あらすじ
仏師の円心の前に現れた女は、前世で太子と心中した愛妃の生まれ変わりで、太子の生まれ変わりである円心の前に現れたのだと言う。しかし、自らの一族を一人残らずなぶり殺され、すさまじい怒りと怨みを持って死霊となっていた太子は、女陰の裂け目から突入し、輪廻転生の掟を破って黄泉の国から蘇った!! 斑鳩の朝日とともに我ついに蘇りたり!! 「怒る我」の男――太子追い書き(滝沢解)収録。
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Posted by ブクログ
権力者・入鹿どもを討ち滅ぼし、理想国家建設の悲願を果たすべく黄泉の国から帰還した“聖徳太子”の世直し復讐譚。学校で教えられた聖徳太子像を根底から覆してくる、そのインパクトたるや。初っ端から蘇我馬子を八つ裂きにして目潰しするのだから、ただごとではない。物語の大半は現世ではなく地獄での決闘が描かれ、醜悪な敵キャラに釈迦の登場、さらには核戦争までが入り乱れる。あまりに常軌を逸した展開に「いったい何を見せられているのか」と困惑するばかりだが、その一方で圧倒的な絵の力に最後まで惹きつけられてしまう。あまりのスケールと狂気に、著者自身が完結を前に筆を置いたのも頷ける。まさしく怪作だ。