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Posted by ブクログ 2016年11月05日
森内十八世名人も超一流ではあるが、凡人の自分にとっては羽生十九世名人よりも近い存在だろう。
最近の羽生さんの著作は、「場」や「空気」について語ることが多く一種神がかっている。
それに比べると森内さんは人間らしい。
羽生世代の間違いなくトップを争って戦ってきたプロ棋士の半生記。
そのトップ棋士からみても圧倒的な力で棋界に君臨する羽生さん。
その背中を同世代として追い続け、捕まえようと懸命に追いかける半生。
見開き1ページの文中に何度も羽生さんの名前が登場し、羽生さんに憧れて、崇拝しつつも戦い続ける姿がなん...続きを読むだか少し苦しい。
永世名人の資格を羽生さんよりも早く手に入れた実積を持ちながらも、自身を選ばれし者でないと言う森内さんの文章は、なんだか四方八方をなにかに囲まれながら進んできたような不自由さを感じた。
でもそこが、リアルで、なんというか圧倒的にいい。
ビジネス書や自己啓発的な面白さを求める人には不向きですが、
圧倒的な存在を前にしても、ひたむきにトップを目指し続けてる一流プロの半生記として、物語として、超おすすめ。
そして、羽生さん孤独だなあ。
Posted by ブクログ 2014年03月26日
プロ棋士が書いた本はこれまで何冊も読み、それぞれに教えられる点があったが、森内さんのこの「覆す力」は本当に掛け値なしに面白い!森内さんのまじめで、まっすぐで、それでいてひょうひょうとしておちゃめなキャラクターが存分に現れていて、将棋を指すことはなくてもプロ棋士のキャラだけで将棋を見ている筆者のような...続きを読むタイプにも全く抵抗なく飛ばす箇所もなく読むことができた。森内さんの将棋への向き合い方、考え方には将棋とは異なる仕事にも通じる普遍性、強さがある。電王戦などで最近の将棋(人間対コンピュータなど)に関心がある人には必見の書。
Posted by ブクログ 2014年02月09日
非常に面白かった。筆者の森内俊之名人は口数が少なく、一般書にて考えを知ることができるのはとても良かった。
渡辺二冠の著書からみても、こちらから見ても羽生善治三冠は特別なものであることが理解できた。
同じ土俵に立つ人間が評価するものは、外野からの凄みとはまた別の言いようのない高揚感を持った評価にな...続きを読むる。
面白かった。
Posted by ブクログ 2017年12月31日
同世代の羽生さんとは、常に圧倒的な実力差を感じながらも、その対戦自体を楽しんでいる森内さん。
勝負の世界ではあるけど、根本にあるのは、将棋が好きってこと。だから探求し続けられる。
羽生さんとは違くてもいい。
名人になれなくてもいい。
そう開き直ると、実力を発揮できる。
プロでも手を間違う。間違わ...続きを読むない方が難しいと知った。
精神的、身体的な揺れが、指し手を誤る。
これからAIは人間に勝つ。そして負けなくなるかもしれない。だからこそ、人間同士の対局が面白いと気づいた。
Posted by ブクログ 2017年03月02日
将棋棋士と言えば、羽生善治先生くらいしか知らないという方も多いでしょう。
この本の著者・森内俊之先生は、羽生先生と同年代で、小学生の頃からのライバルなのです!
40代になって竜王・名人というタイトルを手にした著者の勝負哲学は、合理的かつクール。
ドラマチックな逆転の好手に対しても、「プロ棋士の対局...続きを読むで驚くような逆転が生まれるのは、相手が致命的なミスをしたときだけだ」とバッサリ(笑)
(タイトル戦二日目の昼食にカレーを食べる理由も解説されてます!)
その一方で、ライバルの羽生先生への思いは強い。本当に強い(笑)
数えてはいませんが、平均すれば見開きに1回くらいのペースで「羽生さん」と言ってるんじゃないだろうか?
その他、おもしろエピソードもちりばめられています。
・将棋教室に入ったばかりの頃、相手に持ち駒を見られないよう隠していた
・対局に負けた悔しさのあまり、千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走って帰った(スーツ姿で!)
最後に、お気に入りの一文を引用します。
「私は遠くを見ることをやめて、一歩一歩足元を固めながらしっかりと歩くようにした」
大きな目標を意識しすぎると、かえって何も手につかなくなりますもんね…!
Posted by ブクログ 2016年10月21日
将棋は全然知らないのだけど、面白く読み進められ少し知識がついた。森内さんもなんとなーーく顔を知ってる?という程度でなぜこの本を読もうと思ったかは既に謎。私は深く考えるの苦手だから将棋も出来ないんだろうなぁ~(´・ω・`)
Posted by ブクログ 2015年06月20日
少し前に、森内俊之が会社の同期の中高生時代の同級生ということを知り、それもきっかけとなって読んでみました。
羽生善治の本を読んだ時には、「キレ」のようなものを感じましたが、森内俊之は、ひたすら謙虚で、この本からは、「キレ」のようなものはほとんど感じませんでした。
きっと、まったくタイプが違うん...続きを読むでしょうね。
将棋などで、強い者どうしが対戦するとき、同じ場面では同じように考えるものだと思っていたのですが、まったくそうではないのですね。
言われてみれば納得ですが、新鮮な驚きもありました。
ちなみに、タイトルの『覆す力』は、あまり中身と関係ないですね。
強引に結び付けられないわけではないですが。
Posted by ブクログ 2017年10月29日
第18代永世名人でもある森内俊之の一冊。
彼が俗に言う羽生世代という同世代の強豪ライバルに中でもまれ、そして苦悩しつつもトップ棋士に上り詰める様子がよくわかった。
Posted by ブクログ 2015年06月04日
一読して森内名人の円熟した人間性を感じました。謙虚に将棋に取り組み、敬い、親しんできた人生なのだな、というのを感じます。
将棋は完全な個人戦。
「勝負をひっくり返す妙手はないが勝負をひっくり返すミスや悪手はある」
「ミスは一回までなら取り返しがつくが二回やると取り戻せない」
「負けて...続きを読むもいい。負けるときは次につながる負け方をするべき」
羽生世代といわれる名人。羽生名人の強さ、棋風についても触れられていて、「これといった印象的な手はないのだがいつのまにか自由自在に局面をあやつられ、最後に負けてしまう」「羽生名人がミスをしても、実は何か意図があるんじゃないかと深読みしてこちらが自滅してしまう」と。
Posted by ブクログ 2014年08月22日
○棋士の森内氏の作品。
○著者自身の将棋歴を振り返りつつ、各対局においてどのような心境でいたのか、どのような訓練をしたのか、ライバルに対してどのような思いを持っていたのかなど、著者の思いや経験をまとめた作品。
○みじかに天才と呼ばれる人がいるなかで、どのようにモチベーションを保ち、そして、ライバルを...続きを読む乗り越えていったのかという点は、将棋の世界とは別の部分でもたいへんに参考になる。面白かった。
Posted by ブクログ 2014年06月29日
非常に面白く読めました。
森内と羽生は同じ年。90年代中頃には7冠までなった羽生を目指し、いかにモチベーションを上げ、永世名人になったのか、その理由がわかる気がする。
特に、佐伯先生、吉田先生に敗れた際のエピソード。非常に印象的でした。
また、カレーライスを二日目の昼食で食べる理由、島研でのエピ...続きを読むソードなども、またしかり。
自分も、来年の大会まで、もう少し精進しなければ。
Posted by ブクログ 2014年04月26日
正直いってあまり一般受けしないような内容に感じました。将棋のことにある程度興味がある方でないと楽しめないかも。結局のところ、自分の特性を知り、地道に積み重ねていく、ということでしょうか。
Posted by ブクログ 2015年06月27日
勝負の世界に生きる人たちの考え方や習慣に興味を持って、羽生さんの「迷いながら、強くなる」の直後に読みました。私が完璧主義で打たれ弱い人間なので、厳しい状況でも前に進み続けるためのヒントが得られれば、というのがこの本を手に取った動機のひとつです。
自分を知って、受け入れ、自分に合った努力していくこと...続きを読むで道が開けた、というのが本書の一番のメッセージだった気がします。そのためにはやはり余裕や自信は大事だな、と思いました。成功7割、失敗3割という言葉が出てきましたが、失敗との付き合い方、成功体験の作り方を私なりに考えていきたいです。
「ビジネスに役立つ勝負哲学!」というあおりから想像していたよりも自伝の色が濃い本でしたが、失敗談やその時の心境などもたくさん書かれており、永世名人というすごい人を少し身近に感じることができました。
Posted by ブクログ 2015年02月08日
共感・参考になる点もある一方、勝負の世界での緊迫感・心理など、まず一般の人が経験することが無いような点も書かれている。
カレーの話、やりきれない思いから千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走ったエピソードが森内さんらしく印象的。
Posted by ブクログ 2014年06月01日
今の時代の棋士の方はどの人も、羽生さんを意識の外には置けないんだな、ということが改めて感じられました。
それにしても森内さん、対局に敗れた後、横浜の自宅まで30km近くを走って帰ったというエピソードには驚きました・・すごい体力・・。
Posted by ブクログ 2014年04月04日
羽生さんとの関わり方が中心になってくるか。終生のライバルというより、良い棋譜が残せる仲間、らしい。等身大の言葉で語っている感じが好感を持てる。天才型の棋士ではないと自らいい、将棋における得手、不得手の考え方はおもしろかった。必ずしも順風とは言えない将棋人生は名人の森内さんしか知らない身としては意外な...続きを読むところばかり。
Posted by ブクログ 2014年03月03日
森内俊之竜王・名人の棋書以外の本。
森内さんは自己を語らない人であるが、自戦記に少しずつ出てきた内容がこの本ではしっかり語られていると思う。
覆す力とは、他人と競うのではなく、昨日の自分を覆して、成長していくことである。
森内さんが「ジャパンナレッジ」を使っていると書いてあった。棋士も将棋以外...続きを読むの情報を使いこなす時代になっているのが分かった。
Posted by ブクログ 2014年03月03日
棋士本は面白いよね。森内名人のメンタリティは天才を仰ぎ見るだけの凡百と不屈の才人との差を証明する重要な要素だ。
経済学者の小島先生が書いてた「森内は数学者、ハブは物理学者」っていう喩は秀逸の極みだが、その観点で両者の将棋観を比較するのも面白い。