【感想・ネタバレ】「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもののレビュー

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Posted by ブクログ

子育て支援について、見落としがちだけれど、とても大事なことに気付かせてくれた良書。

筆者は、保育園の経営者として、現在の、サービス拡充偏重の保育環境整備について警鐘を鳴らしている。

保育園のサービスは、一体誰のためのものか。
母親が働くための託児施設であればいいのではない。
子どもの健全な成長を助ける場であるべきだ。

三歳児神話といって、幼少時には、母親がそばにいて、愛情と信頼の絆をきちんと築き、それによって反発や反抗を伴う子どもの自立を支えることが大事。
この深い愛情に支えられた自立心が、他者への興味や社会性を身に付ける根拠となる。

この愛情の絆が欠けたまま、他の子どもたちと接しても、心の奥に不安を抱えたままなので、どこか壁を作ってしまい、上手く社会性を育むことができない。
そんな子どもたちを筆者は何人も見てきたそうだ。

だから、むやみに延長保育や病児保育を整備して、母親と子どもを引き離すのではなく、
むしろ、育児休業期間を延ばしてその間の手当てを厚くし、一緒にいられる時間を増やすべき、
そして、そのことが、小学校での学級崩壊などの現在の教育の問題の根源をなくすことにつながるのではないか、と筆者は言う。

(現在、小学校で起きている学級崩壊は、多分に、就学前に他人への信頼の形成が上手くできなかった子が多いためと考えられるため。)

何年も子どもたちを見てきたからこそ書ける、具体的な事例が盛りだくさんで、とても説得力があった。
将来自分が子育てをすることになるときまで、忘れずにいたいと思った。

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2013年07月25日

Posted by ブクログ

保育に関する様々なデータや論者について学べます。しかし、3歳児神話の肯定的な議論に関しては、エビデンスが不十分と感じるところもあったので注意が必要かと思います。「働きたい親」「働かざるを得ない親」の声は全く出てこないので、偏った主張のように感じるところもあります。

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

利用者目線(親)で便利な保育園が増えていて、保育園は親の代わりに子供を育ててくれる場所と認識している未熟な親が増えている。
便利さを追求し、仕事を優先し子育てを外注したツケは必ず子供の成長に跳ね返ってきて、落ち着きのない子供や不安定な子供が増えることになる。
それはひいては日本の未来に影響してくることで、政府も行政も親も子育ての本質をもう一度考え直さなければいけない。

犬猫だって生後50日程度は親から引き離すと凶暴になってしまうので親元に置いておくことという法律がある中で、人間だけ大丈夫なわけがない。
オランダなどは養育中は父、母2人で1.5人分(12時間)以上の働き方はしないように決めている。(父が8時間なら母は4時間まで。父が6時間、母が6時間まで、など)

政府も女性の社会進出ばかりを応援するだけでなく、子供を預けて長時間労働しなければ生活していけない現状を見直すべき。

保育士さんの給与や保育園に対する予算がどんどんカットされていく中で営利目的の保育園も増えていて、子供目線のいい保育所というのは少ない。園庭もなく、人手不足目の行き届かない保育園も多々ある。
やはり3歳までは親元で愛情を込めて育てることが必要。
子供が0歳なら、その親も親として0歳。ともに成長することで信頼関係が構築されていく。親が親として成長する大事な機会を極力外注すべきではない。


保育園に預ける前にこのような本に出会えてよかった。
やむを得ない事情がない限り安易に3歳未満の子供を預けることはやめようとおもった。

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2019年11月22日

Posted by ブクログ

保育園は保護者向けサービスではない!親とともに子どもが育つ場所。

安易な知識で女性の社会進出は大事で、待機児童ゼロ施策は急務と思っていたけど、もっと親子が向き合える関係が築ける社会を考えて行くべき、と思った。企業のワークライフバランスは心身の健康のためと認識してたけど、家族のあり方について自分なりに考えて、バランシングすべきやね。しかし、会社はそんなことを支援できるだろうか。知的生産、ワーカー、サービスなどの職種特有の働き方、自身のキャリアパス、全てが円滑に行く方法なんてあるのだろうか。難しい問題だろうけど、お金の問題、時間の問題、本人の意識の問題など、問題を切り分けて、少しずつ解決するしかないのですかね〜。

私はもうすぐ親になります。この本に書かれていた親子の関係を大事にして、もう一度自分の人生観、ワークライフバランスを考えてみようと思います。妻と話し合いながら、少しずつ親として成長して行きたいと思います!

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2014年03月31日

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