あらすじ
遊び人のおにいさん×ピュアなツンデレ大学生お隣さんから恋人へのもだきゅんBL!!
大学進学を機に一人暮らしを始めた佑月(ゆづき)は、忙しくも充実した毎日を送っていた。
そんなある日、隣部屋に士門(しもん)が引っ越してくるが、壁越しに漏れ聞こえるお盛んな声に眠りを妨げられイライラMAX!
寝不足も相まってサークルの飲み会で潰れた佑月はアパートの前で寝落ちてしまう…。
そして、目を覚ました先には半裸姿のお隣さんがいて…?
不器用な二人のもだきゅん隣人ラブの行く末はーー!?
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Posted by ブクログ
おやおや。これは「隣人」という近すぎず遠すぎる距離から始まる、臆病な二人の恋がたまらなく愛おしい作品でした。
大学進学を機に一人暮らしを始めた佑月の隣へ引っ越してきた士門。第一印象こそ、女性との関係にも慣れていそうな遊び人のおにいさんなのですが、読み進めるほどに見えてくるのは、むしろ人の顔色を気にしてしまう優しい不器用さ。対する佑月も、しっかり者で周囲に迷惑をかけないよう頑張る一方、自分の弱さや苦しさを誰かに預けることが苦手な人物です。
そんな二人は、一見すると正反対。それなのに「人にどう思われるか」を気にしてしまうという共通点を持っている。この共通点が、二人の恋をとても繊細なものにしていると感じました。
特に印象的なのが、士門の「俺は佑月くんをただの隣人とは思ってないよ」という言葉。単なる告白めいた一言ではなく、それまで自分の気持ちより相手の反応を優先してきた士門が、初めて自分の感情を言葉にしたように感じられて胸に刺さります。
そして佑月の「俺、士門さんのこと好きなんだ」という心の動きも、その一言に至るまでの積み重ねがあるからこそ愛おしい。最初は距離を取っていた佑月が、士門の優しさや笑顔に少しずつ心を開き、「ただの隣人とは思ってないです」と伝えるまでの変化には、彼が抱えてきた心の枷が少しずつほどけていくような感覚があります。
個人的には、士門が「不安そうに小さくなるこの子を守りたい」と感じる場面も印象的でした。恋愛経験があるように見える士門が、佑月を前にして初めて自分でも扱いきれないほどの感情に戸惑う。そのギャップがとても魅力的です。
濡れ場も、勢いに任せた描写というより、二人が互いへの気持ちを確かめながら距離を縮めていく雰囲気が中心。だからこそ、キスや触れ合いのひとつひとつに「好き」という感情が滲んで見えます。
繊細な絵柄で表情の変化を丁寧に拾いながら、恋に臆病な二人が少しずつ相手を信じていく姿を描いたところが、本作の大きな魅力。かわいらしい「もだきゅん」だけではなく、人の顔色を気にしてしまうという弱さまで二人の個性として描いているからこそ、二人の恋を応援したくなる一冊でした。