【感想・ネタバレ】雑司ヶ谷の朝食屋 きつね ~ふっくらお揚げのきつねご飯~のレビュー

あらすじ

祖母の死後、雑司ヶ谷の朝食屋を継いだ悠佑。だが、店には閑古鳥が鳴く日々だった。
「腕はいい。でも、君のそういう性格が、客を遠ざけてるんじゃないか」
元常連の小宮山にそう告げられ、悩みもがく悠佑。そんな店に、事情を抱える訳ありの客が少しずつ集まり始める。
彼らと甘辛いきつねご飯や、焼き魚とたっぷり野菜の味噌汁を囲むうち、悠佑は人が求める温かさに気づき――。
これは、傷ついた心が美味しい朝食とともにほどけていく、心の再生の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これだけ生真面目で考えすぎていると、生きていくのがしんどそうだなと、今回の主人公に最初に抱いた感想がそれだった。
それゆえ、料理は上手なのに、雰囲気が悪くてお店に人が寄り付かない。
決して接客態度が悪いという訳ではなく、生真面目さから出てくる緊張感や切羽詰まった感じが伝わって、居心地が悪いという。
折角料理は上手なのに。

そこから段々とお客さんや地域の方たちとの触れ合いを通して居心地のいいお店になっていく成長物語。
そして、亡き祖母のお店で「自分が目指すもの」を見つけていく物語でもある。
最初は頼りなさげだった主人公が、困っている人に寄り添えるようになるところは、読んでいて「よくぞここまで」と思えたほど。
常連さんも出来てきて、最後はほっこりできてよかった。

ここまで人を安心させられるのは、彼自身が本来持っていたポテンシャル。
本人はまだ無自覚なところもあるが、兄では持てなかったそのポテンシャルを、今後もお狐さまが見守るこの店で発揮してほしいところ。
お兄さんがね、これまた気難しい人で、弟くんとは別の意味で生きづらそうな人だなとは感じた。
自分の価値観に縛られていると、失うものがあるぞ。
幼馴染のように。

兄弟と幼馴染の女性のもどかしい三角関係も見どころ。
兄には最初から価値観の違いで勝ち目はなく、弟くんこと主人公は、兄には敵わないからと最初から少し諦めていて、でも女性は兄のことをさっさと見切りをつけていて、弟くんの方を向いているのに気づいてもらえないという。
もどかしい!

ただこの先は、弟くんに余裕が出てきたし、約束もしたし、ぜひ2年と待たず引っ付いてほしいなと切に思う。
というか、彼には報われてほしいのだ、本当に。

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2026年07月10日

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