あらすじ
中国茶文化史について諸誌に寄稿したものを集成。飲茶文化のルーツを辿り、唐代からの製茶法の変遷、日本茶道との関連、日本における中国茶文化、イギリス帝国の紅茶との関連等、中国大陸に限定せず幅広い視点から考察した書。
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Posted by ブクログ
隋唐史を専門とする著者が中国茶について四半世紀以上前に書いた諸論をまとめたもの。最後の解説で触れられている現在の茶をめぐる世界の趨勢とかも面白い。
日本では抹茶の起源を宋代の抹茶法を栄西が輸入したとされることが多いが、中国の末茶と日本の抹茶の製法が同じだと確認できておらず、粉末だということで同一視すべきではないと考えている。また、栄西が足跡を残した浙江省と末散茶などの産地である池州や饒州とは遥かに離れている。茶葉から直接粉末にする茶の製法が宋代の文献に確認できないので賛成していないとする。
紅茶はインドで始まったわけではなく、アヘン戦争後に中国からの製茶技術の輸入により紅茶生産が本格化した。
烏龍茶は福建の地方茶で、中国は緑茶が多く消費されているが、日本で以上に普及したので中国を代表する茶と思われている。
日本に飲茶がいつ渡来したかは明確ではないが、嵯峨天皇が滋賀韓崎で永忠の点じた茶を飲んだことは日本後紀に明証がある。この時の茶は茶経にある餅茶と同じ製法だと考えている。
茶の初出は詩経の荼ではなく、前一世紀の漢代の僮約という奴隷との契約文が茶のこととしており、民間に広まったのは茶経も出てくる唐代ではないかとしている。