あらすじ
私たちを支配する「苦しさ」には単純な原因があり、対処する方法がある。
本書では仕事、人生、社会で即実践可能な「経営学の道具立て」である
価値創造三種の神器を解説。
気鋭の経営学者にして経営者による最新提言!
【目次】
はじめに――誰もが「みんな苦しい」の謎
第一章 私たちの苦しさの正体は何なのか?
第二章 奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?
第三章 他者と創り合える未来はひらけるか?
第四章 どうすれば対立は乗り越えられるのか?
第五章 私たちはどうやって進歩していけるのか?
第六章 人と組織が変わる意味はあるのか?
第七章 これから社会と世界はどう変わっていくのか?
第八章 私たちが今日からできることは何か?
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Posted by ブクログ
日本企業はなぜ強みを捨てるのか、から注目してる。これで4冊目。たしかに集大成的な本
そして、店舗ビジネスやってると当たり前のように生じる人と人のいざこざ、足の引っ張りあい、不平不満の数々…民度が低いとかなんとか言うのは簡単だけど、その解決策はほぼ分断、遮断のように思える。
これを普及布教して、なんらか変わるのか。
ついてくるのかわからんけど、一歩ずつやってみようかと思う。
Posted by ブクログ
哲学的な2つの考え方を補助輪にして、世の中の価値は有限であるという思考から無限であるという思考へのシフトを促す内容。
確かに金や石油といった資本は有限であり、そこに執着すると常に他社と競争して奪い合わなければいけないという思考になる。
一方、人間が創り出す仕事や仕事の進め方については、考え方を工夫すれば無限に生み出せるもので、本書ではそのための3つの思考法が解説されている。
カントの定言命法では、自分が使用する思考については、他の人がそうした場合に自分も幸せになれるような思考を取り入れることが勧められる。
価値が有限だという思考では、常に他社に奪われてしまうかもしれないという疑心暗鬼と隣合わせ。
また、知行合一は知っているということは、それを実践できて初めて言えることという意味。本書で出てくる、価値無限思考になるための3つの思考法も実生活の中の具体例を通して実践することで、初めて知っているということが言える。
Posted by ブクログ
『世界は経営でできている』の著者、岩尾俊兵氏による、
最新かつ渾身の書き下ろし。
あまりに熱がこもっていて、
「全体主義的になってしまうのでは?」
と少し懸念してしまうほど。
しかし、内容をしっかり読めばわかるが、
あくまでも思考道具として、人間の脳と身体を使って価値創造をしていくための簡便で分かりやすい方法を提示しているだけであり、
特定の思想や主義を読者に強要するものではないことが読み取れる。
変な言い方をすれば、どんな人でもその人自身のために活用できるツールであるから、
どんな思想や信条の持ち主でも同じように役立てていくことができる。
ただし唯一、「同じ人類として共存する気持ち」がまったく無いような思想の人にとっては
ナンセンスかつ無意味な内容になっている。
多少なりとも協力しながら物事を成していく気持ちのある人なら、
たとえ相反する思想の持ち主でも同じように活用できる簡便な思考道具を提供しているところは
特筆すべき点ではないかと思う。
著者の言う「経営学」の定義が、
どれくらい一般的なものなのか浅学な私にはわからないが、
少なくとも著者が提示する3つの方法、
・未来創造の円形
・問題解決の三角形
・七転八起の四角形
は、どれも私自身の例で実際に試してみたら
とても簡単に、脳のエネルギーをあまり消耗せずに具体的な決断や解決策、視点の切り替えが出来た。
ちょうど、コミュニケーションにおける「記号言葉」に似ている、と感じた。
会社の事務所で電話を受け取った時の
「いつもお世話になっております」
などが記号言葉の代表例だが、
特に気の利いた挨拶を考えなくても会話を始めることができるため、脳のエネルギーの消耗を節約するのに貢献している。
同様に、著者の岩尾氏が提唱する3つの思考道具は、
内省したり、解決策を考えたり、視点を切り替えたりする必要がある時に、
決まった方法と手順で描き(書き)進めるだけで
自動的に建設的な方向に思考が進んでいくようになっている。
数学で言うところの方程式のようなものだから、
事例や場面を選ばず、
また個人レベルから組織における意思決定レベルまで、
幅広く活用できる。
とてもシンプルで、
素晴らしい提唱をされていると思いました。
かなり思い切った主張をされているので、
各業界から多くの反発を招くことが予想されますが、おそらく、この著者の性格からして既に想定済みなのだろうと感じました。
まずは私も、この3つの思考道具を、
これからの日々の中で活用してみようと思います。
発見や不備など、気付いたことがあれば、
その際は改めて追記いたします。
Posted by ブクログ
タイトルから「経営者を教育し直す」もしくは「経営的思考を教育に取り入れる」的な内容かと想像しながら読み始め。ところが最初は「世の中には漠然とした苦しさが溢れている」という内容から始まり、「あれ、想像と違った本を借りちゃったかな」と思いきや、そこから「他者と自分とを同時に幸せにする道を見つけ出す価値創造の哲学や方法」についての内容に進んでいった。世の中が多様化する現代では「白か黒か」ではなく、「白も黒も」を追求し、結果として白と黒が混ざったより良い色になることを目指す、ということなんだろう。先般読んだ「二項動態経営」に近いものと感じた。
Posted by ブクログ
前作「世界は経営でできている」と比較して判り難さは否定できない。前作とは趣旨が異なり、本書は実践の書であると著者が述べているように、手を動かすということであると理解できるが、それにしては新書のスタイルは馴染まないとも感じた。随所でキーワードはあり、「創り合う世界」や、経営意識と経営知識を普及させることのメリットは大いに首肯できた。
Posted by ブクログ
タイトルから経営について学べる本かと思ったが、「経営の考え方を取り入れて生きていくと良いよ」いった内容。
価値を取り合うのではなく、価値を作り出し行きましょうとのメッセージ。競争じゃなく協創といったところか。
それを手法論として、自分のエゴを利他に置き換えていく○のフレームワーク。自他の主張差を抽象化してベネフィットに変える△のフレームワーク、ネガティブの転換を促す□のフレームワークを紹介している。
ただし、人生においてこれを使わないといけないなと課題設定できるような人は、読まずとも工夫・対応して生きていそう。逆に、課題を持っている人ほど課題認識ができていなく、本を読まないんじゃないかと感じてしまう。