【感想・ネタバレ】女性たちのデザイン史 Women in Design 1900 年代から現代まで、建築、手工芸、グラフィック、テキスタイル、ファッション、インテリア、プロダクト…… デザインの歴史に女性たちの姿を探してのレビュー

あらすじ

新たな「デザイン史」を編み直す ー かつて、女性がプロのデザイナーとして働く道はほとんど閉ざされていた。

建築、装飾、手工芸、グラフィック、タイポグラフィ、テキスタイル、ファッション、インテリア、プロダクト……広範なデザイン分野における1900年代から現代までの女性たちの実践と貢献を、歴史の中に位置づけ直す新たな「デザイン史」の入門書。教育や職業上の高い障壁を乗り越えた女性たち、男性のスターデザイナーを舞台裏で支えた女性たち、性別分離された職域の中で活躍した女性たち、新たな時代にブランドを築き上げた女性たち、男性パートナーと協働した女性たち、デザイン・アクティビズムを実践した女性たちの仕事・活動を、150点超の図版(フルカラー)とともに紹介する。巻頭には、グラフィックデザイナーの長嶋りかこ氏、キュレーター・研究者の根来美和氏による特別寄稿を掲載し、日本語圏の読者に向け、この新たな試みに、さらなる展望を加えた。

● 本書で言及される、女性たちの一部: メイ・モリス/シルビア・パンクハースト/エルシー・デ・ウルフ/ココ・シャネル/エルザ・スキャパレリ/ソニア・ドローネー/アイリーン・グレイ/シャルロット・ペリアン/アイノ・マルシオ=アアルト/アニ・アルバース/マリアンネ・ブラント/マリオン・ドーン/フローレンス・ノル/リナ・ボ・バルディ/マイヤ・イソラ/マリー・クワント/川久保玲/ヴィヴィアン・タム/ポーラ・シェア/ミュリエル・クーパー/ザハ・ハディド/シーラ・ルヴラン・ド・ブレットヴィル/ネリ・オックスマン……

「改めて知る、デザイン史における女性たちの活躍に深い感慨と畏敬を抱いた。」 ー 大島依提亜 推薦

ブックデザイン: 福岡南央子 woolen
原書:Thames & Hudson刊行 『Women in Design (World of Artシリーズ)』

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Posted by ブクログ

最初、読み進めるのが結構辛かったです。なぜなら知らない名前が次々と記され、そのカタカナをちゃんと読むのか、文字面だけを見て読み飛ばすのかペースが掴めなかったからです。まるで戦没者や災害の慰霊碑に記された人名を読むのか、眺めるのか、みたいな状況に近いかも。でもそれこそが本書が生まれた意味だと気づいて、そこからこの本の読み方が掴めたように思います。さらに後半に行くにつれ、知ってる名前も増えてきてどんどん読み進めることができました。そうなんです。この本ってデザインの歴史においての”hidden figures"(映画「ドリーム」の源題。)である女性たちの仕事を明らかにし後世に残すための「記念碑」なんだと思います。以前、光文社新書『アートとフェミニズムは誰のもの?』を読んだ時に、ジャクソン・ポロックとリー・クラズナーの関係を初めて知りましたが、デザインの世界においても男性の陰に隠れた「クラズナー」がいっぱいなのです。光の当たる石をひっくり返したら栄誉を受けれなかった隠された才能が溢れていて、それらがなければ男性デザイナーたちの栄光はなかった、というメッセージでもあります。その歴史が建築に対してインテリアやテキスタイルから始めざるを得なかった、という視点もデザインの見方を幅広くしてくれました。クラフトとデザインとアートとファッションとビジネスと、そしてソーシャル、さらにはテクノロジーと、動き続けるデザインの可能性。『女性たちのデザイン史』を見つめることは過去への眼差しであるだけではなく、未来へのパワーなのだと思いました。最終章のデザイン・アクティビズムはデザインという言葉の意味を大きく拓いてくれます。途中で読書放棄しなくてよかった!

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2026年08月05日

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