あらすじ
【ページ数が多いビッグボリューム版!】2巻限定連載にこぎ着けた不動と若葉。“限定”の壁を突破し、その後も連載が続く可能性にかけて薔薇園を含めた3人の奮闘が始まる! そして魂を込めた第1話が掲載される月刊「マリア」の発売日。不動、若葉、薔薇園、3人それぞれが歩んできた過去の日々と漫画への想いが蘇る…! 諦めた夢を、ふたりでもう一度。異色の漫画家物語、圧巻の最終巻!
感情タグBEST3
楽しい
映画の長編シリーズ作品を観終わった後かのように、読後に作品の様々なページやコマが思い出されました。中身の濃い奥深い物語でした。
個人的な感想ですが、何度読み返しても色褪せない名作です。
登場キャラがみんな、根は真面目で優しくて、未来に希望を抱いて行動しています。その姿に、毎話、楽しく気持ち良く読ませていただきました。続編があれば、また読みたいです。
次に仕事にゆとりができたときに、著者様の他の作品を読もうと思っています。
Posted by ブクログ
おや、これまでモノトーンだった表紙のタイトルデザインがグラデーションになってる。モノクロから脱したという最終巻ならではの演出か
連載に向けての本格準備が始まった段階、これまでの読み切りを一作作るだけとは異なる段階なのだから、構え方も大きく変わるだろうと思っていたら、田中が説明した”次にやること”を悉くクリアしていたのはちょっと笑った
そうか、若葉達ってシゴデキ社会人だから、そうした準備も既に遣り終えていたのか。また薔薇園の方も新人漫画家では届かない領域をフォローしていたりと連載に向けて余念がないね
けど、若葉達が立ち向かわなければならない連載の壁はそうした準備が必須の代物。連載という長い目で見るべき展開を3話目までに読者を魅了しなければならないなんて
若葉にも不動にも重すぎるプレッシャー。ここで経験者たる薔薇園が向き合い方を指南してくれるのは有り難いね。こうした点は彼女と組んで得られたメリットの一つと言えそうだ
そうであるならば、若葉達は己の為すべき事に集中できて。これまでを隙なく準備してきた3人なのだから、下手な作品になるなんて筈が無く
それでもドキドキさせられた初掲載の反応が良いものとして描かれるとこちらまで嬉しくなってしまうね。特に1話目で一人の女の子の心を掴んでファンレターを送らせるなんて大したものですよ!
38話から始まるのは薔薇園の深堀りか。初登場時から彼女は大作家として君臨し、若葉達の頼れる先輩であり、彼女の弱気なんて何処にも見当たらなかった
しかし、これらのエピソードで描かれるのは彼女の心残りであり悔み。薔薇園と金鹿はコンビを組み面白い作品を目指した。どちらかだけが背負われるのではない対等な天才と天才。コンビを解消した後も互いの道で切磋琢磨する間柄
金鹿が陥ってしまったのは高レベルな作品を描けるが故の奈落かな…。自分に慢心せず充分な作品を作り上げられる。しかし、今いる高みを適切と感じられない理想は彼女に筆を折らせるものとなってしまうのか…。これは若葉達のような新人作家には未踏である故に理解が難しい領域の話だ
だというのに、自分に理解できない悩みをマンガプロット的に解釈し、壁の乗り越え方を提示した不動は凄い漢ですよ…
但し、金鹿の筆を折った話が不動にリンクしてしまうのは因果な話。不動って若葉の誘いに拠って折った筆を拾い直して絵描きの世界へと舞い戻った訳だけど、そういえば筆を折った過去そのものを乗り越えた訳ではなかったんだっけ
だからこそ最も面白い作品を、金鹿の心を晴らす為には過去と向き合う必要があって。そうして教えてくれる過去の自分の言葉が何よりも力になる展開はとても良いね!
しかも、そうして昔の絵を使用した上で、描き直す事で心晴らす演出とするのは最上の手法ですよ!
若葉の演出と不動の絵によって曇っていた心が晴れた薔薇園だからこそ、閉じ籠もっていた金鹿の心へと殴り込みをかけて、彼女へと”いい漫画”を届ける展開も応援できる
そして薔薇園が金鹿へ届けたい”いい漫画”に籠められた技法が『自分の思うがまま楽しんで描く』という彼女が忘れていた大切な遣り方であったという展開は新人漫画家だからこそ提示できるもの
そうした展開を踏んだ為に、最終回の案について迷い50稿以上描いていた金鹿が”作者本位”の第1稿へと舞い戻る姿は不動が昔の自分の絵と向き合った展開とリンクするようで美しさを感じてしまいましたよ……
そしてまさかの最終話、もっと長く続く作品だと思ったんだけどここで終わりか。まあ、堅実な二人が連載を勝ち取るまで行ったのだから物語は作中人物が一つの満足を抱けるポイントを越えていたとは言えるのだろうけど
物語としては連載が始まったばかりの段階であり、これからがまだまだ残されているけれど、夢を諦めていた若葉と不動がマンガ連載という果てなき夢に向かって燃え続けるのだと描かれたこの巻は確かに最終感として相応しいのかも知れない
そう思えたラストでしたよ
いや、やっぱりもっともっと見たい要素はまだ残されていたけどね!