あらすじ
お金がなくて、夫婦仲が悪い。子どもの頃は、この両親の元に生まれたことが失敗だった、と思っていた。だから、転職を繰り返しながら、30歳までに一人で暮らしていける基盤を作ろう、と心に決めた。「これから私、どうなるかしら」と不安になることもあったけど、まあ、何とかなるだろうとやってきて、欲しかった着物も買えるようになった。家族から高額なローンを背負わされ、ネコの下僕となって生きているうちに、いつの間にかシルエットが老女の気配を帯びてきた。
自分が思うようには相手を変えられない、身内でもいやな人物からは遠ざかるのだ。
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Posted by ブクログ
群さんの新刊は書き下ろしエッセイ。
タイトルから物哀しさが漂い、既読エッセイで語られた家族との確執が再び描かれるのではと身構えながら手に取った。
けれど本作では子ども時代の記憶や恋愛、転職に纏わるエピソードなども綴られ、新鮮な気持ちで読み進めることができた。
ただ、「子どものときにいちばんの失敗だと思ったのは、両親の下に生まれたことだった。」という一文には胸が痛む。
家族の形は本当にそれぞれで、誰もが同じ温度で守られて育つわけではないことを思い知らされる。
今年72歳を迎える群さんが穏やかな日々を過ごせますように。