【感想・ネタバレ】地上最後の刑事のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2015年07月15日

『半年後、小惑星と地球が衝突し、世界は終わる。しかし、新人刑事は捜査をやめない。』
帯のこれだけでガッチリ掴まれた。中身も期待以上のノワール小説感。こんなセンチメンタルな人類滅亡があるのか。

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Posted by ブクログ 2015年03月26日

「小惑星不景気」
なんて素晴らしい造語なんでしょう!

小惑星「マイア」が10月には地球に衝突するのが確実である事が判明した1月のある日。マクドのトイレで首を吊った男が発見される。
厭世気分が蔓延する世界で、一見自殺に見える事件を掘り下げていく新米刑事。自殺する人間も多く、誰も事件に真面目に取り合わ...続きを読むない中を主人公は地道に一つ一つ証拠を積み上げていく。この辺は全くオーソドックスな推理小説。設定がSFなだけ。
終末世界には必然的に登場する宗教団体、地球脱出を真剣に考える輩、人類のエリートだけを極秘施設に囲う計画があると信じる人々、「マイア」を核攻撃すると息巻く危ない国。シュールな且つリアリティのある終末景色だ。(妖星ゴラスはやっぱり非現実的なのかしらん)
登場人物が多く名前を覚えるのに苦労するが人物描写は中々上手い。ナオミは魅力的だしニコとの兄妹愛も面白い。
しかしながら肝心なミステリ部分がチョット弱い、そこだけ残念。
設定は凄く面白いし全3部作の第1作だそうだし続編が楽しみ。
果たして地球は滅亡するのか!?(そういうSFな要素は排除してお話は進むんだろうけど。)

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Posted by ブクログ 2015年02月06日

地上最後の刑事。

まるで人類最後の一人(自分で言うのもなんですが、二重表現的ですね)と言った感じの題名ですが、その想像の通り、本書は6か月後に巨大天体が地球に衝突、人類は死に絶えるとの設定を持つミステリー小説です。

この絶滅間際の世界において、主人公のアメリカ・ニューハンプシャー州・コンコード市...続きを読むの新米刑事が偽装殺人の真犯人を追うのですが、ここに徐々に進行する社会基盤の崩壊と、残された時間を本当にしたい事の為に使おうとする周囲とのギャップが加わり、ストーリーに深みが出ています。
特に社会描写や主人公とその妹とのやり取りが印象的でした。

ちなみに本書は作者のデビュー作にして3部作の1作目との事で、続巻が楽しみですね。

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Posted by ブクログ 2013年12月31日

半年後、小惑星が地球を直撃し人類は絶滅に近い打撃を受けると確定したら、自分はいったいどうするだろうか?

そんな世界で、自分の仕事を全うしようとする新人刑事の物語。映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」、クラークの「神の鉄槌」も小惑星衝突の危機を阻止する人々の姿を描いたSFでしたが、この物語...続きを読むはそんな状況下の地上の人々の物語。しかも自殺とも思える死因に疑問を抱いた新米刑事の地道な捜査を描くミステリーなのです。今年はロシアに大きな隕石も落ちて話題になったしもはやSFとはいってられないのですね。

ほとんどの人は死ぬまでにやってみたい事をやるべく仕事をやめるか、酒か薬で紛らそうとするか自殺してしまい、交通機関は麻痺しネットは通じなくなり電話も・・・じわじわと破滅していく世界がリアルに描かれていきます。すごい設定。

そんな中でも、職務を通常通り全うしようとする新米刑事は正義感に突き動かされてというのではなく、あくまでアドレナリンに突き動かされていったり、きちんとしていたいという個人的な欲求の結果というところも説得力があります。

世界の壊滅であれ、健康上の理由であれ、金銭的な理由であれ、もう自由にならなくなる時が確定したとしたら、自分はいったい何をするだろう。ちょうど死ぬまでにやりたい100のリストを作っていたところだったので、あまりのタイミングにびっくりです。

3部作とのことで、今後も楽しみなシリーズです。

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Posted by ブクログ 2021年06月14日

半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測された世界での話。

主人公は、そんな世界でも職務に忠実に地道に捜査を続けていく中で、そんな世界だから罪を犯してしまう人々と向き合っていく…

読み終えた後、色々考えてしまいますね。その中でそういう世界を望んでいる自分もいると、改めて気付かされたよ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月24日

半年後に隕石が衝突することが発表され人類滅亡までのカウントダウンが始まっている世界。
人々は仕事そっちのけで残された時間を有意義にするため、”したいことリスト”の実現を目指し社会機能が減衰。
一方多くの人が希望を失い自殺者も急増。

そんな中一見すると自殺に見えるが、何かひっかかる事件に遭遇する新米...続きを読む刑事ヘンリー・パレス。
終末の憂いを帯びる廃れた世界でひとり熱意を保ち職務を全うしようとする姿が健気で胸を打つ。

極めて特殊な状況設定の中で明らかにされていく事件の真相と差し込まれるヘンリーのプライベートサイドストーリー。
終わりゆく世界での事件解決までの道のりと虚無感との融合がある意味新鮮な感覚のSF警察物語。

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Posted by ブクログ 2017年02月08日

小惑星マイアが半年後にぶつかり地球は終わるそんな世界でひとり殺人事件を捜査するヘンリー・パレス刑事。おまえはどうして平気なんだみたいなことを言われたりするけれど、ヘンリー・パレスも本当は平気じゃないし、気にやんで眠ることができなかったりする。そりゃそうだと思う。半年後に世界は滅亡するんだから。殺人事...続きを読む件を追いかけて、くそったれな世の中で精一杯刑事であろうとしているヘンリーに入り込んでしまった。というより、この世界に。半年後にマイアが来るような気がしてしまう。現実に。それくらい力のある作品だと思った。さて、次は『カウントダウン・シティ』読みます。

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Posted by ブクログ 2017年01月01日

最初はキャラ設定にちょっと馴染めんかった。
彗星の衝突のせいで、警察官になって1年とちょっとの主人公が刑事に任命されて、事件を担当するという部分。
でもページが進むにつれて物語に引き込まれていった。
まぁまぁおもしろかったかな。久しぶりに小説を読めて楽しめた。

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Posted by ブクログ 2015年02月17日

これはきっと映画化されるな。謎解きも面白いけど、世界の終りが近づいて人々がマジメに仕事をしなくなり、世の中が機能しなくなっていく描写がリアルで不気味だった。

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Posted by ブクログ 2014年09月13日

読み応えあり。
未来がなくなった街・世界の、晴れない曇天みたいな雰囲気が良い。淡々とした主人公刑事くんの感情が時折波打つのも心地よかった。意外性は、やや弱いかもですが、それでも、加害者の動機と、「鍵のかかった扉の向こうにあったもの」は響きました。続編も期待。

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Posted by ブクログ 2014年05月19日

こぶ平のお勧め。

小惑星衝突目前の世界、という設定は違和感ない。
過剰でなく、不足でもなく、うまく世界が描き出されていると思う。

ミステリーとてしては、ちょっと食い足りない気もするけど、
面白かった。

解説によると、三部作の初作だとか。
続きも読みたい。

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Posted by ブクログ 2014年02月28日

世に警察小説は数あります。ですが、本作ほど個性的な作品は警察小説はおろかミステリ全体を見渡しても数えるほどでしょう。

何といっても基本設定が

小惑星衝突による破滅的災厄を間近に控えた世界。古びたファーストフード店で一人の男が首を吊った。未来に悲嘆しての自殺と誰もが思った。だが、新人刑事ヘンリー・...続きを読むパレスは他殺を疑い、終局に向かう世界の中、地道な捜査を開始する……

だというのですから。

本作『地上最後の刑事』はかように特異的かつ魅力的な背景を持つ一作です。メインとなる舞台も、起こる事件も、主人公たる刑事と彼を取り巻く登場人物たちも、全てが「警察小説」という言葉から浮かぶイメージと一致します。

ただ、人類が確定的な滅びに瀕しているという一点を除いては。

本作は驚天動地のどんでん返しミステリではありません。キャラクターは個性豊か、かつプロットも十二分に練り込まれていますが、事件解決に至るプロセスも、真相もどちらかといえば地味だといえるでしょう。

読みどころはむしろその先にあるといえます。
終わりを待つばかりの絶望的な世界においては、人々の思考も行動も全てが変容しています。
同時発生する祝祭と暴動、機能停止した保険会社、通じない電信網。些細な描写の積み重ねが、変容してしまった世界を克明に浮かび上がらせてくれます。
わけても中盤、ある人物が呼吸をするように死をえらぶくだりは象徴的でしょう。

読み進めながら、我々は問いかけざるを得ません。
滅びに瀕した世界が異常なのか?
それとも、異常な世界で己の日常を、使命を貫こうとする刑事こそが異常なのか?
壊れゆく世界の中で悩み、苦しみながら猟犬の如く獲物を追い詰めるパレスの姿はいっそ悲壮ですらあります。

事件を追う興奮、終末を過ごす虚無感、そして究極的状況における自らの選択。これらを同時に追体験出来る、まさに思弁的ミステリというべき一作でしょう。
お勧めします。

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Posted by ブクログ 2014年02月15日

 SFである。
 ミステリなんだけど、正統派ハードボイルドSFというか。

 アメリカが大好きな、隕石が地球に落ちてくる世界での、ある一つの事件のお話。
 設定はごく単純でありがちかな?とも思えるのだけれど、そこから描き出させる世界は実に豊か。
 表現ってすごいね、としみじみしました。

 続編があ...続きを読むるらしいので翻訳が楽しみだ!

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

設定が面白い。
フィクションなのに、読み進める折々で、「もうすぐ地球が滅亡する」ことの恐怖にゾッとしてしまう。自分がこの立場になったら、どう行動するだろう。

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Posted by ブクログ 2021年08月14日

小惑星 地球を衝突、殺人事件。設定が面白く、全体的に灰色な感じの世界がかっこいい。何気に取った本だけど、面白い❗三部作らしいので自作も読む予定

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Posted by ブクログ 2019年11月11日

設定を現代でありながら、敗退的な状況(インターネットやハイテク無し)にしたところで情緒のあるアナログな操作で展開していく。おもしろい。

刑事コロンボほど鮮やかな謎解きではなく、不器用にゆっくりと話しが進む。

小惑星が地球に衝突するというのでそっちに気を取られてしまい、犯人探しに集中できなかったが...続きを読む、このパレス刑事は粘り強く、コツコツと捜査していく。
続編をすでに読んでいるが、この主人公に感情移入することでこの小説の楽しみ方がわかってきた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年03月21日

設定がまず凄くて、SFだっけ?みたいな。そして滅亡の日が近いのかもしれないのに。割と皆さんパニックにもならず、淡々としてらっしゃる(そうでない人達もいるにはいるが)
なんか事件性が感じられなくて、かなり後半になってからもやはり自殺かみたいな感じでなかなか進まない…忙しくしてたせいもあるかと思いますが...続きを読む。三部作でしたっけ?気長にチャレンジします。

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Posted by ブクログ 2016年03月11日

半年後に小惑星の衝突で地球が消滅するという状況下での殺人事件。設定は面白いが、特に前半はなかなか読み進めにくかった。最後の推理もちょっと。3部作とのことで、最後少し意味深な終わり方もしたので次作も読んでみようとは思うが、、、。

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Posted by ブクログ 2014年06月29日

隕石が地球に衝突する事が確定している状況下、自殺者が急増していた。マクドナルドのトイレで発見された首吊りしたいも自殺だと思われたが一人の刑事だけが他殺と推定し捜査を開始する。
特殊な状況であり全ての人物の行動にバイアスがかかる。動機もそういったことの一つ。状況は伊坂幸太郎「終末のフール」に似ているが...続きを読む、それをハードボイルド風にしてミステリも盛り込んだ感じ。

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Posted by ブクログ 2014年06月14日

半年後に小惑星が激突するという世界を描いた物語。ミステリーの側面はあまり強くなくて(というか推理物としてはそうとう甘い作りなのでは)、終末の世界を生きる人々の営み、心情を描いている作品として読むのが正しいような。ぎりぎりのリアル感と、終末というフィクションのバランスがうまい。翻訳者のせいか作者のせい...続きを読むか文章をカジュアルにしようとしすぎて読みにくくてかなわないけど、シリーズらしいので、地球の終わりを見るために読み続けよう。地震大国の我が国はひとごとじゃない。

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Posted by ブクログ 2014年03月03日

小惑星が衝突して地球が滅びるまであと半年。
未来を悲観して自殺したと思われた男に不審な点があることを発見したパレスは他殺を疑い、捜査を始めるのだった。

半年後を見据えて、自暴自棄になる者、淡々と己の役割を果たす者、何とか生き延びようとする者。
混沌とする世界の中で、それでも己の仕事に邁進するパレス...続きを読むがハードボイルドだなぁ。
なぜ彼がそこまでするのかは見えなかったけど、そういうタイプなんだろうなあと思うことで納得。
事件の彩りにはなっているけれど、決して終末感に逃げずきちんとミステリを描いているのはいいね。

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