【感想・ネタバレ】努力家の先輩に『恋人の練習』をさせていたら、天才の私だけが本気になってしまった話 ふたりきりの放課後、秘密の演技指導【電子特典付き】のレビュー

あらすじ

「ファーストキスを、舞台に捧げてはいけないよ」
天才女優と称されるわたし・氷上沙凪は、高校に通い始めた。高校とは、青春だ。台詞以外で口にしたことのないその言葉は、濁音を含んでいないのに舌がざらつくような不快な感じがする。だから、一人の放課後に突然押しかけてきた演劇部部長・日野朱莉に演技指導することも、乗り気ではなかった。
日野朱莉、先輩。脳裏にちらつく黒髪。犬の尻尾を幻視するようなポニーテール。一生懸命演技をすれば、必ず観客に届くと信じている無垢さ。日常に不慣れなわたしを見守る表情に、触れ合った時に香る、制汗剤の匂いまで。先輩は、不快だった。不快だった、はずなのに。【電子限定!書き下ろし特典つき】

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ファーストキスを、舞台に捧げてはいけないよ」なんと素敵な言葉なのでしょうか。この言葉こそが、本作品(少なくともこの回の)本質ではないだろうかと思いました。天才女優・沙凪と俳優を目指す努力家の朱莉先輩との、演技指導を通じた交流を描く本作品。一貫して沙凪の視点で描かれるので、彼女の思考を読者はトレースできるものの、朱莉先輩のそれは文章で語られたものから感じ取るしかありません。そんな作品の構成が巧みでした。だから、最後に二人の相手に対する思いの真実を知り、とても切なくなってしまいました。これは傑作。

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2026年09月05日

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