あらすじ
万葉学の泰斗が、多年の研究成果を結集した第3巻。原文、読み下し文、口語訳、語注の全てを付し、万葉の世界を完全にすくいあげる。性の喜びを大らかに歌った東歌(あずまうた)をはじめ、「万葉集」独自の世界を形づくる作者未詳歌など、巻11から巻15までの5巻を収録。定評のある「講談社文庫版万葉集」。(講談社文庫)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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Posted by ブクログ
浦野所有。
講談社文庫の第三巻には、原著の巻十一~十五を収録。
万葉集のクライマックス、東日本の庶民歌「東歌」(あづまうた)を集めた巻十四も収録されています。
わが後(のち)に生まれむ人はわが如く
恋する道に逢ひこすなゆめ [第2375首]
<訳>わが後に生まれるだろう人は、私のように
恋に苦しむ道には、けっして逢わないでほしい。
…が、しかし、この歌が詠まれて1300年のあいだに、いったいどれほど多くの人々が、恋に苦しんできたのでしょうか。
葛飾の真間の浦廻(うらま)を漕ぐ船の
船人さわぐ波立つらしも [第3349首]
<訳>葛飾の真間の浦を漕いでいる船の、
船頭たちが騒いでいる。波が立ち始めたらしいよ。
…いまから1300年前、東京湾で確かにあった光景。何気ない漁村の1日が、こうして、永遠に語り継がれていくんですね。
すばらしきかな、万葉集!!!