【感想・ネタバレ】日本社会と外国人 入管政策が照らす80年のレビュー

あらすじ

出入国管理政策の変遷を論じることは、日本社会がどのように外国人を生み出し、処遇してきたのかを描くことにほかならない。
本書は、入管体制の成立、法的地位の変化、「多文化共生」の展開、強化される管理と監視、人種差別や労働力の受け入れなど多岐にわたる論点や課題を扱い、80年の軌跡を確認する。

はじめに

序 章 本書の対象

第1章 入管体制の成立―1945~52年
1 アジア・太平洋戦争の終焉と引き揚げ
2 移動と「外国人」の管理
3 非正規の移動とその管理
4 日本の再独立と「外国人」問題の発生
5 まとめ

第2章 「黒船」に至るまで―1952~81年
1 分断国家と朝鮮人の法的地位―1952~65年
2 台湾人・中国人の法的地位―1952~72年
3 入管解体闘争とベトナム反戦運動―1970年代
4 「黒船」とその余波
5 まとめ

第3章 「1990年体制」の成立と展開
1 旧植民地出身者の「在日」化
2 2つの「問題」
3 「1990年体制」
4 「多文化共生」の展開と課題
5 まとめ

第4章 強化される管理と監視―2000年代
1 「テロとの戦い」と監視技術の向上
2 「不法滞在者」の排除
3 「望ましい外国人」の模索
4 新しい在留管理制度の成立
5 まとめ

第5章 人種差別と出入国管理政策―2010年代
1 「日本型排外主義」と対抗運動
2 「日本型排外主義」と出入国管理政策
3 国籍法と出入国管理
4 重国籍者をめぐる社会と制度
5 まとめ

第6章 労働力の受け入れ―2020年代
1 人口減少と外国人労働力への依存
2 技能実習制度の転換
3 非正規滞在者と収容・送還
4 まとめ

終 章 これからの選択
1 新型コロナと入国規制
2 入管政策の今後

あとがき
主要参考文献
入管法などの変遷
入管法の改廃(1997~2024年)

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Posted by ブクログ

本書は、第二次世界大戦の敗戦以降、日本が辿ってきた入国管理および外国人施策の歩みを、歴史的背景から紐解いた一冊である。昨今相次いで刊行されている外国人労働者問題や人口減少対策に終始する実用書とは一線を画し、本書は全編の半分近くを費やして、旧植民地出身者を巡る戦後の制度変遷を詳細に検証しているのも特徴と言えるだろう。

通読して強く印象に残るのは、日本の外国人政策に対する著者の批判的スタンスの烈しさだ。その不満や問題点の列挙は、論理的な体裁を整えつつも、時として「憎悪」や「怨嗟」を感じる強さを帯びている。全編を通じて一貫して否定的な論調が続き、肯定的な言及を見出すことは難しい。記述の多くは歴史的事実に基づいているのだろうが、行間に滲み出る著者の主観は、「本書の視点のみを鵜呑みにしてはならない」と度々感じた。

一方で、著者は結びにおいて「本書が広く読まれることを望まない。外国人問題が議論されることで外国人に対する新たな憎悪が生じるくらいなら、無関心のほうがマシである」という趣旨の、一見倒錯した独白を残している。そこには、長年この問題と対峙してきた者特有の、深い諦念と無力感が漂う。著者の内面にある憤りと諦め、それでもなお記録を残さねばならないという使命感が複雑に交錯している、と捉えるのはいささか穿った見方に過ぎるだろうか。

私自身は、外国人の受け入れに対しては比較的寛容な立場をとるものだ。しかし、権利や平等の理念をあまりに強く主張することが、果たして日本社会のみならず、当事者である外国人居住者にとって真にプラスに働くのかは疑問が残る。必要なのは、理想論に偏ることなく、アクセルとブレーキのバランスをデータに基づいて見極める冷静なガバナンスだ。一国民として、今後もこの混迷する政策の行方を注視していきたい。

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2026年05月28日

Posted by ブクログ

副題にあるように、入管政策の80年である。入管政策をその文書や学ジュル論文に基づいて論じているので漢字が多く、エピソードがほとんどないので、学生には読みにくいかもしれない。日本の移民政策を引用するためには必読書であろう。

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2026年05月24日

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