【感想・ネタバレ】コメの嘘と真実 新規就農者が見た、とんでもない世界!のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年02月07日

農業をやってるわけではないのですが、この本で専業農家、兼業農家、農協の役割などが少しだけわかってきました。著者のエピソードから新規就農というのはとても大変で本気度が問われることが伺えます。
慣行栽培米、特別栽培米、有機栽培米、アイガモ農法米などの意味もこの本を読むまで知らなかったことがたくさんでした...続きを読む

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Posted by ブクログ 2013年09月28日

チェック項目7箇所。農業機械の著しい発達は、コメを150日程度で作れる”モノ”に変え、さらに農協が「品質にバラつきのないコメ」を求める余り、突出して「できのいいコメ」も「できの悪いコメ」と同様にコメ流通から排除されました、こういった画一化により、コメ作りの技術向上と販売面での多様化は阻害され、勤め先...続きを読むの休日を使いコメを作る兼業農家を多産したのです。現在のコメの関税率は778%、一番高いコンニャクイモにいたっては1706%と桁違いの関税がかけられています、高い関税が維持されてきた主な理由は「食料自給率の下がっている今の日本に海外の作物が入ってきたら、さらに自給率が下がってしまう」からです。ちなみにコメやコンニャクイモに高関税がかけられている一方で、トマトやレタス、ホウレンソウといった野菜の関税は3%しかなく、すでに開放されているに等しい状況です、競争社会をしっかりと生き抜いている野菜農家を見ならい、私たちコメ農家も世界との競争に耐えうる力を付けていかなければならないのです。TPP反対論者の中には「交渉に参加する=TPPに参加すること。そんなことをしたら日本が滅ぶ」とうそぶく人もいます、しかし、交渉の席に着かなければ受けるも断るも判断できません。もし日本のコメが海外のコメに負けるとしたらそれは今までと同じやり方をしているからです、画一的な付加価値のないコメは海外のコメとの価格競争にさらされます、そしてこれは何もコメに限った話ではなく、農作物全般に言えることです。どんな土地でも、適地適作、知恵と工夫を凝らせばおいしいコメは作ることができる、TPPを恐ることはありません、地形や気象の変化に富んだ日本は、その特色を生かした農業をしていればいいのです。これから崎、コメの世界で食べていくには、コメ作りの「プロ」は販売の「プロ」でなければならないkとおは本書で繰り返し述べてきたとおりです。

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Posted by ブクログ 2013年09月15日

農業をやったこともなかった著者の近正宏光(こんしょうひろみつ)さんが、社長命令を受けて、農業生産法人「越後ファーム」を立ち上げるまでに考え、思った課題、問題点、矛盾、そして巷で言われている嘘を指摘する。

近正さんは、日本の農業の問題点は「農地法」にあるという。その中でも、農業以外の仕事を主たる収入...続きを読む源にしている第2種兼業農家の存在と、それを取り巻く農協と農水族といわれる族議員の存在が、日本の農業を歪めた根源であると言う。

第2種兼業農家が問題なのは、農業以外の主たる収入源をもっているにも関わらず国から保護を受けているため、おのずと農業は二の次になる。これでは農家における向上心なんて出てこない。農業の技術的発展を阻害し、市場への無頓着を産む。適正な競争がなく、農協が支配する仕組みになっている状況が、日本の農業をゆがめているという。

たとえば米にしても、魚沼産コシヒカリなどの産地ブランドがもてはやされているが、産地の中でもうまい、まずいは存在する。ここに、農協の顔ではなく、作り手の顔が見えるべきだと近正さんはいう。作る人の顔が、直接、消費する人に見えるような仕組み。うん、確かにそうかもしれない。

そんな近正さんは、TPPに賛成だ。TPPに参加しようがしまいが、すでに日本の米作農業は破綻していると断言する。TPPに反対しているのは、農水省や農協の権益がらみなのではないか。そうであれば、TPPに参加し、市場に晒されることで弱い部分も出てくるかもしれないが、その弱みを強みに変えて農業をやればいい。知恵と工夫をこらすことで、美味しい米作りはできるはず。そうして、農業を変えていくほうがずっと健全だということだろう。

日本の農業を知りたくなったら、近正さんの本を読んでみるといいかもしれない。

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Posted by ブクログ 2013年09月04日

[2013.16]サラリーマンが社長の命令で米作りを始め、実際に米作りをして来た経験から見た日本の米作りについての本。
TPPへの参加、農家とJAとの関係、米作りの未来といったことに関して、筆者の考えがまとめられている。
日本のほとんどの農家が兼業農家であり、良質な米と手間をかけずに作られた米が混在...続きを読むして一つのパックに入って売られている現状を考えると、やはりTPP不参加というのはあり得ないと思う。
しかし、TPPに参加することで職を失う可能性のある人たちの今後について触れていないのが残念だった。筆者なりのその人たちの今後の生きる道についての考えが知りたかった。

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Posted by ブクログ 2013年08月03日

身内の情報により、少し内部を知っているので、あまり驚かないが、農業について何も知らない人が読んだらびっくりすると思う。
すごーく変な世界です。
「TPP」に賛成すべきなのかもとも思う。

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Posted by ブクログ 2013年07月22日

閉鎖的な農業の世界に飛び込んだ1人のサラリーマンが見たコメ作の現状。筆者が新規就農にあたって、実際に直面した歪んだ法制度に対する憤り、そしてコメ作をビジネスとして発展させた話が軽妙に記されている。TPP参加など、農業が抱える問題も噛み砕いて書かれている良書。

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Posted by ブクログ 2021年05月05日

 2004年に不動産会社の社長から、突然「新潟出身だから」「コメを作れ」と命令された。これからは食料安保が重要だと社長が感じたから。出だしがおもしろい。実に変な社長だ。また、それに従って始めるのも変な社員だ。農村の理不尽さを縷々と述べているが、会社の理不尽さはさらっと流しているのが面白い。まぁ。その...続きを読む命令を受けなければ、この物語は始まらない。この語りは実につかみはうまい。しかし、その不動産会社の社長の真意をもっと掘り下げてほしい。
 新潟で農業をしている父親は「農業をやらせるために大学にいかせたんじゃない」という。友人は「農業をなめるな」「やめておいたほうがいい」という。この父親をどう説得したのか?そして、父親が、現在何を言っているのかが知りたい。それが、書いていない。
 越後ファームの始まりである。この物語の成功の一つの要因は、農家と手を組んだことだ。まぁ。農家の息子だったというのも重要だね。農業は教科書で学んでできるものではない。経験の蓄積であり、感覚的な判断の中に、暗黙知が多く存在する。
 農業を始めるには、農地の確保がいる。これは、よそ者に対しては、受け入れる素地が少ないのが現実である。そして、著者は言う「自分のコメの評価すらわからず、自らのコメなのに販売価格も決められない。」と言う農業の当たり前を批判し、「自分でコメをうる。農協には売らない。」と言う姿勢が、やっとコメは商品となった。そう思えば、切り開かれる。また、それがシンガポールで日系デパートで売り先が決まると言う販売戦略が当たった。それをテコに日本でもうると言う戦略がうまい。ものづくりだけでは、ビジネスとして成り立たない。営業すると言うことが当たり前の不動産業界にいたからこそ、進めたのだろう。
 不利な条件をどう有利にするか。そして慣行栽培から、特別栽培、有機栽培、自然農法と作り方の差別化をするが、要は、作り方ではなく、消費者が食べて美味しいかどうかになるのだ。そのことをきちんと理解していることが重要だ。確かに、新規就農者は、何をすべきかがよくわかる。
越後ファームは、そんなに驚くことをやっているわけではなく、コメを売るためには、どうすればいいのかと言うことをきちんと理解しているから成り立っている。
 吉田忠則の「コメをやめる勇気」の中にも、越後ファームに関して褒めて述べているが、この本で読むと、当たり前のことをきちんとやったということだ。農業をどうビジネスとして捉えるかで、何よりも、営業が大切だったと言うことが明らかになっている。まぁ。そうだからと言って、日本の農水省のばかな政策を、変えれないことは言うまでもないのだ。
 TPPに賛成し、兼業農家を批判し、農協を批判しているが、本質的になぜそのようになっているのかに対してのメッセージが、弱いのが残念だ。「コメの嘘と真実」という表題に負けている。

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Posted by ブクログ 2014年02月14日

新規就農へのムラ社会の壁と、販路確保への苦労を綴った本。苦労と突破の跡が見られて素敵な本だともいえる反面、描き方がステレオタイプというか、我田引水すぎるかなあ、と。関税の部分で正しいとはいえない表現もある(こんにゃくいも)。
最初の販路の開拓の決めてがパッケージのデザイン変更。それ以降も付加価値をど...続きを読むうつけるかに腐心されていますが、思うに多くの消費者は、実のところ品質を理解できないのではないでしょうか。故にやはり営業力・販売力の世界になっていく、そのなかで品質という看板が必要になる、と。
いやもちろん、みんなうまい米が食べたいはずです。そして著者も述べているように、最後の行程(炊くという行為)を消費者に委ねるという大きなばらつきがあるものをどう売るか、どう付加価値をつけるか…などの話。あれ、嘘と真実は?
僕は6次産業化よりも、よりよい1次産業を応援したいところだけれど、それじゃあやってられないのでしょうね。

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