あらすじ
忘れられない犬たちがかえってくる。 ひと夏の奇跡を描く「犬を迎える」。幸運を招くという老犬を飼うことになった一家を描いた「招かれざる犬」。幸せだった時間を取り戻すため旅をする犬を静かに描破する「ある犬の物語」。漫画界きっての犬飼い人・石川優吾が描く犬と人が紡ぎだす宝物のような連作集。泣けます。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
猫には、勝手に生きるし、と言う、人間に対して無力である場合もあるが、そうでない場合もあるけど、それは猫の身である我には関係ないし、と言う達観ぶりが感じられるが、犬は、はいはい、人間の為と言う感じでやってあげますよ、と言うおおらかさを感じる。
Posted by ブクログ
犬と人にまつわる連作集。
静かに時間が流れていく様子に、心がじわじわと締めつけられました。
「犬を迎える」
様々な犬と暮らし、別れを繰り返してきたある家族と犬との生活を淡々とつづった話。
犬を通じた家族や人間同士のやり取りが心に沁みました。
「うちのいぬのこと」
ある漫画家の犬との暮らしの記録。
犬に対する特別な愛情表現は無いけれど、優しさを感じる作品でした。
「招かれざる犬」
勤務先の守衛さんが会社で飼っていたヨボヨボの犬を、守衛さんの定年を機に引き取ってきたら・・・
一番好きな話です。
ヨボヨボ、ガリガリで舌も鼻水も出っぱなし、おまけにおならもし放題という汚い犬の描写が見事で、こんな犬を貰ってこられても・・・と困惑する家族に同情出来ます。
「ある犬の物語」
空き缶を拾うのが好きな犬。周りが騒ぎたてたり、環境が変わってもそれは変わらなかった。
犬は何も変わらないのに、周囲の人間の態度だけが変わる。犬の静かな意思表示に胸をぐっと掴まれました。