あらすじ
「壊れた人」なんて言わせない。わたしたちが「音楽」になればいい!
「手歌(しゅか)」と歌声でうたう子どもたち、感動のドキュメント。
黒柳徹子さん(女優・ユニセフ親善大使・社会福祉法人トット基金 理事長)推薦!
「本当の歓喜は、みんなで歌うもの。
ベートーヴェンも喜んでいるでしょう。」
声だけでなく、手話をもとにした「手歌(しゅか)」をもちいて歌う合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」は、さまざまな“違い”をもつ子どもたちが創造性を思い切り発揮し、力を合わせて音楽に取り組む「インクルーシブな合唱団」。
南米ベネズエラで「エル・システマ」の一部門として生まれた「ホワイトハンドコーラス」が日本で花開き、個性ゆたかな子どもたちがいくつもの“壁”を乗りこえて、ついに音楽の都ウィーンでのベートーヴェン《第九》演奏会を成功させるまで──。
子どもたちの生き生きとした姿をおさめた写真も多数掲載!
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Posted by ブクログ
感動で終わらない。
ホワイトハンドコーラスNIPPONのことは、仕事の中で知った。聴者とろう者が一緒に歌を歌っている。ウィーンで第九を演奏してきたと。この本では、団体の目指すところやきっかけとなったベネズエラのエル・システマ、子どもたちのエピソードなどが紹介されている。
インクルーシブとは何なのか。特別支援教育が悪だとは言わないが、日本はどうしても「特別」にしたがる。そうでなければ「一致」して異論を認めない。ホワイトハンドコーラスNIPPONでは、子どもたちがそれぞれ意見を出し合い、自分たちのことを自分で決めていくという。それを待っていられない教育現場の疲弊がある。教育関係にいる者として、教える・教わるじゃなくて対話をしようとしているかどうか自分に問いかけた。
福祉と芸術についても考えた。24時間テレビでも言われるけど、感動はどこから生まれてくるのか。「障がい者が頑張っているから」ではなくて、自分のできるベストを出して最良の表現を提供すること。それが結局のところ自分でやりたいことを選ぶ意味であり、芸術の追求なのだろう。
手歌について、手話歌を小学生の頃習っていた者として、あれは何なのだろうという気持ちがずっとあった。サイン隊の手歌は歌詞を読み込み、表現を工夫する。きっとそれは声隊(と声で歌う人たち皆)が歌詞をどのような声で表現するのか、大きさや声色を工夫するのと同じ。手話は、手歌は、言語であり、話者自身のものなのだ。
この活動が進んでいくにつれて、きっとかたちが変わっていく。変わらないものもある。また何度でも出会いたいと思った。