【感想・ネタバレ】仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 P58で、子どもを生き返らせる薬を捜している母親に対し、釈迦が『芥子の実をもってきなさい。ただしその家からは一人も死者を出したことのない家でなければならない。』と諭すと、母親はいくつもの家を訪ね、どの家でも死者がいたことに気が付き、死という事実を受け止め、自身でその悲しみを乗り越えるしか道はないと。体験するシーンがある。このシーンで身内の死に悲嘆にくれ号泣する人や、叫ぶ人がいる外国の事を思い出した。その点日本ではそのような過激な指向性は薄いなと感じた。やはり根底に仏教が流れているのだろうか
?薄知の私では計り知れないと感じた。
 第二章では中国語に関する内容が書かれている。漢文では書きえない言葉に対し、どう対応してきたかが書かれていた。引用したい個所もあったが、音読表記の入力ができず諦めた。
 第三章には漢約仏典をとおしての、日本の仏教受容の仕方が書かれている。中国で使用されていた漢字をそのまま日本語にあてることは危険だと著者は指摘する。また別に、「AはBなり」という表現は、「A→C→B」とたどる文脈で、Cが省かれていることが挙げられている。また「AはBなり」を素直に聞いてしまうと、A=Bという思考しか働かないが。”は”が使用される場面によって、A=B以外の意味もあるとされていた(P124引用参照)。サンスクリット語の格の多さに驚いた。ドイツ語の4格で引くのに、7格、であるとは・・・習得する気がなえるわ。曖昧の意味を持たせるには、複合語なる単語を何個も何個も重ねたもので表現するらしい。書き手も、読み手も辛そうだ。著者はその曖昧さの幅を利用して表現の豊かさをh炉下用としていたともしている。
 第四章 歴史に強い関心を持つのはギリシャと中国らしい。ほうほう。釈尊の葬儀では、お経、戒名はなかった。火葬され荼毘にふされたそうだが、なんて簡潔なんだろう。
 著者は面白い人みたいだ。文章に柔らかく味があって、読んでいて肩がこらなかった。この著者の他の本を読んでも楽しめそうだと感じた。

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2016年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本きてますね~。
日本の新興宗教ではなく、インドの原始仏典からいろいろ引出しています。中村元先生に師事されていたようです。
サンスクリット語、パーリ語満載です。
仏教=宗教を学ぶと言うよりは、東洋思想の一部を読む感覚です。
面白いです。

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「法華経」-2004-、「維摩経」-2011-をサンスクリット語の原典から完訳した在野の仏教学徒である著者が、インドと中国そして漢訳による仏教受容をした日本における三様の仏教理解を、その誤解も含め、一般向けに解き明かしてくれる。
第三章「漢訳仏典を通しての日本の仏教受容」における先達者たちの意図的・恣意的ともみえる読替えに関する記述は興味深い。
道元の「有時」に関する-
親鸞の「備施等衆生行也」に関する-
日蓮の「自我偈」や「我実成仏已来無量無辺」に関する-

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2011年12月05日

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