【感想・ネタバレ】海をたずねて【電子限定描き下ろし漫画付き】のレビュー

圓井ユウノ

一人の天才に翻弄された不器用な二人のロードムービー

新鋭の現代作家・オキノカイ、彼はとある炎上を境に行方を晦ましている――

ある日、美大生の南条嵐の元に、沖野翼と名乗る高校生が訪ねてくる。
翼は失踪中の作家・オキノカイの弟で、兄の行方を捜すためSNSを辿り、カイの友人である嵐を見つけたのだという。
大人びているがどこかあどけなさも残る翼に興味が湧いてきた嵐は、オキノカイ捜しを手伝うことにするが――。

《収録内容》
◆『海をたずねて』1～5話
◆描き下ろし17P
◆電子限定描き下ろし漫画

[ブクログ · ★★★★★]

【嵐さんは･･･悪いことした罰を受けて当然だと思いますか？（翼）】

エロス度☆

おやおや。大炎上して姿を消した兄を捜す弟との数奇な旅路･･･その中で生まれる恋のシチュエーションが美味しいですね。

嵐と翼が紡ぐ祝福の恋物語･･････開幕。

飄々としている嵐と兄を捜す翼･･･何やらワケありな2人が旅路の中でそれぞれが内に秘めていたモノを吐露してしまうくらい距離が縮まっていくのがたまらなく、天才に翻弄された似た者同士というのもツボ。

ツンツンしていた翼が嵐に少しずつ素直になっていくのが可愛かったり、贖罪であった旅がお互いに前に進むきっかけとなっていくのが刺さりました。

[ブクログ · ★★★★★]

深みのある作品だなぁって、絵柄も結構好みなんです。
私も嵐と翼のこんなかかわりを愛と呼びたいです。
それから、引用させていただきますが、
「物作ってる人間としては、憧れ半分悔しさ半分。天罰かな」と言った嵐の表情もその言葉も、悲しくなるほどすごく心に響いて、この作品を6月の始まりに読んでよかったと思いました。