【感想・ネタバレ】なぜ日本人は落合博満が嫌いか?のレビュー

あらすじ

選手としても監督としても実績は抜群なのに、落合博満への評価は低すぎるのではないか。落合流の超合理主義こそ、今日本人が参考にすべきリーダー像ではないか。無類の野球好きのテリー伊藤が鋭く突っ込む。

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ネタバレ

チェック項目16箇所。落合が嫌われるのは徹底した合理主義から。落合中日と監督名を先に出すのではなく中日の落合。余計なことを喋らない。名球会入り拒否・・・それを目標にしていない。落合は嫌われることを恐れない。指導者は教えるのが仕事ではない、見るのが仕事。見て判断、見て決断するのが仕事。キャンプをしにくるのは優勝のため、2億の経費がかかっている。兵力と武器が限られているのならそれで勝つという気迫と集中力を持つ。なくなった戦力を悲観しない。冷静に分析する。点は取れなくても守りがよくなる。戦力に合った戦い方をする。飲みに行く必要なし。言いたいことはグラウンドで話す。何が何でも一番になる。落合エピソード一億円の年俸で国産車・・・それを強化した。妻の後押しで決断する場面あり。三冠王を目指すこと、3億プレイヤー、FA宣言、監督。

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2012年01月28日

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ネタバレ

タイトルが誤解を生みやすい本である。

テリー伊藤が書いている時点で何かキテレツな印象があるし、ドラゴンズファン向けの何かお笑い口調の内容かと思ってしまう。

しかし実は中味はタイトルの印象と違う一冊だ。

この本は落合博満の人間の魅力を真摯に見つめていく内容なのだが、どこに価値があるかと言えば「日本人論」から入っていくところだ。

大衆として日本人がマスコミや報道に対してどのように動くか、どのように反応し、どのように心理変化するか、そして落合をどのように解釈してしまうのか?

その点を視聴率という大衆娯楽と戦った過去を持つテリー伊藤が解説していく内容だ。

どういうことか少し見ていきたい。

日本人が落合の凄さを評価できるほど、大人になっていない。

いまの日本は、どんどん「子ども文化」になってしまったような気がする。

食べものはコンビニ食とハンバーガー、洋服は20歳をとっくにすぎても10代にしか見えない服をファスオファッションで揃える。

音楽やテレビや映画も、説明的でわかりやすいものばかりを求めていく。

群れず、はしゃがず、黙って信念を貫いていく。

媚びず、言い訳せず、不気味なほど寡黙に勝負して、勝つ。

そこには、古き良き日本人が持っていたパワーがある。同時に、日本人がいまだかつて持ち得なかった新しい価値観がある。

それを私は「落合力」と呼ぶ。

大衆娯楽、もしくは大衆はわかりやすい文脈しか求めていない。

いや、求めなくなってしまった。

自ら考える事、想像する事、モノの真実を追求する事、こういう姿勢が失われてしまった中、落合という人物が理解しづらく、敬遠しがち、もしくは現代風に言えば、「感じワルイ」人物に見えるのだろう。

しかしここでテリー伊藤は、落合の発言を通じて、彼の言いたい事、野球に対する姿勢、奥深さ、そして人間力を発見していく。

世間に流されず、常識と言われている事も疑い、己が信じるベストな方向性へと愚直に進む。

それが時に名球会入り拒否という形になったり、監督初のキャンプで紅白戦ばかりやったり、完全試合目前のピッチャーに交代を命じたりすることにもなる。

それで批判を浴びる訳だが、

落合監督はグッと堪えて黙っている。

星野仙一監督のようにベンチを蹴飛ばすこともないし、マーティ・ブラウン監督のようにベースを放り投げることもない。

それなのになぜ日本人は「落合監督はえらいなあ」と褒めないのだろう。

なぜ、あんなにがまん強い人を評価しないで、文句ばかり言っている人のほうを評価するのだろう。

それは、日本人が「わかりやすいもの」ばかりを求めるようになったからだ。

親切に説明してくれるものは理解し、高く評価するけれど、説明がないものを自分の想像力や努力で理解しようとしなくなっているのだ。

無愛想で、口べたでしかも嫌われる事を恐れない落合は、自ら考え、勉強をし細かく正しく報道しようとする人間にしかしゃべらないのだろう。

そのため、テリー伊藤曰く

「日本のマスコミは、誰かのネガティブな面をとらえて、そこをクローズアップすることにかけては天才的な能力を持っている。

そのおかげで、日本人全体が批判の天才になってしまった。」

落合博満という人物は、ある意味マスコミとそれに操られる大衆の格好の餌食なのだろう。

こうやって読み進んで行くと、確かにこの本のタイトルは、「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」が正しい気もする。

しかし一番手に取りやすいものだとしたら、

「日本人が気付かない落合博満の人間力」

というありきたりなものだったかもしれない。

いずれにせよ、本人が書いているベストセラーを読む前に、是非こちから読む事をおススメしたい。

采配
作者: 落合博満
出版社/メーカー: ダイヤモンド社
発売日: 2011/11/17

本人の言葉への飢餓感が生まれると同時に、テリー伊藤が取り上げるエピソードに本人の解釈が加わる訳だからなお一層理解が深まる。

落合博満と中日ドラゴンズの8年間は一般的にわかりにくいものが多い。

補強をほとんどせずに、なぜか毎年Aクラス入り。

落合はピッチャーのことはほとんどコーチ任せなのに何故か投手王国をつくる。

荒木と井端のポジションチェンジ。

この2冊をセットで読むと、少しばかりか理解していける喜びがそこにある。

そして目の肥えたスポーツファンになりたいという意識も生まれる。

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2012年01月04日

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強い監督である落合がなぜやめなきゃいけないのかわからなくて買ってみた。
確実に手持ちのカードを育てて強くするすごみ。新書で息をのんだのは初めての体験だ。
今の日本に足りない何かを持っているのが落合である。職人やプロフェッショナルがヒーローや天然記念物扱いされて現場からいなくなるこの時代。落合のすごさを手放しで絶賛するテリー伊藤、最後に企画を一つ提案するあたりはさすが。ほんと、現場にいる落合をもっと見たいと思うよ。

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2011年12月23日

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みんな落合になった方が良い。素晴らしい実績も、不器用な表現も愛すべし。結果だけがすべて。見ている人は見ている。プロフェッショナルを貫く。日本人の狎れあいの不の面を考えよう。選手としても監督としても。長島以上の実績を残した落合の凄さを日本中で学ぼう。良本です。

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2011年04月29日

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左の王貞治、右の落合博満、偉大ですね!テリー伊藤氏の「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」(2010.5)を読みました。私は大好きですが~w。現役時代3度の3冠王、中日の監督就任1年目で優勝。群れず、はしゃがず、黙って信念を貫いていく。媚びず、言い訳せず、寡黙に勝負して、勝つ。古き良き日本人が持っていたパワーそのものですね(^-^)「名球会」入りを断る姿に、国民栄誉賞を断るイチローの姿が重なります。大型補強を続ける巨人を横目に、「補強しないで勝つ」と有言実行、研ぎ澄まされた集中力の成果ですね!

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2017年02月19日

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テリさんの独自の視点でみる落合さん象がなかなか面白い。自分も読む前はあまり好きじゃなかったなぁ。
落合が総理大臣だったら、落合は昭和のおふくろであるとか、面白い。
野球ファン以外の方こそ読んでほしいです

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2016年03月07日

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「落合博満は嫌われることを恐れない」それがこの本の中でテリー伊藤が一番伝えたいことを端的に表している個所ではないでしょうか?
なんとなく与えられるものを考えずに受け入れてしまっている現代の日本人にとって、落合の潔さは新しい価値観を提案してくれるものだと感じました。
最後の部分で「もっと今のうちに落合に注目し認めていこう、辞めてからではもったいない」というのが今や現実になってしまっているのが残念なところです。

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2012年08月26日

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愛想もサービス精神も皆無だけど、嘘はつかず、弱音も吐かず、結果を出す。

私の周りにこういう人はいない。

落合って究極のM?と思ったけど、奥さんの力なのだと最終章を読んで納得。

信頼できるパートナーの存在は、やっぱ超偉大なんだね。

読んでる最中は、落合ちょっと可哀想すぎと思ったけど、信頼できるパートナーがいて、テリー伊藤のように愛してくれる人もいて、落合は結局幸せものじゃん、と最後には思えてしまった。

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2012年04月27日

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ネタバレ

落合監督退任直後にタイムリーな話と思い、手に取りましたが、テリー伊藤さん、2010年にこの本を書いてたんですね。
内容はテリーさんの「落合礼賛」が続きます。今の日本には落合監督のような超合流主義、非常識の力で壁を破る「落合力」が必要だと説いてます。そこまで過剰に持ち上げなくてもと思う部分もありましたが、参考にできそうなところもあり、面白く読めました。
今年は「落合力」を身につけて、頑張ってみますかp(^^)q

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2012年03月31日

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■落合博満
1.日本人が「わかりやすいもの」ばかり求めるようになった。親切に説明してくれるものは理解し、高く評価するけれど、説明がいないものを自分の想像力や努力で理解しようとしなくなっているのだ。
2.ビートたけしと落合には、共通点がある。それは、いつも冷めているということだ。常に自分を客観的な目で見ることができるのだ。
3.大人買いという言葉があるけれど、それはファッションの場ではマヌケなことだ。どの1着を選ぶかを突き詰めることによって、そのひとつに魂がはいる。

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2011年12月06日

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 普段野球をほとんど見ない私だが、今年の日本シリーズはなぜかちゃんと見た。ブルペンにいた落合監督の表情がスラムダンクの安西先生みたいに全く変わらないのが印象的だった。この人は何を考えているんだろう…。決してメディア向けではない彼の態度が不気味で、すごく気になる。この人しか見えていない何かがあると。

 テリー氏は落合の超合理主義を論じているが、私は彼に日本の職人魂を見た。彼の監督最後のインタビューで、「選手には特に何も声をかけてません。言わなくてもわかると思いますから」。すぐ怒る星野氏や、愚痴を言いまくる野村氏よりすばらしい指導者じゃないかと思った。

 本書も面白かったが、落合氏本人の著書を早く読みたい。

 

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2011年11月27日

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会社の野球好きの営業さんから借りた本。

落合博満。
現役時代もちょっとだけ知っているけど、今は中日ドラゴンズの監督ということぐらいしか知りませんでした。

別に嫌いでもないけど、好きというほど知らない。

でもこの本を読んで落合監督が好きになりました。
生き様がカッコよすぎる!

「他人から嫌われようが、自分の信念や理想を貫いて生きる」
こんなカッコいいことをできる人がどれだけいるだろう。

嫌われたい!なんて思う人はいないだろうし、
人の評価って絶対気になるものだと思う。
それでも自分の意志を貫ける心の強さ。

「落合力」を身につけたい!

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2011年07月26日

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 選手のときからの落合ファンとして、無愛想な態度で結果を残す、結果を出しても無愛想な、稀な存在感が好きだった。よくぞ言ってくれたという思い、そして俺だけじゃなかったという連帯感。  ポピュリズムが恥でも罪でもなくなった世の中では、非ポピュリズムは嫌悪されるべき態度に映るのかもしれない。

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2011年06月10日

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テリーは巨人ファンなのによく見てるなぁと感心する。星野監督就任と時を同じくしてロッテからの電撃トレード発表があったあの日の高揚感(レイルウエイズの反則キャラがやってくる!)は忘れられないし、沖縄キャンプの10人ブルペンを見て「面白くなるぞ」と思った直感は妥当だったので、自分的には意外な内容は少なかったが、監督采配に疑問のあるチームのファンが読んでみるとよいのかも。(羨ましくなるだけか?) 

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2011年06月10日

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[ 内容 ]
数々の「落合伝説」には、理由があった。
落合の超合理主義を受容できないお子様国家・ニッポン。
落合こそ混迷日本を救う新時代リーダーだ。

[ 目次 ]
第1章 なぜ私は落合博満を称賛するのか?
第2章 落合の非常識革命
第3章 なぜ日本人は落合博満が嫌いなのか?
第4章 「落合力」が日本を救う
第5章 長嶋茂雄と落合博満
第6章 落合よ、永遠なれ!

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月24日

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メモ

落合の凄さが分かる一冊


説明過多で日本人は幼稚化している。
説明がないモノを自分の想像力や努力で理解しようとしない。
世間の人たちはテレビで報道されている情報を無批判に受け止めている。

常識を疑い、物事の本質を鋭く見抜く感性。

冷めた目で何かを読み取っている。

指導者は見るのが仕事
見て判断する。見て決断する。

強いチームと豪華なラインナップは違う。

マスコミの論調がそのまま国民の意見になる。

思考が停止した消費者
仕事の飲み会はすぐ帰る

死んでも一番になってやろうとする落合力

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2011年03月10日

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テリー伊藤が語る、落合伝説の数々。タイトルに惹きつけられるあたりは、さすが天才演出家のなせる業だ。内容が薄いという人もいるかもしれないが、肩肘張らずに読めるのがいいところ。
実際、僕はあまり野球が好きではないが、中日の落合監督は好きだ。
落合監督が07年日本シリーズで完全試合を目前にした山井投手を交代した意図や、ファン感謝デーに出なかった理由などから、現代の日本人に足りないストイックさ、勝ちにこだわる姿勢が見えてくる。それだけに、10年の日本シリーズは残念だった…。

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2011年02月27日

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落合博満氏というと、「常識に捉われない方法論を」「周りに説明することなく実行し」「ひたすらわが道を貫く」ところに特徴がある。本書では、日本人は落合氏のような人間をもっと評価しなきゃ駄目だ、と主張している。落合氏は中日の監督として顕著な実績をあげているので、中日ファンが言うのであれば普通であるが、熱心な巨人ファンであるテリー伊藤氏がこういう主張をすることには価値があると思った。
ただ、落合監督は名古屋でもものすごく評判悪いんだよね…。これだけ勝っているのに、ナゴヤドームに来るお客さんは全然増えないし。人気が無いのは「評価しない人が悪い」で済ませられるのかどうか、難しい問題である。

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2011年03月06日

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周囲に媚びず己の信念を貫く彼の生き方は、リアルタイムでは選手・監督時代を知らない自分でも惹かれるものがある。落合監督のような、一歩引いた目線で全体を客観的に見る意識も大切にしたいと思う。

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2025年10月06日

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ネタバレ

途中までは、なかなか読み応えのある内容だったのに、落合と作者を重ね始めたあたりから、だんだん腹立たしくなったちょっと残念賞。
なんとか読者を楽しませようとする姿勢は評価できるのだが、落合博満を論じるのに軽薄さは要らない。
本書の「落合力」とは、みんなに嫌われても自分の信念や理想を貫くこと、と定義。たしかに、名球会拒否や中日ドラゴンズ監督時のWBC参加の対応などいろんな風波を立てている。しかし、その理由を聞けば、ある程度納得出来る。まず、1995年2000本安打達成時の名球会拒否は、任意団体なので義務ではない、そもそも活動にオフシーズンの時間を割かれたくなかったというのが理由。会見では、「2000本安打は別に目標でもないし、1999本と2000本の差はどこにあるのか。それなら、自分のプロとしてのキャリアを球界に在席したら誰でも入れるプロ野球OB会で役に立ちたい。それに専任するためにも名球会は辞退させてもらうことにした」。
《そんな“オレ流”の考えに異を唱えたのが、ヤクルト・野村克也監督だった。
「何かにつけ悪い前例を残すな。誰のお蔭で好きな野球をやって、何億も稼いでいるのか。プロ野球の創始者、諸先輩、ファンがあってのもの。(名球会は)そんな人たちに恩返しをしようという団体なのに」と批判した。
「何かにつけ」とは、中日時代の1991年に日本人選手として初めて年俸調停を行い、翌92年に選手会を離脱したことなどを指しているようだが、当時は野村監督のみならず、“名球会入り拒否”を単なるわがままと捉えて批判する者も少なくなかった。》
では、WBC不参加の件は。
《09年、WBCの日本代表選考において、中日選手全員が辞退したことで、当初は公表しないとされていた辞退者の名前が公になり、非協力的だとして大バッシングを受けた。「あの年はね~、各球団に候補者名簿を渡して、それで“返事をください”と。で、これは絶対外に漏れないような極秘なことなんで…っていうことで球団にリストが届いたの。そっから選手に言って。そしたら、選手たちが2008年の北京(五輪)の岩瀬(仁紀)のことがあってね。まあ“俺らも行って、またこういう(岩瀬のような)目に遭うのは嫌だな”っていうようなものが(候補の選手たちに)感情的にあったんだと思う。そしたら“できたら断ってください”っていうようなことが全員、俺のところに言ってきたんだわ」とNPBからのリストの存在や、候補選手として名前が書かれた選手との詳細なやりとりを明かした。
 落合氏の「北京の岩瀬のこと」とは、前年08年に行われた“野球が五輪から消える”最後の大会となった北京で、韓国との準決勝でイ・スンヨプに本塁打を打たれるなど大会3敗を喫し“金どころかメダルを取れなかった大きな要因”と大バッシングを浴びたこと。チームも川上、岩瀬、荒木、森野に加え、台湾代表からはチェンも選出されるなど主力5人がも抜かれた中日は巨人、阪神に次ぐリーグ3位と苦しみ、優勝した巨人とは12ゲーム差も離される完敗の一年となった。
 落合氏は続けて、リストには「5~7人ぐらい入っていたと思う。全員がああいう目に遭いたくないっていうかね。直にみんな見てるもんで。どれだけ大変だったのかっていうのは想像がつくんでね」と候補者リストの人数を回顧。選手らに「“個人的に断るか?”って言ったら“まとめて断ってください”っていうようなことで“じゃあ球団として断る”っていうことで返事をしたんだわ。それが漏れたっていうだけのこと。内密のことだから、それは漏れたら“誰が漏らしたんだ”ってなるじゃない。誰が漏らしたかは知ってるけどね。あえて名前は言わないけども。よその球団でも辞退した選手はいるんだよ。それらは守られていたんだ。だからウチだけ球団で全員行かせないような方向性を出したのか、監督が自ら行かせないようにしたのかっていうようなこと(が憶測として報じられた)。それで新聞沙汰になったけども。実際は、行く行かないの権利っていうのは選手が持っているんであってね。選手が行きたくないって言えば、それはそれで筋は通るはずなんだけども、ややこしくしちゃった」とプロ野球史に残る“事件”をしみじみと思い返していた。》

以下は個人的備忘録。
・2004年、Bクラス常連中日ドラゴンズ監督に就任、宣言通り戦力補強無しで5年ぶりのリーグ優勝を果たす(有言実行)
・2007年には53年ぶりに日本一に
・2009年は、川上憲伸、タイロン・ウッズ、中村紀洋が抜けたが、吉見一起、チャンウェイン、ブランコの活躍でリーグ2位(戦力分析が的確)、さらにシーズンオフのファン感謝デーを欠席(ナゴヤドームにはいたが、ファンの前には現れなかったオレ流)
・落合力とは〈自分が正しくと思ったことはどんな軋轢が生まれようとも主張〉〈周囲との折り合いや前列なんか気にせず、信念を貫く〉〈有言実行、保険もかけず、退路も断って勝利を目指す〉
・落合の野球歴がある意味すごい(東洋大学野球部の上下関係に反発し、1年で中退。実家の秋田に帰りプロボウラーを目指すもプロテストを受けられず断念。東芝府中に臨時工として就職し、日中はトランジスタラジオの基盤を組み立て、夕方から野球部の活動)こんな経歴の男がドラフト指名を受け三冠王を3度獲る日本球界を代表する選手になるとは誰が想像できただろうか!
・長嶋茂雄に憧れて野球を始めた落合、明るく絵になる男とは真逆の選手となったが、それでも長嶋監督に請われて巨人に入団し優勝の立役者となった(1994年10月8日伝説の巨人中日戦、最終戦での同率首位チームによる優勝決定戦。落合はホームラン、タイムリーと活躍するも守備で怪我をして中畑清コーチに担がれてベンチに引き下がる。その後、足を引きずりながら守備につく。「ミスターを胴上げするために俺はここに来たんだ」)
・落合が自由奔放に“オレ流”を貫けるのは、信子夫人というパートナーのおかげ

やはり、すごい男です。

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2025年05月11日

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落合が監督時代に書かれた本。終盤の「落合が去ってから評価しても遅い」という主旨の内容は、今読むと「まさにそのとおり」という感じ。本文の内容はちょっと大げさな書き方だと思うが、面白いことは面白い。でも落合に対しては、「周囲ともう少しうまくやればいいのに」と思ってしまう。

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2013年08月19日

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著者の落合監督と野球へのアツい思いがよく伝わってくる内容。ただ、大半が「落合監督だったらこう言うに違いない」という著者の想像の範疇でしかない。だから、まるで落合監督を神格化しているような印象を受けてしまった。内容は野球から現代日本人への批判まで繋げていて面白い分、そこが残念。

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2012年09月19日

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個人的に落合さんが好きだからこそ、あそこまで贔屓目線で書かれていると少ししらけた。
面白くは読めました。

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2012年07月31日

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嫌われることを恐れず、勝つために必要なことのみをやる。

落合監督の凄さをライトに書いている本です。

そこまで目新しさは感じませんでした。
時々織り込まれるテリー伊藤さん(著者)自身と落合監督を重ね合わせる
記述はやや強引な印象も受けました。

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2012年01月08日

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テリー伊藤が作者なので、結構いい加減な論をぶってるのかと先入観。ところが真面目な人間論。とくに現代日本の風潮において稀有であり、それ故にその姿を目に焼き付けるべき落合博満の、皆が気づかない、高潔な精神性は肝に銘じて読むべき。

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2012年02月25日

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現中日監督の落合博満が持つ「落合力」について,
なぜ日本人は落合博満を嫌うかについて,テリー伊藤が語る.

今日本に必要なのは「落合力」だそうだ.

「落合力」とは以下のような人のこと.
・自分が正しいと思ったことは,どんな軋轢が生まれようとも主張する人間.
・周囲の折り合いや前例なんか気にせず,信念を貫く人間.
・常に有限実行,保険もかけず,退路もたって,勝利を目指す人間.

その身近な例として,宴会の途中で帰る勇気があるか?という問がある.
みんなで盛り上がっている中,途中で帰ることはなかなかできないと思う.しかし,そのとき自分自身がやりたいこと,はっきりとした目標を持っていれば,どんなに盛り上がっていようと帰る勇気を持てるはずだと,テリーは言う.

最後に,この本が書かれたのは2010年5月なのだが,本書の最後にはこうかかれている.

いくら私がそう力説しても,「落合なんて嫌い」と言っている人は,もう一度,想像してみて欲しい.落合監督がユニフォームを脱ぎ,グラウンドを後にしてしまった時のことを.その時はきっとこう思うはずだ.
「俺たちは落合監督を失ってはいけなかったんだ」
日本人は,そんなふうにして,喪失感に襲われてから,やっとその存在の大きさに気づくのだ.

去年までは落合監督の野球はつまらないとか,
WBCに参加しないなんて非国民だとマスコミに騒がれていた.
しかし今年,辞めることが決まってからのマスコミの反応は,
歴代最高の監督だったという評価に転じている.

この状況を去年予測していたテリー伊藤に感銘を受けた.

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2012年03月05日

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北野武 土井正三 戦力の底上げ10% 一年間の猶予 サボタージュ 大衆迎合主義 鳩山由紀夫 野村克也 河原純一 Allways三丁目の夕日 高度経済成長 戦争へのリベンジ 蓮舫 東芝府中 稲尾 有藤 金田正一 名球会

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2011年10月29日

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野球好きとしては面白い題材の本書。しかし私が野球好きでなければ星2つかも。要は幼稚化している最近の日本人に対する警鐘を鳴らす内容だ。とはいえ、その主張を落合博満というフィルターを通す手法がユニークなので星3つ。

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2011年05月01日

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テリー伊藤流の視点で落合を捉えている。
確かに、死んだら「あいつはスゴかった」とよく言われるのは納得。

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2011年04月08日

Posted by ブクログ

テレビで有名な番組製作者であるテリー伊藤氏が書き下ろした、中日現監督の落合監督論。
テリー伊藤氏がいうとおり、勝負に徹する落合監督を我々はもう少し見直す必要があるのかも知れません。

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2011年07月18日

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