あらすじ
4回のホイッスル 君と僕だけの合図――
水族館でイルカトレーナーとして働く“イルカ王子”こと色分南は、とあるトラウマが原因で、長い間イルカと跳ぶことができずにいた。
ある日、気分転換に訪れた浜辺で、シャチのような存在感を放つセーリング選手・社地進と出会う。
きっかけは、ライフセーバーの資格を持つ進が、砂浜にうずくまる南を助けようと声をかけたことだった。
勘違いから始まった関係だったが、オリンピアン候補の進もまた成績に伸び悩んでおり、壁にぶつかりながらも前を向こうとする互いの姿に、二人は少しずつ惹かれ合っていく。
南は、海辺で進を見つけた際は「4度ホイッスルを鳴らす」ことを約束し、いつしかそれが、二人を繋ぐ絆となり――。
《収録内容》
◆『シーサイド・コール』1~5話
◆描き下ろし3P
◆電子限定描き下ろし漫画
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「いつか自分も自信をもって進の背中を押せるような存在になりたい(南)」
〝You've been waiting for me for a long time. I should have faced your voice earlier.〟
Eros度☆
おやおやおや……! むないた先生の最新作『シーサイド・コール』に、魂ごと飲み込まれてしまいました。
水族館の“イルカ王子”こと色分南が抱える深いトラウマ——「跳べない」心の沈黙が、波のように胸を打ちます。あの浜辺で出会った社地進の、シャチのような逞しさと優しさが、南の閉ざされた世界に最初の「コール」を響かせる瞬間から、物語は一気に加速。
勘違いから生まれた関係が、互いの壁を優しく溶かし、対等な絆へと育っていく過程が、ただただ尊い。
特に心を震わせたのは、二人の感情の機微。南の微かな視線の揺らぎ、進の力強い眼差しに宿る慈しみ。
4回のホイッスルが、二人の「呼ぶ声」と「応える心」を象徴するように、物語の随所で静かに、しかし確かに輝く。
海風、水しぶき、波音が感情を増幅させる作画も相まって、ページをめくる手が止まりませんでした。
むないた先生の真骨頂である、日常の積み重ねの中で育まれる本物の熱。『相対フライトサイン』などこれまでの作品とも通じるキャラクターへの深い愛情が、本作でさらに昇華されています。トラウマ克服と成長、抑えきれない情熱の交錯——読後、心が温かく満たされる、至高のマリンBLです。