【感想・ネタバレ】シュルレアリスム 終わりなき革命のレビュー

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Posted by ブクログ

現代において「シュール」という語が,不条理や意味不明なものに対してよく用いられる。しかしそれは元の意味のほんの一部に触れているに過ぎない。

シュルレアリスムは第一次世界大戦を終えた1920年代,フランスで生まれた文化運動である。簡単に流れを言えば,偏った理性主義への批判から始まり,特に戦争体験より超現実を取得して,フロイトの精神分析を取り込み,マルクスの革命思想をも飲み込んで政治にまで拡張した。

本書では,主に「シュルレアリスム宣言」の著書であるブルトンに焦点を当てて解説している。また周辺においては,バタイユやアラゴンなど,フランスでの潮流がメインである。

難しいようにも思えるが,文学や絵画などに親しんでいる人であれば,多少なりともシュルレアリスムの要素に触れたことがあるはずである。また,シュルレアリスムは現代思想を知る上でも重要なポイントであろう。

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2021年06月30日

Posted by ブクログ

美術の方では様々な流れを作りながらいまも確実に息づいているシュルレアリスムだが、この運動のリーダーだったアンドレ・ブルトンの名聞くくことがめっきり少なくなってしまったのは、詩文学の不人気とポスト・モダン思想の奔流に負けてしまったからだろうか。
本書はバタイユ研究者が、そのブルトンに敬意をこめて語りつくした現代思想史の一断面である。ブルトンの発想、行動力、影響力は稀有なものであり、フロイトとマルクスを初めて目に見えるモノと言葉に表現した。唯一音楽に価値をおいていなかったことが残念だがそのユニークな解釈と方法は意外なところまで広がっている。

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2011年05月12日

Posted by ブクログ

近代国家への闘い。西欧の若き芸術家?たちの悪戦苦闘が興味深くたどっていける。社会の変革と芸術作品へのこだわりという永遠の課題に挑んだ人々だったのだろうか。彼らの理論は弱いところも多いが、その作品の多くが、今の私をこんなにも惹きつけるのは何故だろうか。

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2011年11月26日

Posted by ブクログ

 ジョルジュ・バタイユの研究者として知られる著者による、おそらくは国立新美術館における大規模な「シュルレアリスム展」に合わせて刊行されたこの20世紀を代表すると言ってよい芸術運動の紹介書。シュルレアリスムが生じてくる背景をなす、第一次世界大戦の経験から説き起こして、1924年のシュルレアリスムの誕生からその基本的な芸術変革の方向性を取り出すとともに、さらにはその運動の政治との関わりについても見通した好著。所与の現実を乗り越えるところに、新たな唯物論の可能性を見て取ろうとする第二宣言のテーゼや、ベンヤミンのシュルレアリスム論が検討されている点も興味深いが、後者の捉え方がやや表面的なのが惜しまれる。

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2011年03月22日

Posted by ブクログ

名前しかしらなかったシュルレアリスムについて、歴史的背景とか詳しく知ることができて新鮮だった!
初心者だから読むのに集中力必要だったけど、おもしろかった。

ただ世界史あんまり知らないから、政治絡みの第?章は理解するの大変だった。

シュルレアリスム展楽しみ。

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2011年03月17日

Posted by ブクログ

ブルトン、バタイユを中心にシュルレアリスムの思想的意義を明らかにする著作。シュルレアリスムと革命の関係に関する考察は、ベンヤミン「シュルレアリスム」と比較しつつ読むとさらに面白いかもしれない。新書という形態のせいもあるが、末尾はやや迫力に欠けるか。

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2011年02月24日

Posted by ブクログ

シュルレアリスムが第一次世界大戦の後に生まれたムーブメントであることを初めて知った。
そして、学生時代に読んだバタイユの「眼球譚」のその意味するところも。

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2011年08月18日

Posted by ブクログ

1920年代のフランスで生まれた文化運動についての本。

欺瞞的世界を否定し、そこから発展させていく思考などが哲学的で、ニーチェの思想が大きく影響しているのが、大きく感じられた。

ブルトンの詩からはうかがえなかった。泥臭く進んでいく感じをうけた。

ナジャとブルトンの関係は非常に興味深いものだった。著書の『ナジャを愛してたのでなく、痙攣する美をナジャに感じて追いかけていた』なるほどとおもってまった。

アラゴン、バタイユに興味をもった。

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2011年03月16日

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