【感想・ネタバレ】密室の如き籠るもののレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

刀城言耶シリーズ初の短編集。
これまでの長編が隔絶された山村(孤島)を舞台としていたのに対し、本作の1話目は住宅街の真ん中を舞台にしている。
ただ1つ目は短すぎて良さが出ていない感じ。2つ目は短いながら舞台といい、刀城言耶のクレバーな部分といい、味が出ていた。
最後の表題作は、三津田の良さを感じた。乱歩とカーの引用は冗長に感じて読んでいる途中はイライラしたが、その直後には引き込まれた。首無しに通づる推理の大どんでん返しがあり、面白かった。
全体を読んでみた感想としては、短編ではこのどんでん返しを描ききれないので刀城言耶シリーズは中編以上の方が面白いと感じた。

これまでの刀城言耶シリーズの作品はどれも長いので、初めて触れる人にはこの作品を薦めて、シリーズとの相性を見る試金石にしても良いかもしれないと思った。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「刀城言耶」シリーズの短編集。
内容は、短編3偏と、短めの長編と言っても良いであろう中編?が1編。
どれも面白い。ハズレ無し。
特に、全体の約半分を占めている「密室の如き籠るもの」が良い。その中の結構な部分を割いて語られる探偵小説における密室の分類は、かなり読みごたえあり。しかもそれだけ力を入れたにも関わらず、真相はその分類とは別の物にしてあっさり捨て石にしてしまうあたりがなんとも凄い。

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2015年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2007年から2009年にかけて『メフィスト』に掲載された短編3編と
表題作である書き下ろし中編「密室の如き籠るもの」を加えた
刊行順としては刀城言耶シリーズ第5作目に当たる短篇集。

短編の物語の形式として、地方での怪異譚蒐集から東京に戻った際に
怪想舎の編集者である祖父江偲から事件の相談を持ちかけられ・・・
という形になっていて、「隙魔の如き覗くもの」は、
物語の時期的に『凶鳥の如き忌むもの』で描かれている
鳥憑島(ここでは鳥坏島ではない)での鳥人の儀の後に当たるので、
「隙魔の如き覗くもの」の最後に『凶鳥の如き忌むもの』に関する
思わぬ後日談が書かれていて、ちょっとホッコリしてしまった。

刀城言耶シリーズの土着的ホラー部分が楽しめるのが
「迷家の如く動くもの」なのに対して、
ミステリーとしての部分が楽しめるのが「密室の如き籠るもの」。
刀城言耶の密室講義や土壇場でのちゃぶ台返し、
最後に残る薄気味悪さは、中編ながら長編作品で
感じられるそれに近いものがあります。

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2013年01月19日

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