あらすじ
「お前のことが心配で早く終わらせてきたんだ」
「絶対、子供の頃より過保護になってる……」
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子供の頃から一緒にいる藤と海。
現在は藤の束ねる組織で一緒にスパイをしている。
しかし、過保護で愛の重い藤は任務中でもなかなか海から離れられず……。
Xのフォロワー数17万人超えの著者が描く愛執BL、描き下ろしを加え、フルカラーで待望の書籍化!
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Posted by ブクログ
〝ごめん海…お前を前にすると抑えがきかなくなるんだ…(藤)〟
Eros度★★★★★
おやおや。これはなんとも愛の重たい幼なじみ BL……! 「再会」という言葉の裏側に、幼い頃から積み重ねてきた時間と、離れていたからこそ強くなった想いが凝縮されていて、藤と海の関係性にぐっと引き込まれます。
本作の魅力は、何より藤の愛執の深さ。組織を束ねる立場で、スパイとして危険な任務にも臨む藤なのに、海のことになると途端に過保護になる。このギャップがたまりません。任務中ですら海を心配し、早く仕事を終わらせてしまうほど。強さや冷静さを持つ人物だからこそ、「海から離れたくない」という感情の剥き出しさが際立っています。
そんな藤の「ごめん海…お前を前にすると抑えがきかなくなるんだ…」という言葉には、単なる欲情だけでは片付けられない切実さがあります。海を守りたい、そばにいたい、独占したい。さまざまな感情が絡み合い、愛情が強くなるほど自分自身でも制御できなくなっていく。その危うさこそ、藤というキャラクターの大きな魅力だと思います。
一方の海も、ただ藤に振り回されるだけではありません。「絶対子供の頃より過保護になってる」と呆れながらも、その重すぎる愛情を受け止めている。藤の変化を理解しながら、幼い頃から続く関係性そのものを大切にしているように感じられるところが愛おしい。
特に胸を締め付けられるのが、藤の「お前がいなければ、生きる価値などない」という極端なまでの想い。守ることと縛ること、愛することと依存すること。その境界が曖昧になるほどの愛執が、二人の関係を甘いだけではないものにしています。
そして「僕はお前とのふたりきりの時間が何よりも好き。少しだって離れたくない…」という言葉も印象的。危険な世界で生きる藤にとって、海と過ごす時間がどれほど大切なのかが伝わります。幼なじみから再会、そして現在へ。過去から現在へ続く二人の関係性が、ストーリーの軸としてしっかり機能しているのが素敵です。
濡れ場もかなり濃密ですが、単に色気を楽しませるだけではなく、藤の独占欲や海との距離の近さがそのまま触れ合いに表れているのがポイント。愛情と執着が絡み合った二人だからこその熱量があります。
危険な任務と甘く濃密な二人きりの時間。その落差も含めて、重たい愛に包まれる幼なじみBLが好きならぜひ味わいたい一冊です。