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Posted by ブクログ
浦野所有。
講談社文庫の第三巻には、原著の巻十一~十五を収録。
万葉集のクライマックス、東日本の庶民歌「東歌」(あづまうた)を集めた巻十四も収録されています。
わが後(のち)に生まれむ人はわが如く
恋する道に逢ひこすなゆめ [第2375首]
<訳>わが後に生まれるだろう人は、私のように
恋に苦しむ道には、けっして逢わないでほしい。
…が、しかし、この歌が詠まれて1300年のあいだに、いったいどれほど多くの人々が、恋に苦しんできたのでしょうか。
葛飾の真間の浦廻(うらま)を漕ぐ船の
船人さわぐ波立つらしも [第3349首]
<訳>葛飾の真間の浦を漕いでいる船の、
船頭たちが騒いでいる。波が立ち始めたらしいよ。
…いまから1300年前、東京湾で確かにあった光景。何気ない漁村の1日が、こうして、永遠に語り継がれていくんですね。
すばらしきかな、万葉集!!!