【感想・ネタバレ】ひとつ屋根の下、君とあいおどるのレビュー

あらすじ

一般人男性、今日からアイドル教育始めます!?

企画会社に勤める、ごくごく普通のサラリーマン成田秋に
超人気アイドルグループ“U:niq”のプロモーション依頼が舞い込んできた。
とある事情でアイドルに複雑な感情を持っていた秋だったが、迎えた仕事当日…
メンバーの速水凜太郎から突然抱きしめられる。
しかもなぜか、彼の教育係に大抜擢されて――!?

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Posted by ブクログ

〝俺だけを見てよ、秋くん(凜太郎)〟

Eros度★

おやおや。無表情で無気力な王子様アイドルが、たった一人の前でだけ見せる破顔とすがりつくような一途さ……この強烈なギャップと情熱的な関係性には、思わず胸が熱くなってしまいます。

せとあめ先生が描く『ひとつ屋根の下君とあいおどる』は、幼馴染の再会とすれ違い、そして互いの存在によって深まる心の成長を描いた傑作です。
主人公の秋は、過去にアイドルを目指しながらも家庭の事情で夢を断念した過去を持つサラリーマン。そんな彼の前に現れたのは、超人気アイドルグループ「U:niq」のメンバーとして活躍する幼馴染の凜太郎でした。しかし、凜太郎のアイドルになった動機は「秋にまた会いたい」という純粋ゆえに危うい一点のみ。仕事に対して身が入らない凜太郎に対し、秋は過去の己の痛みや葛藤を抱えながらも、「覚悟しとけ。お前のその曲がった根性、俺が叩き直してやる」と本気のスパルタ教育を試みます。

ここからの二人の心理変化が実に味わい深いのです。夢を諦めた側の秋が抱く劣等感や「自分は彼の邪魔なのではないか」という焦燥、そして凜太郎が「俺が憧れるアイドルは昔から秋くんだけだよ?」と秋の眼差しだけを求めて一歩ずつアイドルとして覚醒していく過程。教育係と同居という少しファンタジックな設定でありながら、互いの仕事観や挫折の痛み、相手を想うがゆえの自己否定といった葛藤が丁寧に掘り下げられており、心情描写の密度に深く引き込まれます。
そして何より必見なのが、凜太郎の「秋限定」の愛おしい執着です。表向きのクールな姿から一転、秋の前では「柊斗ばっか見ないでよ」「俺だけを見てよ、秋くん」と甘い眼差しで迫るわんこっぷり。

本編はキスまでの非常にピュアで甘酸っぱい焦れ度が保たれますが、描き下ろしの「night lesson」ではその熱量が一気に開花します。「SEXってどうやってやるの?」という幼気な問いかけから始まりつつも、いざ肌を重ねればそれまでの甘え顔から一転、秋を独占したいという執着と「好き」の情熱が溢れ出す雄気のある抱擁へ。肌の温もりを通じて互いの存在をたしかめ合うような、甘く熱い初夜の描写はまさに必見です。

不器用な二人が互いの傷を埋め合い、唯一無二のパートナーへと変化していく過程をじっくりと堪能できる、満足感の極めて高い一冊です。

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2026年08月09日

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