【感想・ネタバレ】店長!パスタに箸をつけたら、お客様がキレました。——コンビニで働く外国人たちと店主一家の23年のレビュー

あらすじ

実話から生まれた物語。

日本のコンビニで働く外国人は、8万人超。
留学生たちに「日本のお父さん」と
慕われたオーナーがいた。

人手不足、苦情、失敗、衝突——
レジの向こうには、それぞれの人生がある。

・あの店員はなぜ日本に来たのか
・コンビニ経営なんて、やるんじゃなかった
・2年間、一日も休みなし
・店長、車が店に突っ込んできました!
・揚げ物を一日1000個売れ
・牛丼には箸ですか?スプーンですか?

50歳で百貨店を辞め、妻とともに長崎から上京し、東京・西麻布でコンビニを開業した坂本哲郎。売上不振、50万円の盗難、車の店舗突入、相次ぐクレーム、2年間一日も休めない、など想定外の出来事に追われる。
深刻な人手不足のなか、坂本が採用したのは、日本へ来たばかりの外国人留学生たちだった。敬語が使えない。時間を守れない。お釣りを間違える――日本人には当たり前のことが、彼らには通じない。坂本は仕事を一から教える一方、学校、住まい、結婚、在留資格など、生活の相談にも乗るようになる。やがて、留学生たちは正社員となり、店長として店を任されるまでに成長する。
いかにして坂本は、外国人スタッフたちから「日本のお父さん」と呼ばれるようになったのか。コンビニ本部に30年間在籍した著者が、自身の経験と関係者への取材をもとに描く、店主一家と外国人スタッフの23年の物語。

【目次】
まえがき
第一章 店長、お釣りを間違えてしまいました
一万円札が、一枚多い/あの店員は、なぜ日本に来たのか/「オーナーは厳しいらしい」/深夜八時間、休憩は運次第/だらしない店には、だらしない客が増える/「自分がやったんじゃありません」/日本に残りたいと思った夜

第二章 コンビニ経営なんて、やるんじゃなかった
五十歳で、会社を辞める/五十歳、無職で上京/「二人でコンビニをやらない?」/年齢制限ぎりぎりの説明会/「西麻布は、やめた方がいい/初日の売上は、二百六十万円/本部の助けがなくなった/二年間、一日も休めなかった

第三章 あとは私たちでやります
「どっちも、もたないでしょ」/忙しいわりに、何も残らない/不採用にした留学生/五人のぎこちない笑顔/五十万円が消えた/次に盗んだのは、日本人だった/「声が小さい。もう一回」/「車が店に突っ込んできました!/金庫の鍵を渡す覚悟はあるか/自分がいなくても、店は回る

第四章 信頼は、午前二時に試される
売上前年比九六%の罪/オーナーの人生を背負う仕事/オーナーに寄り添って、数字は上がるのか/正しい言葉ほど、届かない/オーナーは、SVの何を見ているのか/電話に出ても、出なくても怒られる/ネクタイを締める手が震えた/正面ガラスなしで、営業再開/初めて店の一員になった朝

第五章 苦情は二十三件、感謝は一件
電話を切ってから、泣いた/静かな声で、「歯が欠けました」/「販売したのは、うちの店です」/誰も納得していないのに、収束した/二件目の被害者は、信じてもらえなかった/「原因不明」の先にあったもの/数字だけでは見えないもの/本部にも、数字を疑う人がいた/一件は、二十三件より軽いのか

第六章 月額賃料六百万円の物件
喉から手が出るほど欲しい/欲しい物件ほど、オーナーに渡せない/どちらを選んでも、条件が悪い/「で、お前はどうしたいんだ」/「匂わせ、ですか」/五十五歳には、次がないかもしれない/二号店出店の厳しいノルマ

第七章 一日で揚げ物を千個売れ
駐車場は、そもそもありません/「二号店を出したいのは、お父さんでしょう?」/外国人スタッフに、営業までさせるのか/成功事例には、失敗が書いていない/捨てられていたのは、うちの商品だった/息子夫婦が来られなくても、おせちは頼む/揚げ物を普段の一〇倍売るために/「言い方を変えているだけですよね」/八百十六個。目標未達/二十軒を回るより、一人の常連客/商品を売ることだけを考えるな

第八章 パスタに箸をつけて、なぜ怒られるのか
「なんで箸なんだよ!」/レジより先に、教えることがある/コンビニバイトの応募が百人集まった時代/日本人が来ないなら、外国人を探す/日本人より、レジを早く覚える/「遅れるな」だけでは、遅刻はなくならない/牛丼には、箸かスプーンか/日本文化を教えるのは、誰のためか

第九章 あの留学生が、店長になった
卒業したら、働けなくなる/父が出した条件は、結婚だった/「うちの正社員にならないか」/ネパール人は集まった。ほかの国の人は辞めた/「西麻布店の店長をやってくれないか」/店長就任の翌年、街から人が消えた/店長の次は、東京に家を/七十三歳の坂本と、三十五歳のラメス
あとがき

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

感情タグはまだありません

Posted by ブクログ

よく利用する黒川温泉。でも、宿は、その都度変える。それぞれの個性が面白いのと、黒川は、協働で温泉を向上させようとしているので、質が一定かつ価格も納得出来るから。そこでは、しばしばネパールの方が働いている。私達にも時間の余裕があるので、色々話しかける。この本は、その折の事を思い出させる。
 私の友人に、外国人に日本に居て欲しくないと言う人がいる。その人と話した折、あなたは、中居をしたり、コンビニで働きたいか尋ねると、黙ってしまった。人手が足りない日本を支えて貰っているという意識がない。感情だけでは、解決出来る訳がないと思う。

0
2026年10月24日

Posted by ブクログ

人として大切な事が詰まった素敵な1冊だった
めちゃくちゃ売れてたくさんの人に読んで、いや知って欲しい。それがゆくゆくは悩んだり困ってる人達の助けになる。そんな力を持った本だと思うから。

0
2026年10月15日

Posted by ブクログ

西麻布のとあるコンビニオーナー。フランチャイズ店の店長として売上げのほか人手不足など。その中で外国人店員の採用。国籍に関係なく有能な子は有能。文化の軋轢もあるがやがて店長候補としてネパール人の青年を育てていく。

実話を基にした小説といった位置付け。題名にもなっているマニュアルには載らない文化の違いが描かれるところが良い。クレーム、ノルマなどコンビニオーナーの苦闘が切ない。

0
2026年11月01日

Posted by ブクログ

うちの周りのコンビニにも、外国人店員は多くいる。
美談として語られているが、それはほんの一握りの店舗の話であって、教育が行き届いているかというとそうでもない。

ただ、これは外国人のみに当てはまる話でも無い。
私が歳を取ったせいもあるのか、現代の日本の若者の多くも、この外国人たちと同じなのだ。

「なぜ、そうした方がいいのか」「次の人のことを考えて行動をする」
日本人なら理解していそうな基本的な考えを持たない若者が多い。
自己中心的で、合理性を求める。
己を1番に据えることはいい事だけど、周りに配慮することは日本の美徳であったはず。

かと言って昔のようにパワハラセクハラが横行する日本が良かったかというとそうではないが。

悪い部分を削ぎ落とす代わりに、良い部分も削ぎ落とされた日本に、良いところを蘇らせる取り組みをしていくのは、難儀だし外国人に仕事を教えるようなものだ。

ここに、もしかしたら教育のヒントが隠されているかもしれない。

0
2026年10月26日

「ノンフィクション」ランキング