あらすじ
かつて社会は「大きな物語」に支えられていた。その効力が失われた今、私たちはどう生きていくべきなのか。ゼロ年代に生まれた想像力は新たな物語を提示しえたのか――。文学、アニメ、ゲームからテレビドラマまでを縦横無尽に論じ、停滞する「批評」を1冊で再起動させた、宇野常寛による衝撃のデビュー評論。2008年の単行本版発売以降、3.11後までを総括する4万1千字の語りおろし原稿を追加した文庫版を電子書籍化。
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Posted by ブクログ
タイトルの通りゼロ年代の想像力を中心に90年代くらいからの想像力の変遷を、アニメや漫画、ドラマ、映画、文学などから幅広く析出している。
セカイ系、引きこもり/心理主義、行為ではなく設定でのアイデンティティ承認、サヴァイブ系、ゆるやかな共同体、終わりある日常、母性のディストピア、環境整備を担う大人。
自分に身近なテクストが分析の俎上にあげられており、読みやすく興味深く読み進められた。各章のテーマが明確であったこと、何度も主張が繰り返されることも読みやすさの要因でもあった。
想起したのは東浩紀氏、大澤真幸氏(本書にも言及あり)
次はLPの時代を読もう。
Posted by ブクログ
文化から社会を読む。
オタク文化への文芸的評論。
こういう評論が苦手だった理由を考える。
東に顕著に見られるが、主張を裏付けるための材料を極めて恣意的に選び出していること。
そして本質的に後出しじゃんけんにしかなりえないこと。
それはこの本も例外ではない。
しかしどこかしら、嫌悪できない。
言わんとすることを絞り込んでいるのが誠実に見えるためか。
もう少し寝かせる必要がありそう。