【感想・ネタバレ】死刑囚と家族になるということのレビュー

あらすじ

死刑囚と獄中結婚や養子縁組した女性たちの手記! 彼女たちはなぜ敢えて死刑囚と家族になったのか

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Posted by ブクログ

死刑確定者の「獄中結婚」あるいは「獄中養子縁組」が意外と多い。それは、刑が確定した死刑囚は、家族と弁護人以外は基本的に接見禁止となってしまう。だからそれでも確定後に接見したいとなると、獄中結婚か養子縁組するしかないことをこの本を読んで知った。

第一章 オウム幹部と獄中結婚した妻たち
第二章 やまゆり園事件・植松聖死刑囚との獄中結婚
第三章 連続リンチ殺害事件死刑囚との養子縁組
第四章 附属池田小事件/首都圏連続不審死事件/寝屋川事件/他

第四章まではそれぞれの死刑囚との拘置所での接見した時のやり取りと、獄中結婚や養子縁組した経緯がかかれています。それから死刑囚の生い立ちや人となりが書かれています。

最後の解説「死刑制度が抱える矛盾と死刑をめぐる現実」を読んで、自分は死刑制度について何も知らなかったことに気がついた。
それから、死刑制度については今後日本が考えなければならない大事なことだと思った。

被害者や遺族の気持ちを考えたら、死刑制度は存続すべきと思っていた。でも、遺族の思いを量刑の理由にするならば、遺族が一人もいない人が被害者の場合はどうなるのか。例えば、天涯孤独に人が殺されて友人や身内が誰もいない場合は加害者の刑は軽くていい、ということになってしまう。

死刑が確定してしまうと死刑囚は家族と弁護人意外の人とは接見禁止になってしまう。死刑囚は抵抗の術をすべて奪われているのにも関わらず、外部との接触を絶たれてしまうことは死刑囚にとっても、社会にとってもマイナスな事ではないのだろうかと思った。それにより犯罪の動機や死刑囚が拘置所で何をして何を考えて生きているのかが表に出てこなくなってしまう。

死刑制度は死をもって償うということだが、加害者が死ぬことで被害者が生き返るなら償うことになると思うが、被害者が元に戻らないならそれは償ったことになるのだろうか。
 
非当事者の私たちは凶悪事件をニュースで目にしたとき、先ず遺族の気持ちを考え加害者を憎んだりする。でも、心の底から遺族の気持ちを共有することは出来ない。
加害者に死刑という刑が確定することで、遺族の気持ちを共有したと非当事者は錯覚しているのではないだろうか。

前にも書いたが加害者の死刑が確定してしまうと家族と弁護人意外の人とは接見禁止になってしまうが、犯罪の動機や死刑囚の後悔や考えが表に出てこないことは、事件の風化を早めると思う。

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2025年09月21日

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