あらすじ
黒猫シリーズ学生篇登場! 卒論に悩む私は、ある事件をきっかけに黒いスーツ姿の青年から美学とポオの指導を受けるようになり……『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の3年半前、二人が黒猫と付き人になるまでの物語。
大学の美学科に在籍する「私」は卒業論文と進路に悩む日々。そんなとき、唐草教授のゼミでひとりの男子学生と出会う。なぜか黒いスーツを着ている彼は、本を読み耽るばかりでいつも無愛想。しかし、ある事件をきっかけに彼から美学とポオに関する“卒論指導”を受けて以降、その猫のような論理の歩みと鋭い観察眼に気づきはじめ……
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Posted by ブクログ
美学探偵黒猫と付き人のシリーズ0にあたる短編集。美学解釈ミステリ。
①数奇のフモール
友人の梨木杏奈ら振られたので茶室で断髪式。糖茶会のメンバーだから自由に使える。数奇を凝らしたおもてなしをする。
ゼミを抜ける梨木杏奈の最後の発表。
〈優美な死骸〉という技法。複数の人間が、互いの制作過程を知らずにそれぞれ作った作品を組み合わせる技法で、その狙いは集団コラージュによって個人の価値観を超越すること。
それに選ばれた人、謎の黒いスーツの青年。
真っ黒な書物は/焼かれながら/彼女を眺めていた
杏奈のための会。
小さな入り口から入ると、
「にじり口を通った瞬間から、君はアリスになったんだ。君と私は世界の片隅で巨大化する乙女」
掛け物。
「美は痙攣的なもの、そうでなければ、存在しない」
杏奈は茶菓子を用意。真っ黒な紙片を丸めたようなもの。
食べようとしたところてま、外から「そこまでにしておこう、梨木クン。すぐ出なさい、その茶菓子を食べてはならない」と唐草教授。
黒い物を投げ入れる。
唐草教授、審糖庵草月。茶道サークルの中心人物だった。二字が隠れてる。
唐草教授、ハゲになってる。
さっき、投げ入れた物体はかつらだった。
杏奈が恋したのは教授だった。
「若い人は若い人と恋をすべき」と断った。
謎の青年。復讐が近く行われると教授に伝えていた。
気づいたきっかけは〈優美な死骸〉。僕が担当した『彼女を眺めていた』以外の二つの文〈書物〉〈焼かれ〉の相性のよさ。
発表のあとの杏奈の言葉も気になった。『この詩は現実を動かす』
教授、君はまるで黒猫だ。
教授、糖茶会で鬘のことを〈黒い書物〉と呼んだのは私。
私は審糖庵草月の号を名乗るときは鬘をつけない主義。〈知〉は内奥に隠れて滅多に顔を出しませんよ、というフモール。
→かつらのこと、黒い書物って。。かっこつけすぎだろ。。
鬘を焼いて恥をかかせることが復讐ではなかった。鬘が遊びであることを糖茶会メンバーは知っていたから。
教授にも招待状。教授のは一時間開始が遅い。
わたしには、睡眠薬を盛るつもりだった。
杏奈は〈優美な死骸〉で誕生した一文を現実のものにしようとした。そのためには、〈彼女〉に相当する女性が必要だった。
黒猫、わたしの方を見ていた。それで杏奈はわたしを選んだ。
愛の告白かと思ったら、寝癖ついてた。
教授も見ていた。それで、杏奈は教授がわたしを好いていると誤解。
フモール、ユーモアの語源。
杏奈、眠ったわたしを揺り起こす教授の姿を盗撮したかった。揺り起こすシーン、抱き合う2人に見える。スキャンダル。
誤解させるためには君の服を脱がせるか切り裂くかくらいしたかもしれない。
②水と船の戯れ
唐草教授、我々美学者が向かい合わねばならないのは作品でも作者でもない。美そのもの。
東京とトーキョー展を出るまでに物語を作ってくれ。
レディ・メイド(既製品)。
わたしの話。
幕末。六月。
主人公は千代と佳代。ゲイシャ。佳代が姉貴分。
千代、好きな人はいるが、未婚。佳代を贔屓にしている男。
自由恋愛は一般的ではない。佳代は千代の恋を後押し。佳代は男に、千代の気持ちを伝えるが。
男は、自分はつねにあべこべな男だり船にはいつも水が満ちていて、船の周りには一滴も水がない。だから、千代さんと男女の仲になることはない。
→ここ、いみふ。どういう例え?
それから、男は芸者の店に現れなかった。
雨が降り出した。男の予約日。ところが現れない。浸水したかも。
佳代は悩む。男に千代を紹介しようとしたが、男の気持ちが自分に向いていたら傷ついたかも。自殺を測ったのでは?
見に行くことに。しかし、客に入れ上げたと噂が立てばここには戻れない。佳代は行くことに。
一方、千代は夢を見ていた。佳代が芸者宿を出て行く。理由は、もう泪が枯れてしまったの。
目を覚ますと、佳代いない。
同じ頃、町医者が千代に、ある男の看病を頼みに。自殺したが、一命をとりとめた。行ってみると、例の男で。二人は結ばれた。
黒猫の解釈。水と船。江戸時代は米藏があった。
水の船のイメージがきて最後に自殺とくれば、入水自殺。
男が佳代に言った『水の満ちた船』は何のメタファーだったか。
インターテクスチュアリティ。エドガー・アラン・ポオの『早まった埋葬』。主人公は、特発性の全身硬直症に悩まされており、生きたま埋葬されることを恐れる。
わたしの話の男は、『自分はつねにあべこべな男だ。船にはいつも水が満ちていて、船の周りには一滴も水がない』と言う。これは『早まった埋葬』の主人公の、呼吸がない状態にありながら生きているという〈あべこべ〉を即座に想起させる台詞。
→そうなの??無理やりな飛躍だな。。
『早まった埋葬』における〈死〉を〈恋〉と置き換えると、符号が多くなる。恋はいば初めて人間が生の躍動にきづくための装置であり、恋を失うことは死を生きながら体験するのに近い。この置き換えによって、ポオのテクストは〈恋に落ちていないのに、恋に落ちていると間違われることを恐れる男の話〉に変わる。
男は佳代だけを愛していた。そうでなけばあの台詞は出てこない。
船は身体のメタファー、水は愛のメタファー。すると、佳代に愛を捧げたいのに、佳代は見向きもしない。
命題は他に3つ。
嵐の夜、佳代はどこへ消えたのか。
千代の見た夢は何を意味するのか。
町医者はなぜ千代に男の看病を頼んだのか。
町医者は誰の差し金で男の看病を頼んだのか。
親族でもないのに医者が千代に依頼するのは不自然。でも、千代之思いを知る誰課釜頼んだとしたら。
〈身を引く女の物語〉
家のなかの船。お風呂。
男は前の晩に酒でも飲んで、そのまま風呂桶に眠った。大雨の日に。坂下に住んでいるので、浸水しやすい、木造の家なので。
佳代、助ける。まだ意識ない。
町医者に頼み、千代に看病を依頼。そして、佳代は失踪。
これが解釈A。
もう一つの解釈。
佳代は罠にかかった。
→創作だから、黒猫の解釈を言わせたいために、わたしの話を作ってるな、という感じ。
毎度ながらだが、このシリーズのミステリは解釈なので、解答ではないので証拠もなく、一つの解答にたどり着かないし、解釈なので飛躍があり、しっくりこない。
③複製は赤く色づく
朱色野鶏。品種改良。
朱色の肢体。脚と目だけ黄色い。
時鶏館。→時計館のダジャレで作ったのか?
この時鶏館には、誰にも見えない部屋が一つある。そこに入らないと手に入らないものもあるけれど、そこに入っているときは自分もまた見えなくかる。
→なんで、そんななぞなぞ的な言い方するねん。
時鶏館で黒猫、見つけられなかったり
謎。
黒猫、どこへ消えた?
オルニス・ホルトゥスから時鶏館に来たのは確かかり
そもそも黒猫はなせまオルニス・ボルトゥスを訪れたのか。
オルニス・ホルトゥスから時鶏館は一本道で、途中で金網を乗り越えたとは思えない。
時鶏館の出入り口は一つ。
黒猫、現れる。
尾行、バレていた。
黒猫がオルニス・ホルトゥスや時鶏館に来た理由。唐草教授に頼まれていた論文のため。複製芸術の美学的可能性を探る。
品種改良は、一種の複製。
夏葉さんが博士の心にいかに入り込んだか。
ポオの『赤死病の仮面』。密室にいる人間の命をいかに奪うか。赤死病が国中に蔓延するなか、プロスペロ公は広い敷地に所有する大伽藍の一つに健康な人々を集めて閉じ込もる。
赤死病が侵入の日は、仮装舞踏会。
あらゆる人々がグロテスクな身なりをさせられているなかに、赤死病は紛れ込む。このとき、人々はいわばグロテスクの価値において並列な存在になっている。言ってみれば、グロテスクの複製品だ。
→言ってみればって。。全然そうは思わないが。。基本、黒猫の理論は飛躍しすぎていて、納得感に欠ける。
複製の目的がとどのつまり消費なんだ。バイオテクノロジーであれ、写真技術であれ、複製はつねに消費と隣接している。このように読んでいくと、『赤死病の仮面』は、十九世紀末における写真や映画の登場を予見する黙示録とも言える。
→いやいや、そうは言えないです。ただのこじつけです。
黒猫、消えた理由。
作業員の制服を着ていた。
黒猫、今日から1週間時鶏館で臨時アルバイトをすることになった。
→ようするに『見えない犯人』パターンなのだが、単純なトリックを難しい言葉ですごく見せてるだけ。
たぶん、夏葉さんも一度研究員のバイトをしていた。
鳥は生まれてきて最初に世話をしてくれた人間を親だと思い込む。
鶏の親になればら博士の興味対象に収まれる。
鶏が一斉に鳴いたのは、奥さんを追悼。命日だった。
博士も奥さん、あかねさんを愛してた。だから、朱色野鶏を作った。
④追憶と追尾
祖母の見舞い。
ストーカー話を聞く。ストーカーの人、施設にもいる。でも、認知症
黒猫に聞きに行く。
わたし、黒猫の家で料理食う。黒猫、料理も上手い。
認知症のふりは無理。
オルゴール直して、施設に持っていく。
オルゴールかけたら、後で
ストーカー、倒れ、病院へ。セイイチ。
彫塑作家。
首や手足がない胴体だけの彫像。トルソ。
謎。
セイイチ氏は何にショックを受けたか。
オルゴールとセイイチ氏にはどんな関係があったか。
セイイチ氏はなぜトルソばかり作るのか。
ポオ。『ウィリアム・ウィルソン』。そこに彫塑的側面を僕、黒猫は見出す。
ドッペルゲンガーものの恐怖小説。
ある少年が、自分と同名で、外見もそっくりの転校生と対峙する話。
たとえば僕は1秒後の僕によって更新されている刹那的な存在に過ぎない。
時間差のある自己を同じテクストに収めることによって、精神の運動の歴史みたいなものが垣間見える。
つまりは、彫塑的な主題。
→つまり?? 飛躍しすぎ。もう、無理やり、ポオ絡みにしてるよね。
有名な話らしいが、
William Wilsonのタイトルは、will(未来)を含んでいる。一方で、willをとってつなげるとらアイ・アム・サム。
つねに生まれ変わる細胞によって更新される自己をポオはかこうとした。
→後半、wilだし、無理やりなこじつけだよね。ポオは絶対そんなこと考えてないって。
わたし、マコトに連れ去られ、殺されそうになるも、黒猫が助けにくる。
→黒猫、強かったのかよ。。イケメンなだけじゃなかった。。
セイイチ氏は昔、祖母のストーカーをしていたがらある時からいなくなった。
どこへ消えたのか。
現在のセイイチ氏は足が悪い。セイイチ氏が祖母の前に現れなくなったのは足を悪くしたから。
祖母の部屋を垣根越しに見ているときにはしごなどに乗っていた。足を滑らした。そのとき、祖母の部屋ではオルゴールが鳴っていた。祖父からのプレゼント。
セイイチ氏にとっては悪夢の瞬間に流れていた音楽として記憶されていた。
時が流れ再会したが、認知症で祖母のことは覚えていなかった。
そこに、わたしが現れる。祖母の若い頃にそっくり。
しかも、もう一人の自分も近くにいた。マコト。セイイチ氏の孫。
いびつなドッペルゲンガー。
→祖母とわたし。ストーカーと孫。なるほどなドッペルゲンガー。
マコト、ストーカーの祖父のトルソを見ていた。その胴体、わたしを連想。
⑤象られた心臓
〈象の夜会〉
計多剛志、書道家。文字の形象に潜在するイメージを覗かせる。
コメディアンの木戸。
毒入りチョコレートのコント後、
夫人に寝る中だとぎゃぐ?を言って、
その後、窓から飛び降りた。
意識不明だが、一命とりとめた。
謎。
なぜ木戸はコント後、あんな告白をしたのか。
なぜ突然飛び降りたのか。
告白内容は真実なのか、ジョークなのか。
木戸は死ぬ前に自らの罪を〈告げ口〉した。
ポオ。告げ口心臓。
→告げ口が無理やり。なんでもかんでもポオと繋げないでほしい。
殺意の動機が曖昧。語り手葉老人の〈禿鷹のような薄碧く、薄い膜のかかった眼〉が恐ろしいという理由から殺害を決意。それはいわば生きながらにして、死者のように何も映していないかに見えるからだ。
→黒猫の話は、いわば、が多い。そして、必ず、全然〈いわば〉になってない。
つまり、視線の欠落が恐怖につながうまている。
→どこがつまり? 黒猫は、つまり、も多い。そして、全然〈つまり〉になっていない。
「語り手は恐怖を取り除くために、ラベルの内容の一致を試しみる」
「つまり、殺害するってことね?」
→なぜ、わたしはそのつまりがわかる? もう、黒猫がかっこつけるために、わざと難しく言ってるだけでしょ(難しいというか、分かりにくくしているだけで、それは賢さとは違う)。
老人の死体は床下。
生前の〈老人と老人の眼〉の関係が、そのまま〈部屋と床下の死体〉の関係に置き換えられるんだ。
→黒猫は、置き換えもよくするが、置き換えたらそもそも別の話では?
部屋には語り手がいる。つまり、語り手こそが新たな部屋の〈心臓〉。
してみると、あれは、生の形象を描いたもの。
→無理やり話を本筋にもってこうとしてきた。。全然、つまり、や、してみると、にはならないが。。しかも、いちいちわたしが納得しているのが腑に落ちない。一度その解釈に出会ったあとではそうとしか思えないって。。
計多夫妻とポーカー。勝ったら、木戸の事件について知っていることを話す。
負けたら、私の背中に計多が文字を描くアートにする。
黒猫、夫妻の癖を読んで、最後は自分の手札を見ずに勝つ(見たら表情でバレるので)。
チョコレート、無糖のものだった。計多が木戸に渡すとき、ブラフの時の癖をしていた。
木戸は毒入りだと勘違い、味が変だったので。しかし、最後に計多も食べたことで、安心。
わたし、生と死の不一致、告げ口心臓のテーマがここに絡むのか、と納得→意味不明な納得やめてくれ。
木戸は死を覚悟したから暴露をしたのに、死が幻と消えた。その恐ろしい不一致を解消するために死をえらぶしかなかった。
→意味不明。まず、不一致を解消とか、なにそれ。
計多、プロバビリティの犯罪だった。→たいした事件やトリックでないのを子難しく説明してすごく見せようとするのがこのシリーズだな。
⑥最期の一瓶
安藤教授、長年恋い焦がれていた女性と死に別れた。美酒に殺されてしまった。
出会いは小学校6年。福沢芙美。
大学生になって、何度か告白したが、
消耗したくないんだ、お前を。
ふられたが、酒を呑み交わす関係は続けた。
先週、芙美が寝台。肝臓癌。
芙美、有名なジャズシンガー。
肝臓癌のことは世間にも公表していた。
バーテンダーはそれを知っていたのに酒を出して、死期を早めた。
バーテンダー、動機あった。かつて、小学校のとき、いじめられていた、芙美に。
ポオ。『アモンティラードの酒樽』
男の復讐を描いた暗黒小説というだけではない。
憎悪の感情の解放の果てに何が残ったか。
思いをつげようとしたとき、フォルトゥナートは初めて手術の名前を呼ぶ。『モントレゾール』と。語源は〈私の宝〉。
殺意を知った上で呼ぶ友の名。
→このシリーズでも、わたしと黒猫の名前出てこないのは、ここぞというときに出すためかな? でも、二人の名前が出ないの、たまに文章が読みにくく(誰の意見か分かりづらく)なっているところがあって、微妙。しかも、書き手のわたしは、一人称も地の文で基本ないから、たまに理解しづらい。。
バーテンダー、いじめてたのは違う。芙美のこだが好きで、金魚の糞のようについていつまてた。そのとき、たまに邪険にさらた。
芙美は、ファムファタール。
芙美、安藤教授のこと、かけがえのない親友。
エピローグ
最初の事件の寝癖。自分の左側についていた。たいして、黒猫は右後ろにいた。
あの時、黒猫が読んだ句『彼女を眺めていた』はもしかして⋯。
全体的に、なるほどと★5にしようかと思った場面もいくつかあったが、納得いかない場面の方が多かったので★4.
黒猫と付き人の関係は、微妙なところを上手く書いていて、黒猫のそういう性格も絶妙で上手い。
Posted by ブクログ
これだけは読んでなかったのを今更。付き人と黒猫の学部生時代の話なので、最新のラビリンスまで読んでいる身にとっては最初違和感。
1話「数奇のフモール」
噂に聞いていた2人の出会いの物語にしていきなり付き人が危険な身にあっているではないですか!!唐草教授の件(薔薇参照)を知っているとますます叶わないんだよなあと思ってしまう。それもまた皮肉。
2話「水と船の戯れ」
学生時代の自分に教えてあげたかったー!船の中に水は自分のことも少し重なるものがあって、なんだか分かるなあ。この辺りから黒猫のいつもの調子の片鱗が出てきて、お?ってなったり。
3話「複製は赤く色づく」
遊歩の2話の前の話だけどこの辺りから付き人と黒猫の関係が固まりつつある。赤死病がコロナと重なる。
4話「追憶と追尾」
またしても付き人を危険に晒したい森先生の癖が。。。ディストピアも似たようなテーマだったなと思いつつ、どこか重なるところがあった。
5話「象られた心臓」
黒猫シリーズには珍しいダークな感じの話。黒猫のポーカーにはこっちもドキドキしたし、付き人が怒るのもそうだそうだ!!
6話「最後の一壜」
自分も「アモンティリヤードの酒樽」の最後の一文は気になっていたのでその解釈はなるほど。水はある意味2話に回帰しますね。。。最後にサラッと黒猫がね。。。
エピローグで今まで謎だったことが少し分かって、このやろー黒猫!と思いつつ、やっぱ2人はなるべくしてなったんだなと改めて思った。また遊歩に戻りたい。
Posted by ブクログ
連作短編。時系列でいうと、黒猫と私が出会った頃の話。
このシリーズも3作目、かな?4?まぁなんにせよ回を重ねたことで、こなれてきた感はあるのかもしれない。というか、短編的なことの方が向いているということなのかもしれない。
長編は謎解きがどうしても「美学」の説明(ほとんどの読者はわからないから、じっくり説明しなきゃならん)に重きが置かれることになる。長編である分、ナゾもそれなり重いから。
だが、短編であれば、短編で扱うくらいのナゾを美学を通して語ることになるからか、比較的わかりやすかった気がする。巻末の対談によれば、シンプルさがでてきた(本人談)みたいなことが書かれていたが、そういうことなのかもしれない。
ただそれ以上にポオを知らなくてもなんとななるレベルでは解きほぐしてくれてはいるし、テクストを解釈をするということの雰囲気が、これまで読み重ねたことで、少しは「なるほど」と思えるくらいにはつかめているというのこともあるんだろう。
「私」は「心」であるという筆者の企みが、あぁこういうことが「美学」なんだろうとちょっと思った。
Posted by ブクログ
黒猫と付き人の出会いを描いた話(2人は大学4年生)。黒猫シリーズ第4弾となる連作短編集ですが、文庫本の刊行順の通り、1作目の『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の後に読んでも問題なく読めます。
今回も面白かった。
付き人さんがかなり危ない目にあっていたことに驚きました。そして助けにきた黒猫の格好良いこと。黒猫さんの付き人さんへの分かりにくい想いが堪りません!
巻末の刊行記念インタビューも黒猫シリーズを読む上で良かったと思います。
Posted by ブクログ
黒猫と付人出会い編。
もともと巻き込まれ型な付人まさかの被害者化。相変わらず早い展開で読みやすく、ポオ他芸術作品の解釈や学術講義が程よく難解で面白い。独特の動機付けから起こる事件ばかりで端から謎解き放棄の姿勢で向き合うシリーズだったけど、今回は精神面でのおいてけぼり感も比較的少なかったような。
卒論の敷居に悩む付き人に与えられる「研究とは」、「論文とは」の助言は学生のころ読んでおきたかった・・・
もう一度、本気で学業してみたいと思わせる作品。
巻末の著者インタビューも含め、おもしろかったです。
Posted by ブクログ
黒猫シリーズ第4弾にして、エピソードゼロとなる「黒猫」と付き人である「私」の出会いを描く学生篇。
第1弾の頃に比べると肩の力が抜けて文体も論理展開もシンプルになったと巻末掲載のインタビュウで作者が言うように、昨日読んだ「黒猫の遊歩・・・」よりはわかりやすくて楽しめた。
それでも今回も、事件の謎解きよりも「黒猫」と「私」の関係性にドキドキ、やきもき。この二人、これからどんな関係性になっていくのか楽しみで仕方がない。
とはいえ作者自身は「相手と自分について深く考えながら、距離を調節するのが恋愛」と言っているから、これからもやきもきは続きそう。