【感想・ネタバレ】新装版 極東学園天国（４）のレビュー

日本橋ヨヲコ

強制的に五色台学園を廃校にしようと動きを強める教育委員会。一方学年総代の信長は自らの音楽の道に進むべく、英国音楽院への受験を決める。しかし廃校は決定され、信長の受験日に強制退去させられてしまうことに。徹底抗戦のため、そして信長の受験を守るため学園に籠城する信号たち。自らの道を歩むための、最終決戦が始まる。「凡人であることを肝に銘じてオレは何者でもなく生きる」

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何年たっても色あせないのは、思い出補正ばかりではない気がする。
人によっては厨二とか痒いとか思うかもしれないけど、まっすぐで熱い言葉と感情が渦巻いてて、感動する。

子供であることってもどかしくて歯痒いけど、物凄く澄んだきれいな時間だったような気が、これを読むとするんだよね。
最後の話のためにイブニングも買ったけど、やっぱまとめて読むといいなぁ。

[ブクログ · ★★★★★]

　新装版で久しぶりに読みましたが、本当にいつみても心にズシリとくる作品です。岸和田・山金カップルと城戸・学長の過去も描きおろし部分に入っていて満足いく新装版でした。このカップル昔から好きなんですよ。

　弱く脆い。日本橋ヨヲコ作品全般に言えるのですが、孤独や強さを強調しているキャラに限って、とても弱く脆さがにじみ出ます。今回の描きおろし部分では本編では常に飄々としていた城戸の弱さを描いていました。セリフや表情で幾ばくかその脆さを垣間見せていた城戸のどうしようもないほどの弱々しい嘆き。たった４ページだけの描きおろし部分ですが、本編では膝から崩れることなどなかった彼の過去が見れたのは良かった。弱く脆いキャラクター達が学校という場所で足掻き繋がっていく様は素直にカッコいいと思います。

　岸和田・山金カップルのイチャコラ部分も大変出来がよく、３巻にある２７話と２８話の表紙・内容を見たあとだとより一層このカップルの良さがわかります。この２人でしかありえないと思わせてくれるほどベストカップルなのが良い。この新装版のようにいつかまた同窓会みたいな感じで極東学園のその後を見てみたいと思える新装版でした。