【感想・ネタバレ】どうして英語が使えない? ――「学校英語」につける薬のレビュー

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Posted by ブクログ

先日読んだ『快読100万語!ペーパーバックへの道』に共感したため、同著者のこちらを読んでみました。
いや、なかなか舌鋒鋭いです。日本の学校英語、なかんずく受験英語批判。そしてその指摘のほとんどに「確かに」と頷かされます。日本で教えられている英語は「人工言語」。では、本来の英語を身につけていくためにはどうすれば良いか…
すでに『快読〜』の方にその方法論は書かれていますが、こちらはその「理屈編」というべき内容でした。私は著者の方法論に共感します。

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2015年06月22日

Posted by ブクログ

学校英語・受験英語のおかしさを具体的に指摘した本です。

著者の主張自体はけっして珍しいものではなく、むしろ聞き飽きているといっていいくらいなのですが、英和辞典の硬直した訳語や、森一郎の『試験に出る英単語』(青春出版社)、伊藤和夫と鈴木長十の『基本英文700選』(駿台文庫)などから多くの例を引きながら、その問題点を明らかにしているところなどは、単純に勉強になりました。

ただ正直なところ、受験英語に対する批判のトーンがやや強すぎるのではないかとも感じます。確かに、英語と日本語との間に硬直した一対一対応が成り立っているかのような理解には問題があるのでしょうが、学校英語・受験英語も初歩の段階においては役に立っているのではないかと思うのですが。ただのハシゴにすぎないと割り切れば、それなりに有益だと考えます。

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2017年06月16日

Posted by ブクログ

日本の英語教育は、人工言語のお勉強とキッパリ断言。
言葉は、文化が生み出したもの。文化が違う国の言葉と自国語は1対1対応の言葉や発音はありえない。
身につけるためには、とにかくシャワーを浴びるように英語を聞き、読むことを繰り返すこと。
訳さずにそのまま意味がわかるようにする。そのためには全部わかる必要はない。
60%わかればよいと思って乱読すること。

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2014年06月23日

Posted by ブクログ

少々古くなってはいるが、受験英語の構造的欠陥を指摘した点、やはり出色であった。伊藤和夫、森一郎的受験英語が日本人の英語能力にいささかの寄与もなし得なかったことは何度繰り返されてもいいと思う。

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2013年02月15日

Posted by ブクログ

最初の2/3は、学校英語、受験英語に対する批判。英和辞書における訳語、ニュアンスの違いや、文章から独立して短文のみを扱うことの危険性、型にはめようとする文法等を問題として挙げていた。
後ろでは、どのように学習すれば良いかを挙げており、とにかく英語を聞くこと、聴きながらシャドーイングすることを良いとしていた。また、多読も必要とのことで、簡単な文章から良いとしていた。
カタカナ英語に対する批判もしていて、アルファベットからカタカナにしたレモネードよりも、音をカタカナにしたラムネの方が実際の音に近いので、通じるとしている。

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2011年02月23日

Posted by ブクログ

多読指導で有名な酒井先生の初期の本。全体的な内容が多少古くなったような感じがするが、(特に「学校英語」については、2003年に改正された学習指導要領を見ても「実践的コミュニケーション」が前面に押し出されていることや、それに見合った指導を展開している先生も少なくないので、著者の当時の見解が現代の実態と全く一致するわけではない感じがする。)それでも学校文法や受験英語の弊害や多読・多聴の方法論の話は参考になる部分が多い。
 本書は、「学校英語=人工言語」となっているメカニズムを、英和辞典批判、学校文法批判等を通して分析し、多読・多聴の方法など、それに代わる新しい学習法を提示している。全体的に分かりやすい書き方で、特に方法論の解説は役に立つ部分もあるし、多読をやってみようという気にさせてくれるが、最後の「演習編」は紙幅の都合もあるのだろうが、少し不親切、というか無責任な感じもする。「演習編」は映画「スピード」とTIMEの記事でその実践法を紹介しているが、それらは全ての結果(答え)が分かった先生だからこそできるやり方であって、初心者は、例えばどんな映画を選べばよいか、どんな台詞を聞き取ってまねすれば良いか(つまりあらかじめ英語の台詞が分かっていないといけない。今ならDVDで英語字幕を出せるから良いが)、どの部分が読めれば記事の面白さが理解できるのか、といった肝心な点がよく分からない。映画には方言やスラングもあるし、必ずしもトピックセンテンスを読むだけで記事全体の面白さが味わえるわけでもないし、少し納得できない部分がある。映画や記事を楽しもうとする姿勢には賛同するが、おれならこんな読み方はかえってフラストレーションが溜まってしまいそうだ。
 上記の斎藤先生とは真っ向から対立するような方法論を展開している。リーディングに興味のある人は読み比べてみるのも面白いかもしれない。

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2009年10月04日

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