【感想・ネタバレ】漫画でイけのレビュー

あらすじ

人気漫画家・鳥トマトの初小説集

「私には何もない。でも、漫画がある」
「絶対に埋められない穴を持った人にしか描けない漫画があるんだよ」
漫画家・鳥トマトによる小説×漫画ハイブリッド文学爆誕!

神様、僕は漫画に人生を捧げます。
お金もそんなにいりません。男も女も、大嫌いだから一生誰とも付き合えなくていいです。心が死んでるから幸せにもどうせなれないし、ならなくていいです。なので、僕が十年後も百年後も千年後も誰かに読まれる漫画が描けるようにしてください。僕の思う真実を漫画に閉じ込めて「永遠」にする力をください。

「漫画でイけ」
売れない漫画家のツグミは、人気作家・蛇川の紹介で「売れる漫画のロジック」を語る編集者・野分と出会う。彼に導かれ、漫画家として再起を賭けていくが……

「僕の血」
出版社のライツ部に勤めながら、漫画を描いている主人公・鳩山。原作者の凄まじい執念に翻弄される一方、編集者・半本との出会いによって創作人生が大きく揺さぶられていく。

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Posted by ブクログ

脳汁がドバドバ出て脳が痺れた。何かを表現したことがある人、何かに狂ったことがある人には、間違いなく突き刺さる凄まじい傑作。

【あらすじ】

主人公のツグミは、かつて少年漫画誌での連載が1年足らずで打ち切りになった苦い過去を持つ漫画家。

その後、ヤケクソでネットに投稿した作品に「いいね」がたくさんついたことをきっかけに、現在は大衆受けするようなばかりを描くサブカル漫画家となっている。自分のマンガを見失っている彼女は、「自分の描く漫画が大嫌い」と自嘲し、アンチの罵倒にすら共感するほど魂が摩耗していた。

漫画だけでは食べられず、人気漫画家・蛇川のアシスタントをすることでなんとか生活費を稼いでいる。

そんなある日、蛇川の紹介で、ベテラン編集者の野分と出会う。「面白い漫画とは、売れる漫画のことだ」と言い切る野分は、ヒットを運任せにせず、「再現性のある徹底したロジック」でベストセラーを構築する男だった。

漫画に対する姿勢を、野分からボロクソに酷評されたツグミだったが、意外にもネームは見てくれるという。提出するとダメ出しはすべてが具体的で、ツグミの中で腑に落ち、ロジックの凄さを思い知る。

プライドをへし折られたツグミだったが、彼女の心には、絶望ではなく「売れてやる」という強烈なやる気が満ちていくのだった。

【感想】

とにかく後半の、ツグミと野分が居酒屋の席でガチでぶつかり合うシーンからがエグい。
編集者ではなく、人間・野分とはじめて対峙し、いろいろと気づいていくことで、自分の書きたい漫画が確立していくシーンに感動を覚える。完全に主人公の気持ちと同化しながら読まされた。

それと同時に、感情の階段を一段ずつ登り、ツグミが自分の本心を悟ることで、狂気の深淵まで連れて行ってくれた。ラストもお見事。自分も創作物を整理しているエクセルのヘッダーに『狂え!!』と書いているのが嬉しく、誇らしくなったよ。

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2026年09月17日

Posted by ブクログ

漫画「東京最低最悪最高」が刺さったので、小説も楽しみにしていました。
「東京最低最悪最高」は痛みや傷を、これでもか、これでもかと見せつけてくるところ、それを美化しないで露悪的に、でもなんかポップにかくところがとても好きだったんだけど、小説では漫画を補足するような丁寧な描写があって、読みやすいんだけど、息苦しくて、途中で何度も大きく息を吐いてしまった。
特に''みんな自分を物語にされたいのだ"という一文を何度も読み返してしまう。
それにしても、小説を読んでいても漫画で脳内再生されるくらい本当に個性的な絵柄だと思う。私はとても好きなので、漫画も収録されてて嬉しかったです。

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2026年09月07日

Posted by ブクログ

ある種、憧れのような存在かライフステージの変化と共に人間性までマルっと変わってしまい
毒っ気が完全に抜け個性も面白味も消失してるただ本人はそれも込みで幸せを認識している。
そしてなんなら結局人間こっち側だよねぇ、とばかりの発言をするようになってしまっている

あああああああ、やめてください!そんなもの創造物でまで見せないでくださいよぉぉぉ…

と思わせるくらいに密度の詰まったエネルギー
にあてられて苦しいのに口角は上がってしまう

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2026年09月05日

Posted by ブクログ

久しぶりに読んでいて気分が悪くなったというか、下手なグロ小説よりも想像するのをためらう感情なり描写が多くて体力を持っていかれた。おもしろかったけど。
個人的にはタイトル作より「僕の血」の方が好きで、これ私小説だったらどうしようと勝手にゾワゾワしながら一気に読んじゃった。「内側で泣く」ってたぶんマジで内側で泣いたことがある人にしか生み出せない表現なんだろうけど、そこまで吐くような思いをしてこなかった人にも感覚が伝わってくるのすげーー

スキローや正反対の名前が出てきたり、他にもぼかしつつあの作品だなーとわかる描写があったり、固有名詞でニュアンスを伝えてくる感じは麻布競馬場っぽかった。(令和元年の人生ゲームに比べると後味は若干マシ)

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2026年08月24日

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