけではなく、嗅覚器官の働きについてです。
 本書の「おわりに」に "分かりやすくするために内容のレベルを下げることは、しませんでした" とあるように、非常に科学的な内容です。また、論旨展開についても科学的な考え方がスタンスとしてあるように思います。そのため、話がぶっ飛んだりせず、素人が理論の穴を突きたくなるような書籍と違ってよく納得できる内容でした。
 それでも一般の方に読めるように、ということもあり、事前知識がなくても読めました。
 におい分子の名前や、各器官のこまごまとしたところを覚えたいのでなければ、「そういうのがあるんだな」といった感じでサクサク読み進めた方が読みやすいと思います。

 内容について少し。
 タイトルの「におい地図」というのが、脳内でのマッピングといった程度の曖昧な内容かと思って読みましたが、実際は「嗅球」という器官のどの部位が反応するのか、という意味での「地図」でした。
 個人的には、においを分類する方法について、考え方の層が一つ増えた感じです。
 ・ニンジンの匂いなど 物での分類
 ・におい物質の分類(○○ピネン、△△リモネン、××アルコール など)
 ・嗅球上の分布(におい地図)

 におい地図から次(脳内での認識)ではまた、嗅皮質ニューロンというところで、「ニンジンの匂い」といった単位に戻され、脳としては結局「ニンジン」として認識することになるので、一般的に使えるのは2番目の「におい物質の分類」がいいところでしょう。

0
2014年09月26日

「学術・語学」ランキング