【感想・ネタバレ】初恋のイケメン従兄がオス全開の独占欲で私に迫ってきますのレビュー

あらすじ

従兄の秀一にずっと片思いをしている真白。けれど想いは届かないまま……。そんなある日、海外勤務だった秀一が二年ぶりに日本に帰ってきた。秀一は、幼い頃に真白が作った「なんでも言うことを聞く券」を持ち出し、戸惑う真白との同居を強行。あげく、真白からのキスまで求めてきて……。好きな人と同居!? 朝晩のキスに、エッチなお仕置き!? いったい何が起きているの!? ――初心な乙女と、自分の気持ちに気づくのに遅れて焦り気味のイケメンの、トキメキラブ生活! ※電子版は単行本をもとに編集しています

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Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い頃から従兄の秀一に想いを寄せてきた真白。

けれど、その気持ちはずっと自分だけの片想いだと思っていました。

そんな中、海外勤務をしていた秀一が二年ぶりに帰国。

再会した彼は、以前よりさらに魅力的な大人の男性になっていて、真白は当然のようにまたドキドキさせられてしまいます。

ところが秀一は、幼い頃に真白が渡した「なんでも言うことを聞く券」を今でも大切に持っていました。

しかも、その券を使ってまさかの同居を要求。

子どもの頃に渡したものなのに、裏には「∞」と書かれているため、実質無制限。

「そんな昔の券、まだ持ってたの!?」と思いながらも、それをずっと取っておいた秀一の執着というか、真白への想いが最初から垣間見えるのがとても良かったです。

そしてこの作品、個人的には本当に好きな要素が全部詰まっていました。

まず秀一がとにかく格好いい。

仕事もできて、海外勤務までこなすハイスペックな男性。

普段は落ち着いていて余裕があり、大人っぽいのに、真白のことになるとその余裕が少し崩れる。

他の男性に取られるかもしれないと焦ったり、独占欲を隠しきれなくなったりするところに何度もキュンとしました。

真白に対してはかなり強引な部分もあるのですが、不思議と嫌な強引さではありませんでした。

むしろ「もう離すつもりないんだな」と分かるくらいの勢いが心地よく、個人的にはかなり好きなタイプのヒーローでした。

しかも、秀一目線の場面があるのも良かったです。

真白はずっと自分だけが片想いしていると思っていますが、読者側は秀一がいつ頃から彼女を特別に想っていたのかを知ることができます。

そのため二人の間には多少のすれ違いがあっても、「大丈夫、この人めちゃくちゃ真白のこと好きだから」と分かった状態で読める安心感がありました。

特に幼い頃のエピソードがとても好きでした。

真白は子どもの頃から、両親が旅行などで家を空けることも多く、一人で寂しい思いをすることがありました。

そんな時にそばにいてくれたのが秀一。

ただの「昔から知っている相手」ではなく、真白が寂しかった時間に寄り添ってくれた人だったという背景があるからこそ、彼女がずっと秀一を好きだったことにもすごく納得できました。

二人は従兄妹という立場ではありますが血の繋がりはなく、それでも長年家族のような距離で過ごしてきた相手。

子どもの頃から積み重ねてきた時間があることで、再会から始まる恋にもちゃんと深みがありました。

そして真白も、とても好きなヒロインでした。

最初は初心で秀一に振り回され、彼の言動にいちいちドキドキしている姿が可愛いのですが、決してただ守られるだけの女性ではありません。

秀一がそばにいてくれるようになったことで、今まで見ないふりをしてきた自分自身の気持ちとも少しずつ向き合うようになります。

特に両親との関係が印象的でした。

真白はずっと「いい子でいなければ」と思い、自分が寂しいことや傷ついていることを我慢してきたのだと思います。

両親に対して言いたいことがあっても飲み込み、嫌なことがあっても自分が我慢すればいいと思ってしまう。

けれど、秀一が隣にいてくれることで、少しずつ「自分の気持ちを言ってもいいんだ」と思えるようになっていきます。

終盤で両親が登場した場面では、正直かなりモヤモヤしました。

大切な場面にも遅れてやって来て、そのうえ友人まで連れてきてしまう。

しかも、そのことをあまり悪いと思っている様子もなく、謝ろうともしない。

ここまで来ると、真白が幼い頃から寂しい思いをしてきた理由も分かる気がしました。

さらに、真白がずっと秀一を好きだったことを周囲の親戚たちは知っているのに、両親だけが何も知らず驚いていることにもびっくり。

それだけ娘のことを見ていなかったんだなと思うと、少し切なかったです。

それでも真白は、そこで初めて自分の中に溜めてきたものをきちんと伝えます。

「それは良くない」と思っていたことを言葉にして、今までのようにただ我慢するだけでは終わらない。

その成長がとても良かったです。

そして最後には、そんな両親に対しても「育ててくれてありがとう」と伝える。

傷ついたことをなかったことにするのではなく、言うべきことは言ったうえで、感謝できる部分にはきちんと感謝する。

真白の優しさと強さが表れている場面だったと思います。

また、秀一に想いを寄せる女性が登場した時の真白も良かったです。

以前の真白だったら、自信をなくしてその場から逃げてしまっていたかもしれません。

でも二人の気持ちが通じた後だったこともあり、今回は逃げずに相手と向き合います。

しかも、ただ感情的になるのではなく、言うべきことをきちんと伝えているのが気持ちよかったです。

そしてその後に秀一がちゃんと来てくれるのも最高でした。

何より良かったのが、秀一が最初から真白を信じてくれるところ。

変な誤解をしたり、相手の言葉に流されたりせず、まず真白を信じる。

さらに自分の気持ちも曖昧にせず、言葉にして伝えてくれる。

そこが本当に格好良かったです。

こういう場面でヒーローが余計なすれ違いを起こす作品もありますが、秀一はそこがない。

「真白が一番大事」という軸が最後までぶれないので、安心して好きになれるヒーローでした。

甘い場面の量もちょうど良く、二人の関係の変化を楽しみながら読めました。

独占欲はかなり強いのですが、真白への愛情が前提にあるので、ただ支配的な印象にはなりません。

普段は余裕のある秀一が、真白のことで少し焦ったり、余裕をなくしたりする姿が見られるのも良かったです。

個人的に好きだったのが、同居していた頃に、寝る前などに二人でその日の感謝を伝え合う場面。

派手な出来事ではないのですが、こういう何気ない時間がすごく素敵でした。

「今日もありがとう」と言葉にする習慣って、相手を大切にしていないとできないと思います。

甘い場面や独占欲の強さだけでなく、こういう小さなやり取りからも、二人がお互いを思いやっていることが伝わってきました。

そして最後の「なんでも言うことを聞く券」。

物語の始まりでは、幼い真白が秀一に渡した券を彼が使い、二人の同居が始まりました。

それが最後には、今度は秀一から真白へ渡される。

しかも、もちろん無制限。

最初に出てきたものが最後にもう一度戻ってくる展開が本当にずるいです。

ただの可愛い小道具だと思っていた「なんでも言うことを聞く券」が、二人の長い関係そのものを象徴するようなアイテムになっていて、とても好きな終わり方でした。

子どもの頃からそばにいてくれた人。

寂しい時に一緒にいてくれた人。

ずっと片想いだと思っていた相手が、実は自分以上に強い気持ちで自分を求めてくれていた。

そして、その人と一緒にいることで、真白自身もずっと言えなかったことを言えるようになり、自分の人生や家族と向き合えるようになる。

秀一の一途さや独占欲はもちろん魅力的でしたが、それだけではなく、二人が一緒にいることでお互いにとってより良い存在になっていくところがとても良かったです。

読んでいて「ここが惜しい」と感じるところがほとんどなく、最後までしっかり満足できました。

秀一はハイスペックで頼れて、一途で、強引なのに真白をきちんと尊重し、必要な時には絶対に彼女を信じてくれる。

しかも普段は余裕があるのに、真白のことになると少し焦る。

個人的にかなり好きなヒーローでした。

真白も可愛らしいだけではなく、物語の中できちんと自分の気持ちと向き合い、強くなっていく素敵なヒロイン。

幼い頃から続いてきた二人の関係が、ようやく恋として実を結んだことが本当に嬉しかったです。

甘さ、一途さ、独占欲、幼なじみのような長い関係、そしてヒロイン自身の成長まで楽しめて、文句なしに大満足の一冊でした。



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2026年10月24日

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