あらすじ
特集
ゴッドファーザー
1972年3月、アメリカで1本の映画が公開された。
同名のベストセラー小説を原作とする『ゴッドファーザー』である。
この物語は「犯罪映画」というカテゴリーをはるかに超え、大ヒットを記録し、第3部まで製作される人気シリーズとなった。
公開から半世紀を迎える今、同作品から読みとることのできる多様なテーマ性や芸術性、今日的な意味合いについて考える。
インタビュー/フランシス・フォード・コッポラ
インタビュー/アル・パチーノ
濱口英樹/『ゴッドファーザー』と世界の出来事
Part1 ゴッドファーザーを読み解く
大岡 玲/ゴッドファーザーとシチリア
内田 樹/『ゴッドファーザー』と『北の国』から
芝山幹郎/汲めども尽きない旧世界の井戸
町山智浩/マフィア帝国の興亡
マーク・ピーターセン/名セリフから観るゴッドファーザー
藤原帰一/アメリカの物語としてのゴッドファーザー
津上英輔/娯楽か芸術か
Part2 ゴッドファーザーを愉しむ
ロバート・ハリス×ピーター・バラカン/ゴッドファーザーを愛する理由
渡辺信一郎/監督目線で見た「二人のドン」の物語
中野香織/マフィアとスーツ
後藤晴彦/ゴッドファーザーの食卓
長谷川町蔵/三部作に張りめぐらされた音楽の連接
新元良一/移民としてのゴッドファーザー
馬飼野元宏/犯罪組織を描いた映画
※連載「水野和夫 資本主義の相克」は電子版には収録されていません。
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Posted by ブクログ
2020年、「PartⅢ」が公開30周年を迎え再編集版が製作された折、監督のフランシス・F・コッポラ、アル・パチーノにインタビューしたものが冒頭に再録されている。保存版として、これは貴重。
「ソフィアに不当に放たれた批判も私に向けられものだと感じていた」
と語るコッポラ。それが
「皮肉なことに映画で(マイケル・コルリオーネの)娘の命を奪った銃弾はそもそも父に向けられたものであったのと同じように」
と自分の作品およびその主人公と自らの人生を、かくも重ねて考えていたのかということが分かって生々しい。
その後の章では「ゴッドファーザーを読み解く」と、多彩な執筆陣が思い思いの視点から作品を分析していく。
内田 樹の「『ゴッドファーザー』と『北の国』から」はちょっと面白い切り口だったがやや尻切れトンボ、町山智浩の「マフィア帝国の興亡」は、過去にもいろんなところで語れている実社会と作品の符合だ。マーク・ピーターセンの「名セリフから観るゴッドファーザー」は、ちょっと良いお勉強になる。
「ゴッドファーザーを愉しむ」という章では、「マフィアとスーツ」「ゴッドファーザーの食卓」「三部作に張りめぐらされた音楽の連接」「移民としてのゴッドファーザー」とさらに作品から拡がる世界を語り尽くす。これぞ映画の愉しみというところか。
まだツマミ読みしかしてないので、また追々、楽しむとしよう。
50周年記念のBOXが出る・・・ うー---ん、悩ましい。