あらすじ
魔法も怪物も『おとぎ話』の現代日本に、突如ダンジョン発生!? 更に覚醒者という不思議な力を操る者達まで現れて社会は大混乱!
そんな中、矢川京太(やがわきょうた)もひっそりと覚醒者の仲間入りを果たしていた。平凡を絵に描いたような彼の力は、どうやら色々と特殊なようで……?
雑に強い系覚醒者として『冒険者』となり、クセつよ美少女達とパーティを組んだ彼を待ち受けるのは、果たして栄光か、破滅か……!
「へーい!テンション上げてこうぜ京ちゃん!忍者最高!忍者最高!」
「そうだぞ京ちゃん君!バイブス上げたまえYO!」「やかましいですよ自称忍者と残念女子大生!」
……少なくとも、騒がしいものであるのは間違いない。
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匿名
地に足がついた現代ダンジョン
WEB版も読了読者の感想。
ある日突然「ダンジョン」と異能に目覚めた「覚醒者」が現れた現代日本が舞台。
現代ダンジョンが題材にした小説は珍しくはないが、この小説の特徴はリアリティと文章力だろう。
ダンジョンが現れたのが何故か日本のみ、「覚醒者」は学校のクラスに1人程度の割合という設定。そのため諸外国からの圧力、「覚醒者」の引き抜きとそれに対応する日本政府や、「覚醒者」と「非覚醒者」の溝・分断などが、くどくないリアリティに落とし込まれて、主人公を取り巻く環境として描かれている。
地の文がほぼ会話のみで、風景や周辺環境置いてけぼりで進行する小説も多い中、この小説は世界観が書き込まれている。戦闘の描写力もかなり高く、特にボスモンスターの「あ、これヤバいやつ」感は作者の力量が中々に高いことを感じさせ、先へ先へと読ませる。
この小説は美少女が出てきてもイチャイチャしない。主人公は強いが最強ではないし、そのコミュ障気質から、法律や道徳から外れないよう慎重だ。ヒロインに対しても周囲に対しても積極的になれない。また広く世間から賞賛されたりヒーロー扱いされたりもしない。いわゆるハーレムオレツエー展開や、ひたすら好き放題するチート主人公を期待すると肩透かしを喰らうだろうし、それらが好きな読者からはかなり点が辛くなりがちだろう。
だがむしろそれらに飽きた、という方には本作をお勧めしたい。激変する世界に戸惑いながら、一歩一歩進んでいく「地に足がついた」小説が本作だ。ちょうどいいリアリティや重さをお求めの方には、さくりと刺さる一冊ではあるまいか。私はこういうのかなり好き。
WEB版は本編が完結しているため、書籍化も是非そこまで行って欲しい。