【感想・ネタバレ】〈世界史〉の哲学 イスラーム篇のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年08月23日

イスラム教に対して感じてきた疑問に、クリアーに答えられてる気がする。特に、キリスト教との対比において。

アッラーの最大の性質は「慈愛」
旧約聖書のヤハフェの冷酷さとは対照的。

イスラム教では「ヨブ」はありえない。
不幸は悪いことをした報いであるから。

イスラム教は神の謎を消して明確化した。
...続きを読むリスト教は神の謎を深めて神秘化した。
p.66

アッラーにすばらしい貸付をする者はいないか。何倍にもしてそれを返却して頂けるんだぞ。
コーラン2章246節
p.86

イスラム教の観点から正しい行いをすることが、アッラーへの投資として描かれる。

仏教は、経済的な利得を求めるような欲望を否定してる。
しかし、イスラム教は、神自身が商人として、あるいは資本家として、ふるまっている。
ならば、イスラム教のもとでこそ、資本主義が発展すべきでなかったのか?
p.88

イスラム圏では、利子の徴収が禁止されていた。
しかし、中世キリスト教も、利子を禁止していた。
利子を罪悪視する感覚はキリスト教のほうが遥かに強かった。

神すらも投資家や商人のように振舞うイスラム教のもとで、なぜ市場経済が生まれなかったのか?
p.90

神を信ずることは、神に投資することに等しい。
コーランでは、神自身が信仰を投資に譬えている。
p.94

イスラム文明圏は、もともと、他のどの文明圏よりも完備された法の支配を確立した。
しかし、近代化の課程で、法の支配の伝統は活きなかった。
逆に西洋では、ある時期以降、法の支配は前提となった。植民地には適用しなかったが、西洋本国では近代化に先立って、まず法の支配が制度化され、機能してきた。
p.107

イスラム教が発生した場所は、ユーラシア大陸のほぼ中央であり、東西交易にとって、きわめて有利な場所だった。
そこは商業の先進地域であり、遠隔地交易も盛んだった。ムハンマドもまた有能な商人であり、商人のエートスを代表する宗教としてイスラム教が生まれた。
p.264

何事によらず「わしは明日これこれのことをする」と言いっ放しにしてはならない。必ず「もしアッラーの御心ならば」と付け加えるように。
コーラン18章23節
p.278


六信五行
の義務を果たしていること。これがイスラーム教徒であることの条件。

六つの信仰。
①アッラー
②天使ガブリエル
③コーラン
④予言者ムハンマド
⑤来世
⑥天命

五つの行
①信仰告白
②礼拝 1日に5回、聖地メッカにむかって
③喜捨 布施とは違い一定率の義務。税金のような。
④断食
⑤メッカへの巡礼 一生に一度は巡礼。義務ではない。

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