【感想・ネタバレ】わが父・夢野久作 増補完全版のレビュー

あらすじ

「龍丸、よく覚えておけよ」――息子が秘話満載で綴る鬼才の素顔

***

杉山茂丸を父に持ち、探偵小説界で名を成すも急逝した作家・夢野久作はどのように考え、生きたのか?
定評ある回想記(初刊1976)に、初書籍化作品を大幅増補し、著者による久作関連文章をほぼ網羅した完全版。

【夢野久作 没後90年記念企画】

本文より――
この『わが父・夢野久作』を書くと、杉山茂丸と、夢野久作は、生れは違いましたが、生涯は、父と子というより、全く表裏のように、ぴったりとなって、生き、そして、杉山茂丸の死後の始末が完了したのを見て一年たたない内に死んでしまった事で、この二人は切り離しては理解出来ないことになります。(……)
私は、父と子であった、私と夢野久作の間にあった、本当のことをここに書きました。

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Posted by ブクログ

夢野久作の長男である杉山龍丸による、父である夢野久作の回想録である「わが父・夢野久作」を中心に、氏の夢野久作関連の文章を追加して増補完全版としたもの。基本、夢野久作について語ったものであるので内容には重複が多い。

読んで思ったのは、杉山龍丸にとって父は「夢野久作」である前に杉山茂丸の長男杉山泰道であったのだなぁということと、祖父、杉山茂丸に対する愛憎ない交ぜになった複雑な感情についてだった。夢野久作にとって父茂丸は避けて通ることのできない人物であったと同じように孫である杉山龍丸にとってもそうであったのだなと。茂丸の思想や仕事に共感はしつつも、その所為で被った親族への迷惑は息子である久作だけでなく孫である杉山龍丸にも引き継がれ、そうとうな思いをしたことは、直接的ではないが至る所で愚痴らていて、読んでいて同情を禁じ得ない。怪物を身内に持つと大変だなぁ・・・

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2026年06月08日

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