あらすじ
【デジタル版限定!「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページを完全収録!!】獣民(じゅうみん)が住む星で架空の存在とされる「ヒト」。頭部以外にほとんど体毛を持たない姿で奇妙がられているが一部のケモたちの中にはヒトを愛好する「ヒトナー」がいた。そんな架空の存在だったヒトが突然空から降りてきたことで獣民たちに動揺が走る。初めて見るヒトの謎の生態、そして男がやってきた目的とは一体…!?
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Posted by ブクログ
未知との遭遇。異種族異文化交流SF日常譚とでも言ったらいいのか。何はともあれ屋宜知宏さんお帰りなさいの「ヒトナー」。しかし作風変わりすぎてやしませんか。初読の印象はそれです。名前確認したし。「アイアンナイト」「レッドスプライト」のダークな冒険譚とは全然違うので、びっくりでした。
獣人が生息する惑星に突如降り立った人間。ヒトと呼称されるカナシマヒトシとの交流を描いているのですが、トネリコ女史の私情MAXすぎやしませんか、とは思う。一方で、未知の生命体であるカナシマへの潜在的危機を忘れてはいない存在もいるので、どんな物語になってゆくのだろうか、と期待と不安です。
先住の獣人たちケモとヒトとの異文化交流をほっこり描くのか。
文明間の格差から生まれてしまう争いを、容赦なく描くのか。
これまでの作風から考えると、先進的な異文化の流入によって戦乱のきっかけになってゆく、みたいなこともあったりするのかな、なんて思ってしまいます。要所要所に争いの基となる不穏な思考のケモは存在しているしね。
幸いなことに、知識の独占よりも公開と平等を重んじているケモたちが主流である現状なので、綱わたりではあるけど、平穏な日常を送れているカナシマヒトシであります。未知の生命の研究対象として、保護観察の超VIP扱いではありますが。
入院時の女医さんのヒト評。
『アレは自分以外の種族を完全に排除した環境でようやく健康でいられる存在』
ヒトという種族評として言い得て妙ではある。
ヒト。
この言葉が、個人を指すのか、種族を指すのか、で印象が変わってきてしまう。トネリコ女史はヒトシ個人を優先。他のケモたちは、おおまかに種族としてを優先して関係を築こうとしていますね。その狭間から生まれるギャップが、トネリコ女史の私情MAXに現れていて彼女の行動力となり、際どい綱渡りをクリアさせる原動力になっているような気がします。
宇宙船のAIはハルコさんだそうで。トネリコ女史は恋人と疑っていましたが、まあ超々高性能の人工知能なんでしょう。ヒトである以上、HAL9000由来のネーミングからは逃れられないのだな、という面白みを感じました。地球文明は崩壊しているらしいので、最後の地球人類のヒトシには小ネタでも残してくれるとありがたいですな。