【感想・ネタバレ】一澤信三郎帆布物語のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 一澤帆布といえば、京都では知らない人がいない帆布の
カバン屋さんです。
その一澤帆布の先代が亡くなり、遺言状が2通出てきたことから
始まった、遺産・後継者争いの裁判の話は、皮肉にも一澤帆布の
名前を全国的に広めるきっかけになりました。

 私は先代が亡くなった年にはまだ京都に住んでおり、翌年に
れたために、実際に裁判が始まってからの詳しい経過や
地元の運動、空気などを感じることができませんでした。
裁判の最初の判決は、素人が考えてもおかしなもので、
きちんと遺言書の真偽を調べた上での判決とは思えず、
法の裁きの場で、こんな不当な決定がなされるんだ・・・と
愕然としたものでした。

 裁判に負けて、今まで通りの仕事ができなくなっても、
工房やお店がとられてしまっても、諦めなかった信三郎さんご夫妻と
社員たち。新しく「一澤信三郎帆布」を立ち上げ、新たな裁判も
行われていきます。

 最終的には、2004年年末の判決から一転、08年11月に
信三郎さん側の逆転勝訴となり、長男側の上告が最高裁に
よって棄却されたことで勝訴は確定するのですが、そこに
至るまでには、信三郎さんご夫妻、一澤帆布時代からの職人
さんや社員さんたち、信三郎さんを応援する会の存在や、
第2の遺言書の真偽に関して偽筆を立証しようと奔走した
有識者たち、全国にいる一澤帆布カバンの愛好者たち・・・。
多くの人が信三郎さんたちを応援しました。
どうして信三郎さんのまわりにこれだけ親身になる人たちが
集まったのか、それはこの本を読むと納得できます。

 手間を惜しまず、いいものを誠実に作り続けるための努力ー。
作ったものに対する製造責任を持ち、メンテナンスを厭わない姿勢。
製造直売にこだわり、客と売り手が見えない商売はしないスタイル。
この不況下においても、スタッフのほとんどが正社員!
 理想的だなぁと思いました。素敵過ぎる!

 古きよき日本の「ものづくりの原点」に触れられる1冊です。
年末年始の帰省で、久しぶりに信三郎帆布のお店に
行こうと思いました。

0
2010年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

京都では有名すぎる かばん屋 一澤帆布。先代が亡くなり 遺書が二通見つかり 跡継ぎではない長男が裁判で勝ち実権を握ることに。
数年前に騒がれた相続税争いの本があることを日経新聞で知り読んでみました。
友達が持っていた シンプルだけれどしっかりとした作りのかばん。私も欲しいと思っていましたが 丁度裁判の時期と重なっていたようで 当時のネット検索では 信三郎帆布 と一澤帆布と両方でてきて良く判らず 信三郎帆布では 新たな環境で頑張ります、と笑顔の人たち。
どこで購入していいやら判らずそのままうやむやになってしまっていましたが、この本を読み納得しました。
筆跡鑑定が ここまでいい加減なものなのかというのが一つ。警察官OBが筆跡鑑定をしているケースが多いみたいですね。もう少しその辺りを変えていかないと、と考えさせられました。
もうひとつが 会社は人が作るものだ、ということ。
のっとりのような形で社長になった長男に 社員は誰一人としてついていかなかった。
一緒に働いていた三男 信三郎と共に会社を去り 新たに起業していくことを選んだ。
70人といえばちょっとした 中小企業。その社員が全てついていく。信三郎さんの 今までの仕事ぶりが判る話でした。
改めて ネットではなく、かばんを見に京都まで行きたくなりました。

0
2013年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
「泥沼」「確執」「骨肉の争い」京都の老舗ブランドで何が起こったのか。
一度はすべてを失ったかに見えた経営者夫妻。
彼らがスタッフと一丸となって新ブランドを立ち上げるまでを綿密な取材でまとめたノンフィクション。
手間ひまを惜しまずに作られる「信三郎帆布」の全てを紹介。

[ 目次 ]
1章 お家騒動(振り向いたらあかん 2通の遺言書 ほか)
第2章 信三郎帆布の挑戦(潔う捨てましょう 新しいブランドネーム ほか)
第3章 3代目信夫が語った「一澤帆布物語」(初代、喜兵衛はハイカラ男 京都バンドと華やかな人脈 ほか)
第4章 帆布かばんができるまで(帆布のにおいの中で 大企業との落差に驚く ほか)
第5章 小さくてもオンリーワン(夢やないんやな 筆跡鑑定ふたたび ほか)

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[ 参考となる書評 ]

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2011年06月06日

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