【感想・ネタバレ】青鬼のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

シュン達は化物屋敷と噂されるジェイルハウスの中を逃げ惑っていた。捕まれば、あの化物に食い殺されるに違いない。建物から逃げ出そうと玄関へ向かうがドアは固く閉ざされている。果たして、彼らはこの屋敷から見事逃げきる事が出きるのだろうか……。

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有名な脱出系フリーホラーゲームのノベライズ版。ゲームの青鬼を下地にし、映画や漫画など様々な媒体で活発に発信されていたのは知っていたが、小説が存在していたことは知らなかった。
表表紙と裏表紙を見るとゲームに登場するキャラクター以外に見慣れない登場人物が二人いるのが分かる。ややオリジナル要素が入っているのだなと思い読み始めると、結構がっつり内容が違っていて驚いた。まず、主人公が『ひろし』ではなく表紙にいる黒髪の少年『シュン』だったこと。物語の挿入部も登場人物の設定もだいぶ違っており、青鬼らしさが出てきたのは館にたどり着いた後だった。思わぬ展開に面食らったが、なかなか新鮮で面白い。青鬼は一つのバージョンをプレイして怖くてそれでやめてしまったが、初代からやっている人はニヤリとする設定もあったかもしれない。館の中に入ってからは、青鬼にいつ捕まり食い殺されるかという緊張感が常に漂い、ハラハラしながら読んでいた。原作と違って完全にグロテスクなパニックホラーとして書かれているので、謎解き要素がほぼなかったのが残念だったが、登場人物の背景やどんなことを考えているかという部分が(この小説内の設定で)掘り下げられており、ゲームとは別の意味でのめりこみ一気に読み切ってしまった。
一応結末を迎えたが、残っている謎も気になる点もあり、かつ不穏な終わり方だったので、平和な結末を迎えるまでは遠い道のりのようだ。ゲームのコアなファンが受け入れられる小説かどうかはわからないが、(さらっとやったことがある自分ですら、なんだそれ、となった部分があったので)青鬼を踏襲したこういう作品だと思って読むと十分楽しめると思う。あと、割と人体が徹底的に容赦なく破壊される描写が散見されるのでグロが苦手な人は要注意。そのあたりは原作沿いだったな。

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2021年03月06日

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