あらすじ
完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。事件から一年後、真相を探るべく館にやってきた兄弟たちは推理合戦を繰り広げる。そして、また悲劇の幕が開いた……。恐怖と幻想に満ちた本格ミステリー。
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一年前のクリスマス、当主、田宮弥三郎が所有する館で、田宮家の一族と関係者の六人が異様な死に方をする事件が起こった。あれから一年、その事件をめぐって、館に集まった一族の者たちは、突然現れた不審な男とともに、一年前の事件、そして大昔に起こった事件を推理していくことになり……というのが、物語の導入。
先の読めない展開のミステリでもあり、どこか哀しい余韻が残るホラーでもあり、妖しげな香りを放つ幻想性もあって、と様々な魅力を持って、まさに、翻弄される、という言葉が似合う作品でした。ひとつの枠組みからすこし外れたところで、凛と咲く佇まいに憧憬を覚えました。
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過去の事件の謎にひかれるかのように集まった
学生たち。
一族にふりかかった事件の謎とは?
そこにやってきた招かれざる客とkれば疑わざるを
えないでしょ(笑)
最後まで読んだら、ついつい冒頭に戻ってしまうのもいい。
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1993年の作品です。
謎解き要素が面白い本格ミステリです。
密室、見立て殺人、館、血族とミステリ要素てんこ盛りですが、すっきりと読みやすかったです。
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今邑彩作品は初めてでしたが、とても面白かった。館、密室、推理合戦と胸踊る要素が詰め込まれた上に"序章が終章"の意味が明らかになった時の感動!既に作者は鬼籍に入られていますが、他の作品も読みたくなりました。
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限定された人数設定、密室トリック、裏技なしの王道ストーリーがよかったです。
最近は特殊なミステリーが多くて、なんだか腑に落ちなかったので、この素直さに好感を持ちました。
序章が終章のキャッチコピー通り、最後まで読んで序章を読み直すと、間違いなく終章になっていて気持ちよかったです。
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読みやすくて面白い本。4は高めにつけすぎ、3.5ぐらいかな。
島根には田部家という山林王がいるので、田宮弥三郎という登場人物と被せてしまった。もちろん田部家当主がドイツ人と結婚した過去はありませんが。
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いわくつきの館、密室、見立て殺人、家系図など、大長編にもなりそうな道具立てを用いながら、読みやすくコンパクトにまとめられているところに好感が持てました。
随所に散りばめられたホラーの要素も効いていて、恐怖感と幻想感の演出も巧みだと思います。
工夫が見られる構成も印象的で、代表作の一つに挙げる方が多いのも納得の一冊です。
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今まで数多の推理小説を読んできたが、明確な根拠をもって犯人を当てたことがなかった。しかし、今回は初めてそれを成し遂げることができた。俺、おめでとう!(笑)
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読み終わった後、また最初から読み直して、延々とループが続けられる話。最後まで、犯人はどっちかな、と迷いました。事件としては、かなり凄惨なはずなんだけど、そんなに重たく感じないのは書き方なのか。。
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このクローズドサークル感!
家の見取り図とか、登場人物一覧とか、童話になぞらえた連続殺人とか、凄く好みの雰囲気。
今邑彩さんと作品は『そして誰も〜』もだけどわくわくする設定を書かれる。
ただ展開はこざっぱりとしてて、オチもやや尻すぼみな感じだった。
霊感少女の存在価値があまり感じられ無い…存在感もほぼない…
類とか全然セリフなくて、もう少しひとりひとりキャラを立たせてほしかった。
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舞台となる館、登場人物の背景など私は好みだったしすごく読み進められる系だった。
根拠が弱かったり納得いかないところも結構あるけど、全体的にはまとまってて面白い。
Posted by ブクログ
少しずつ真相に近づいて、それでも犯人を名指しするわけでもなく
嵐の館の中で疑心暗鬼に囚われ、突如動き出した狂気にパニックに陥る。
その怒涛の展開とドンデンガエシにやられましたぁ~。
ホラーチックで、幻想的で、緊張で縛るところと
緩め具合が絶妙で、殺人の動機と執念が凄まじく
そして哀れでした。
最後にもう一度、冒頭の「序章という名の終章」を読むと
泣けます。
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完全に封印され密室となった館で起こった一族六人殺し。
しかも、死体はそれぞれが殺し合う形で発見された。
なぜ六人は殺し合ったのか?
真犯人は別にいるのか?
事件から一年後、真相を探るべく館にやってきた兄弟たち。
そして、また悲劇の幕が開いた…。
久しぶりの今邑彩。
やっぱこの人の作品好き。
綾辻行人、有栖川有栖、辻村深月推薦の一冊。
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館モノ。外は台風。限られた人数での密室。ミステリーの要素がふんだんに詰め込んであってたまらない。家系図や、屋敷の見取り図からもう、この世界観に引きずりこまれる。惨劇が繰り返された洋式の古びた館。そこに必然性があって集まってきた者。招かざる客人。誰が?一体何のためにこんな事を?あの惨劇の意味は?グリム童話を練り込んだ意味は?と頭をフル回転させて読み進める。最終章に近づくにつれ、解き明かされる真実。最後に、ふと出だしの「序章という名の最終章」を読む。全てはここに集約されていたのか!見事だった。
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まず雰囲気が良い。
本格好きなら垂涎ものだろう。
そしてなによりも密室のなかで起きたみたて殺人の構図が素晴らしい。
みたて殺人の真意がわかったとき密室の謎も解かれる。
惚れ惚れしちゃうわ私。
亡くなってしまったのがとても惜しい。
中央公論社に感謝しながらこれからもこの作家さんを読み続けて行こうと思う。
Posted by ブクログ
ネットでおすすめされていた一冊。過去に忌まわしき一族の殺し合いが行われた豪邸で、再び殺人事件が起こる、というお話。グリム童話や明治時代に嫁いできたドイツ人の幼妻、遺産相続などなかなかにワクワクさせてくれるテーマだったものの、どれも扱い方があっさりめでそこまで惹き込まれる展開ではなくてちょっと残念だった。いとこたちが9人もいたせいかキャラがただでさえ多く、しかもその血筋と関係ないキャラクターたちも出てくるので覚えきれないし、雑に殺されるために出てきたとしか思えない人もいるのが引っかかってしまった。伏線は一応あったけど、そこまで凄い!って感じのどんでん返しもなかった。とにかく全部あっさりしてる話だった。
Posted by ブクログ
古い洋館や、地元の有力者の一族、密室での連続殺人といった、王道ミステリーの要素が沢山出てて、面白かった。こういう世界観が好きです。
その分、ミステリー好きなら展開が読めるところもあったかな。
Posted by ブクログ
一年前に古びた洋館で起きた殺人事件。完全な密室で起きたその事件は迷宮いりとなっていた。殺された6人の従兄弟達の死の謎を解こうと残された3人が館に集まる。しかしその夜またしても恐ろしい事件が起きる。果たして誰がなぜ事件を起こしているのか。
古めかしい洋館、代々続く一族の血、童話になぞらえた殺人、そして完全な密室での連続殺人。
本格好きには嬉しいミステリー。
Posted by ブクログ
今邑彩。かつて殺人事件かあった屋敷に親戚たちが集まり、もう一度事件を振り返る。
ミステリとホラー、サスペンスが融合した贅沢かつくりだがページ数が短く、全体的駆け足な展開に感じた。
Posted by ブクログ
館もの、クローズドサークルミステリ
ドイツ風の古い洋館
異国から嫁いだ若き女性
グリム童話の見立て
繰り返される惨劇
仕立ては王道の展開がてんこ盛りとはいえ、本格の論理主体構成ではなく、ふわっとおとぎ話風
著者によるとリドルストーリーを目指して練り直したネバーエンディングストーリーだとか
設定はまだ携帯電話の普及前…携帯あったらあっさり解決しそうな感はある
Posted by ブクログ
いかにも本格っぽい設定で期待値は高かったが、予想外に地味な展開に肩透かしを食らう。トリックにも真犯人にも意外性はなく、個人的には館モノとしてかなり物足りない仕上がりだ。
終盤の「事件再び」はあまり必要ないような取ってつけたような展開で、事件の動機も何か弱い…。
Posted by ブクログ
クリスマスに起こった金雀枝荘の密室連続殺人。その真相を明らかにしようと従兄弟たちが春にもう一度金雀枝荘に集結。そこで新たな連続殺人が....。
面白く読めた。
立派なお屋敷での密室連続殺人。
でも、やっぱり、一昔前の小説って感じ。
Posted by ブクログ
密室状態の古い館での連続殺人。それも過去2回にわたって。そして今回・・・。ということで掴みは面白いので読んでみた。なるほど緻密なプロットで多彩な人物を配して物語が展開するが、肝心の人物造形に全く魅力が無い。探偵役のライターなんてあまりに強引に登場しすぎ。人物も多いが、これも結局は童謡を見立てにしたというより、同様に合わせて強引に作ったキャストみたいなもの。人物が薄いので却って謎もあいまいになった。動機も方法も弱い。密室トリックもう~ん、どうなんだろう?
被害者がカギをかけてたというのが2回も続くと…。
雰囲気は良いし、これは古い作品なので新しい作品を読んでみたい。