【感想・ネタバレ】次世代コミュニケーションプランニングのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・「オーダー」っていうのは、広告主の方でも社内でも色々決まっていることだったりするので、そのままよい形に実現してくれればいいわけ。一歩で「オファー」っていうのは、広告主の方でもまだ明確に決まっておらず、頭の中でモヤモヤしていることで、そのモヤモヤの整理も含めて一緒に解決してくれるかどうかなんだよね」
・「技術がライフスタイルなどを変える」という考え方を「技術決定論」というのだが、実際には、社会集団のコンテクスツの中で「採用」された技術が生き残り、それが「メディア」になっている。
・これまでメディアと思ってこなかったものをメディアとしてとらえる感覚
・人々が「いすに腰掛けて何かいわれるのを待つ=sit back to be told」時代から、「作って何かする=making and doing」時代へと変化しているということなのだろう。
・勝手広告
・趣味や学歴、興味・関心などで結びつく新たな集団=トライブ。人々は互いに共通の興味事項で結びついているので、情報の伝播も早い。
・ソーシャルメディアの時代にはユーザーを囲い込むのではなく、ユーザー自身が作っているコミュニティに入っていき、いかに企業側がユーザーに「囲い込まれる」かが鍵になってくる。
・商品/サービス自体が持つ「口コミ能力」には
1.商品/サービスその物が人目に触れやすい
2.他人を巻き込むと利便性が増す
・口コミマーケティングは「(シカケ)×(シクミ)」
(シカケ)とは「人に伝えたくなるネタ・情報」のことであり、(シクミ)とは「人に伝えやすい機能・ツール」のことである。
・contextual marketing : context におけるtargetに与えられるvalue
・public context / industry context / brand context / consumer context
・A: Attention (注意)
 I: Interest (興味・関心)
 S: Search (検索)
 C: Comparison (比較)
 E: Examination: (検討)
 T: Trial (トライアル・試行・試用)
 A: Action (購買)
 S: Satisfaction (満足)
 S: Share (情報共有/エバンジェリスト化)
 R: Repeat (再購入)
 R: Relationship (ロイヤル化・関係化)
 XS/US: Cross Sell/Up Sell (拡大購買)
・広告は認知などを促進させるという役割だけでなく、購買後に商品・ブランドへの好意的態度を強化(reinforcement)し、リピート購入を促進する(nudging)という

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2015年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本著を通読してまず感じたのは、著者の広告・メディア(ここでは敢えてコミュニケーションとは言わない)とそれを提供する顧客に対する誠実さ、あるいは純真さであった。松下幸之助氏が経営、お客に対して向けた誠実さと同様のものを感じる。

本著は長年広告に携わってきた著者自身が現在生業としているコミュニケーションプランニングについての正しい理解と今後のあり方を示す内容になっている。当然、広告業界に向いた話ではあるものの“コミュニケーション”というものに鋭く切り込むため、業界問わずより本質的な学びがある一冊だ。
この概念の理解のために広告の今(つまり枠売りの終焉、ニーズの複雑化)を俯瞰するところから始まり、「メディアとは何か?」に対する視座を補正し(通常私たちが想像しうるTV、雑誌、SNSといったいわゆるマスメディア・ソーシャルメディアといったものに限られないんだよということの理解)、そのメディアで消費者とどう会話(≠伝達)し、伝播(=クチコミ)してもらうかというふうに進んでいき、コミュニケーションを企てるとはどういうことかを順序立てて教えてくれる。

冒頭、読者レベルに合わせてマーケティングや広告コミュニケーションの基礎をわかりやすく教える気はない、即効性のあるような指南書ではないという著者の突き放しがある。その実テクニカルな話ではなく、上記の各プロセスにおいて「どう考えるべきなのか」という、より本質に目を向けて「本当に大事にしなければならないことは何か」が書かれている。アカデミックなものも多いが、事例もふんだんに盛り込まれており、かなりわかりやすい。思った以上に親切な内容だった。

本著の総本山として、最後にが来るのがコミュニケーションプランニングの出発点となる「コンテクストの理解・創出」である。昨今よく見かけるSNSでの炎上など身近なケースを取り上げながら“わかっているようでぼんやりとしている「コンテクスト」”というものの理解を揃えた上で、解釈・創出するための著者のこれまでの試行から生まれてきたフレームや技法が紹介される(ここでは比較的実践的な内容が登場する)。
ちなみにここで11年前に著者が書いた論文が登場するのだが、31歳という年齢で書いたものであるところに個人的には戦慄を覚えた。

広告に限らず、新たな事業を起こす、新たな商品・サービスを世に出すというところに関わる人間は「コミュニケーション」することの本質を見直す意味で是非読んでおきたい一冊だ。

■ポイント(一部引用)
・コンテンツはメディア自身が持つ“文法”の・ようなものによって規定される
・メディアは人間の身体を拡張する(例:TV=視覚、ラジオ=聴覚)
※いずれもマーシャル・マクルーハン氏
・コミュニケーション資産のアセットマネジメント2ステップ
 洗い出し→コントローラブル/アンコントローラブルの仕分け
・「消費者がしゃべったもの」からヒントをひっぱり出そうとする試みは、消費者の言語感覚に左右されるので、「言葉で表されるもの」の中でしか発見できない※ユーザーインサイトを探る際のデータマイニング的アプローチに対して

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2012年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「コミュニケーションプランニング」とは、「オファー時代のマーケティングコミュニケーションのソリューション」として位置づけられるべきなのだ。p21

マクルーハン「メディアそのものもメッセージである」(The Medium is the message)p28

人と人、人と商品、人と社会など、何かと何かを「メディエイト」するもの。これがコミュニケーションプランニング上、必要となる「メディア感覚」なのである。p33

「ソシオメディア論」p39

「コミュニケーション資産のアセットマネジメント」p56

「ブラー化」p63

「集合知(collective intelligence)」から「集合生産活動(collective activity)」へ p79

デビット・ガントレット「Making is connecting=作ることがつながること」p81

レガシー的なメディア(マスなど)=情報の非対称性から逃れられない。<メモ>

「セグメンテーションからコネクションへ、マスからトライブへ」<メモ>

「自販機型コミュニケーション」へ p102

おもしろいことを考えるという「バズ」視点だけでなく、拡がりを考える「バイラル」視点の両方がなければ、クチコミの企みにはならないのだ。p120

(シカケ)×(シクミ)という公式 p120

「コンテクストプランニング」というのは、「コミュニケーションプランニング」の前段階として位置づけられる。p161

アカウントプランニングには、「タグライン」の抽出と「消費者インサイト」の導き出しという2つの重要な作業がある。p167

【従来の流れ】
アカウントプランニング→クリエイティブプランニング
【これからの流れ】
コンテクストプランニング→コミュニケーションプランニング p169

【コミュニケーションプランニング】
(コンテクストを解釈する)+(コンテクストを開発する)
→コミュニケーションチャンネルの発見・設定
→コンテンツの設定 p192

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2012年04月07日

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