【感想・ネタバレ】セリヌンティウスの舟のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

石持さんはやはり素晴らしい~。
今回もミステリのようでいて、ノンミステリな感じ。なんたって被害者(?)は自殺だから。
海での漂流という事故をきっかけに強い絆で結ばれた6人。しかしその中の1人・美月が6人でいる時に自殺する。しかしそこには不審な点が。5人はその謎をつきつめていく…。
けど磯崎が共犯、もとい協力者っていうのは、割とすんなりわかるよね。あと美月と磯崎の自殺の動機も、いまいち納得いかない…というか理解しかねる。まあそうい状況になったことがないからなあ。
けどやっぱりなぜか好き。全体のストーリー、空気、そういううのがいい。

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2017年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

複雑、巧緻に筋が通っていて知的興奮は味わえる。
でも、魂は救われない。

前提に無理がある。
生きてる人間に死はわからないのだから…

Mahalo

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2013年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特殊な事故を経て絆を深めた6人だけど、その信頼感が全ての推理のベースにあるので、読者はなかなか共感できず、推理に納得できないのではないか。

自分が自殺しておいて残されたメンバーには変わらないでいて欲しいという、行動理由も自分勝手で余計なお世話としか思えない。

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2021年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

設定的には石持さんらしい感じ。スキューバだし。やっぱスキューバしたいなーと関係ないことを思う。自殺した仲間の謎を解く話。しかし、結局その理由が分かったような、分からなかったような。やっぱり美月や磯崎の考えはよく分からない。そんなに自分たちの思い出を印象付けたかったの?むー。麻子だけ美月と呼ぶ理由も解明されてないし。何かしっくりこないわ。そもそも「走れメロス」、全然好きじゃないしなー。

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2012年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石持浅海らしい、ロジックを突き詰めるミステリーでありながら、
そこにあるのは冷徹な論理の「冷たさ」ではなく、
あくまで、人を信じることを描いた、とても「温かい」作品。

自殺に至るまでの動機付けが苦しいと見る意見もあるでしょうが、
この部分こそが、人と人の絆の意味を問う、今作の醍醐味(論点)なのだと思います。

///

遭難するも奇跡の生還を遂げた男女6名のダイバー。6人はその不思議な縁を大切にし、
定期的に同じメンバーでのダイビングを実施していた。
しかし、メンバーの1人美月が、ダイビング後の宴席で皆が酔いつぶれた中、
青酸カリを呷る自殺を遂げる。

残された5人は49日の法要で再び顔を合わせ、誰とはなしに、美月を悼むべく、
美月との思い出を語ろうとまとまり、ダイビングの拠点していたロッジに集う。

美月の自殺したその日を思い返す中、5人は自殺に不自然な点があったことに気づく。
青酸カリのビンは「キャップ」をつけられた状態で、テーブルに「転がっていた」のだ。

青酸カリが飛び散らないよう「キャップ」をつける余裕があるなら、
なぜ「転がす」(=テーブルから落ちてビンが割れる可能性有)必要があったのか。
むしろ「転がっていた」のは自殺に見せかけるための「誰か」の仕業ではないか?
そうすると、奇跡の生還を果たした仲間に「共犯者」がいるのか??
いや、そんなはずはない、美月は何か万全の態勢で自殺に臨んでいたはずだ。。。

メンバーの1人は、この状況を「走れメロス」に出てくる「セリヌンティウス」
(=メロスを信じ、メロスの代わりに人質となる友人)のようだと言う。
つまり、残された5人(=セリヌンティウス)は、美月(=メロス)が、
皆に青酸カリ迷惑が及ばぬようにした(=セリヌンティウスの許に帰ってきた)という
事実は知っている。しかし、そのプロセスが分からない。
プロセスが分からないから、「共犯者」の可能性を考えてしまう。

美月を、そして奇跡の生還を共にしたメンバーとの思い出を確かなものにするべく、
5人は推理を続け、そして、1人がこの自殺に秘められた意味に気づく。

そう、確かにこの状況は「走れメロス」と相似形だ。であるならば、登場人物として、
もう1人、ディオニス王(=メロスに死刑を宣告し、セリヌンティウスに
「メロスは戻らない、お前は裏切られた」と囁くが、最期はメロスらの友情に心打たれ
改心する暴君役)の存在がいるはず。

では、ディオニス王の役を担うのは誰か?
そして、なぜそんな役を配する必要があるのか??

そこには、奇跡の生還、そしてそこで出会えた仲間との絆を、
誰よりも大切に思う、美月のとても一途な想いが隠されていた。。。

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2012年04月05日

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