【感想・ネタバレ】この会社、後継者不在につきのレビュー

あらすじ

自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしい――経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。

二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。
社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。
社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。

会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。
『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!

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Posted by ブクログ

県庁の星以来久しぶりに桂先生の作品でした。致命的問題点を抱えながら、いつの間にか新境地を開きながら進んで行く登場人物達の逞しさが伝わる作品集でした。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

元役者の中小企業診断士が関わった、3社の後継者問題についてのお話。
共通するのは、当たり前だけれど意外と気づいていない、別の人の視点で物事を見てみるということ。
よく「相手の立場になって想像してみて」と言われたら教わったりすると思うけれど、そのつもりになってるだけで、自分と相手を包んでいる外枠まで広げて考えていたか?というと「それは別の人の役割でしょ」と思い込んでいたかも。
センセーショナルない事件は起こらないけれど、日本のどこかで起こっていそうなお話で現実味があり、いろいろ反省点や気づきが多かった。

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2024年06月30日

Posted by ブクログ

上手く行き過ぎな感じはするけど読むと元気が出て来ますね。
読んでいるうちに忘れていた事を思い出して来ました。
人に対する考え方を変えようと思いましたね。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

ケーキ、バッグ、包丁、それぞれの会社の後継者選びにまつわる話。
ちょっと視点を変えることで一気に様相が変わり世界が広がる。
現実はなかなかそうできないけれども
それだけに読んでいて清々しい心地に。

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2024年11月13日

Posted by ブクログ

後継者に悩む会社が、どう事業承継していくのか、社員がどう変わっていくのかが描かれたお話。
ケーキ店、バッグブランド、包丁メーカーといろんな会社が出てきて、後継者を決めるための方法も様々で面白かった。
最後のお話は社員から見た会社だったから、自分と重ねて勉強になった。
いろんなパターンのお話ができそうな設定だから、続きが出たらまた読みたい。

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

会社を愛するそれぞれの形に好感が持てました。また、仲間と一緒に一つの目標に向かって取り組むことの素晴らしさは、会社でも学校でも、どこでも変わらないし、素晴らしいなと感じました。
本を読む前後で(読む前はタイトルからの印象ですが)、ここまで大きく印象が変わった作品は初めてです。

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

小さな会社にとって後継者は大きな問題なんだろうなあ。
特に自分が創業者だったりしたら思い入れも半端じゃないだろうから。
社長が思っているほど社員は会社を心配していないこともない。
しかし今の若い世代はドライでもある。
認めてくれれば、やる気が出るような会社なら頑張ってくれるのだろう。
そういう社員を育てるのも社長など上層部の仕事なんだろうなあ。
中小企業診断士の北川が面白い。
役者でもあり、様々なアルバイトを経験してきたことが的確なアドバイスの原点にあるのだろう。
突拍子もないことを言い出すようで、実は的を得たアドバイスが社長達を救う。
第三章が一番面白かった。
変化を好まない社員が変わっていく、そこには北川の影がちらほら。
しかし軽すぎる社長夫人と 専務にはちょっと呆れてしまった。
まあ、若者の手で立て直せそうなので良かったけど。

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

お仕事小説は私の中では、結構、好き嫌いがあるんだけれども、この本は面白かった!!!
内容も難しくないし、短編の3話から構成されており、すごく読みやすくて良い。
職業柄、会社というものがあまり分かっていないが、この本を読むと、社員から見た目線、社長から見た目線、両方にフォーカスを当てているので飽きずに読めた。

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2024年07月13日

Posted by ブクログ

会社存続の問題に関する話。
1つ目と2つ目は社長の目線て3つ目は一社員の目線で書かれている。
相手の立場で考えるのことが大事なのはわかっているけど難しいですよね。心掛けていきたい。

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2024年06月14日

Posted by ブクログ

企業の跡継ぎ問題をテーマにした短編3作。
書き下ろし。

第一章
第二章 
第三章

中小企業診断士・北川が、企業の跡継ぎ問題に鋭い提案をしていく。

ケーキ製造会社、カバン製造会社、刃物製造会社と、跡継ぎ問題に悩む企業が、それぞれの会社存続の形や、社員のモチベーションアップなど、ともに成長していくハートフルなストーリー。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

とても前向きになれる本。働くって素晴らしいと再認識。個人的には、ものづくり企業が大好きなので、第三章が一番好き。ただ、あまりにわかりやすい展開過ぎて軽く読んでしまう感じがちょっと残念かも。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

 中小企業には悩みが尽きない。業績は経営者の舵取りでなんとかなる。だが、必ず突き当たるのが後継者問題だ。
 大企業のように人材が揃っているわけではない。数少ない候補者はみな帯に短し襷に長しで、とても任せられないように見えてしまう。

 そんな悩める経営者が1人の中小企業診断士との出会いによって、自身を見つめ直して変わってゆくさまを描いたヒューマンドラマ連作短編集。
          ◇
 会社のトイレを出た岡村正人は廊下で次男の玲二がつっ立っているのに気づいた。熱心にスマホを見ているらしい。
何をしているのか尋ねると、波の情報を見ていると返ってきた。サーフィン好きは知っているが勤務時間であることを注意して、岡村はその場をあとにした。

 社長室に戻った岡村が黒い革張りの椅子に座って間もなく、ノックとともに入ってきたのが長男の洋一だ。
 仕入先の鶏卵業者から納入価格値上げの要望があったというので先を促すと、洋一は手に持った書類を差し出した。それは鶏卵業者のリストで、仕入値の安い順に並んでいる。業者を替えようと提案する洋一だが、各業者の卵の味を調べてはいなかった。

 ケーキは卵で決まる。岡村が知る限り、現在の取引業者のものより味のよい卵はない。さらに、前回の値上げの要望は業者側に我慢してもらっている。
 それらを説明して値上げ交渉に応じるよう伝えると、洋一は「わかりました」と無表情で答えて出ていった。

 2人の息子のどちらに社長を任せてよいか考えると岡村は頭が痛い。堅実だが視野が狭く柔軟さに欠ける長男か、勘はよいが奔放でマイペースを崩そうとはしない次男か。悩んでいたとき、内線電話が鳴った。

 中小企業診断士の北川徹が来社したという連絡だった。( 第1章 ) ※全3章。

       * * * * *

 もう映像化の話が進んでいるかも …… と思うようなエンタメ作品でした。

 何と言っても中小企業診断士の北川のキャラクターが秀逸です。

 派手な蝶ネクタイに怪しげな笑顔。物腰は柔らかく言葉遣いも丁寧なのに、時おり覗く山師の顔。胡散臭いことこの上ありません。この強烈なインパクトは映像向き。

 剽軽な北川、真面目な北川、淡々とした北川。この男が見せる様々な顔は、どれもが自然で違和感を感じさせません。
 「演じているのです」と北川は言います。舞台役者でもある彼にとって、演ずることこそ人生なのです。

 相談相手によって突拍子もない提案をしていく北川ですが、実はその狙いは一貫しています。視点を変えて見ることと、俯瞰して見ることです。

 それが象徴的に描かれているのが第3章でした。

 社長が急死した中堅包丁メーカー。社長に跡取りの子どもはおらず、残された妻は経営に関わったことがないためドイツの企業への売却が決まります。
 おまけに屋台骨を支えてきた専務まで急病で長期入院となったため、社員は動揺し浮足立ちます。

 そんな社員たちのためにセミナーが開かれることになり、その講師として呼ばれたのが北川でした。
 北川はワークショップを企画します。
 それはクジで選ばれた2人が、その場で自ら引いたクジに書かれた ( 社内での ) 役職になりきって即興でやりとりするという内容です。

 与えられた役職の業務や相手側への要望を想像しながら演じることで、他者の視点で考え社内を俯瞰できるようになっていく社員たち。その1人が本章の主人公の伊藤浩紀でした。
 さらに伊藤は、「演じる」ということの有用性を知り、気が優しく自己主張が苦手だった自分を変えていけるようにまでなっていきます。
 
 この第3章の伊藤は経営者や後継者ではないのですが、北川に感化されて社内の雰囲気やモチベーションを一新する人材に成長するさまが読んでいて楽しかったです。 ( 専務の後継になりそうに思います。)

 舞台人独特の熱量で悩める企業人たちを導いていく北川という中小企業診断士の活躍。もっと見たいと願ってやみません。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

中小企業診断士の北川が関わる3つの会社の事業後継問題を描いた連作集。
洋菓子店を営む社長の全く違う性格の2人の息子達。どちらに継がせば、、
一人でブランドバッグ店を立ち上げた女性、後継者には物足りない社員達、、
刃物メーカーの押しの弱い平社員、社長の急死を受けての動揺と葛藤。
軽く読めるのに中身が濃いし、理屈では分かってるつもりでもなかなか柔軟な考えには至らないリアルさが良かった。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

この会社、誰に引き継げばいいんだろう?経営者でも何でもない私には計り知れない悩みだが、企業の命運をわけるこの後継者問題。その問題にどこか胡散臭い中小企業診断士の北川がアイデアを出すケーススタディ3編。面白かったのはケース①のケーキ屋。2人の息子どちらかに後を継がせたいが長男は真面目だが要領が悪い。次男はちゃっかりしてるがちゃらんぽらん。どうも決め手に欠けるなか、北川のとあるアイデアで決着がつく。単純にケーキが好きなので楽しく読めた。3編とも良作だと思うが、欲を言うなら北川の個性がもっと強くてもいいかも。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
珍しく中小企業診断士が活躍する物語。一般的には中小企業診断士というよりコンサルティングといった方が伝わりやすいと思うが、あえて中小企業診断士とすることに作者のこだわりを感じる。

取っても食えないとバカにされがちな中小企業診断士の資格であるが、その仕事ぶりがわかるお仕事小説。純粋に中小企業診断士が活躍する話はほかで読んだことなかったので、素直に嬉しい。

物語は3つの短編からなる。それぞれに問題を抱えた会社が舞台になっている。後継者を長男にするか次男に悩むパン屋、無能な部下しかいないと悩むバックメーカー、先代社長の急逝により外資系企業に買収された包丁製造業。型やぶりな中小企業診断士である北川が、ちょっとしたアドバイスを与えながら、それぞれの問題の解決の手助けをしていく展開の仕方である。ただし、直接的な解決策の提案はしない。こんなことをやってみてはどうですか?とアドバイスするが、それにより、社長や社員自らが大切なものを気づいていく。結果的に課題の解決につながっていく。

今まで見えていなかった自分の子供たちの能力や得意な部分、無能だと思っていた社員の会社への熱き思い、自社の誇るべき職人の技術、社員の誇りなどなど。一面的な見方により気づいていない良い部分に、別角度の見方により見えてくる大切なもの。それに気づかされていく展開が、読んでいて心地よい。
そう、中小企業診断士は気付きを与える仕事なのだ。面白い。

中小企業診断士の北川が型破りの提案を行なっていく展開はいくらでも描きようがあるので、続編を期待したい。
全中小企業診断士が読むべし。良書。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

まだ続きそうな予感。
後継者問題に悩む各会社に対して、中小企業診断士の北川が奇想天外の提案し、クライアントと一緒に後継者問題を解決していく物語。
各章に一会社が描かれており、この本三章で三つの会社(ケーキ屋、かばん屋、包丁屋)が描かれている。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

中小企業診断士の北川がケーキ屋、バック、包丁の会社の後継者問題を解決アドバイスする。
従業員の意識改革であり、会社経営者の視点を変えてみる等、かなり面白い企業小説になっていた。
ホロっとさせる場面もあり、読後感はかなり満足させてもらいました。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

2025.5 絵に描いたような、上手く流れるストーリー。とは言っても後継者不足に悩む中小企業にとってこれらの題材は絵空事ではなく、こうあるかもしれないと希望を抱かせるお話でした。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

高齢の所長の元、小さな会社で働いている自分は人ごとではなく読んだ

面白い視点の話。

北川が思いがけずいいヒントをそれぞれくれる

バッグの会社も刃物の会社も 社員が一団となっていく様子は読んでいても応援したくなる

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2024年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真面目だけど商売のセンスがない長男を後継者にするか、ちゃらんぽらんだけど新しい試みができる次男を後継者にするか悩むケーキ屋さん、3人の後継者候補を出したものの誰も気に入らないバッグメーカー、社長の突然死でM&Aされることになった包丁メーカーの3話からなる作品。

どの話も前向きな結末で読後感が爽やか。
ケーキ屋さんの話では、それぞれの後継者候補に、一年間自分の店を作ってもらい、立地決めから経営までをさせてみるという驚きの方法。
後継者を決めるだけでなく、2人の兄弟がどう働いていくのが適性にあっているのかを考えるきっかけになったのが面白い。

2話目は、感情的で独善的な現社長からの目線なのもあり、社員のアイディアも一刀両断してしまう姿勢にモヤモヤしながら読み始めた。
でもいざ会社が危機に瀕した時の対応は素晴らしいし、同じ考え方ができる人を後継者に据えたことですっきりした。

3話目の、断るのが苦手な主人公が、他の人の立場に立ってみる研修を受けてから、自ら行動した話も読んでいて気持ちよかった。
言い方って大切なんだなと改めて感じたし、どうしたらその力を手に入れられるのか…。

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2024年06月26日

Posted by ブクログ

社長と社員、社長と後継

最初、突拍子もない提案からオー面白い提案と話を読む中で関心していった

立場が違っても方向が同じ、そこが面白かった

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

3章は、大切。モノを作ってくれている人、モノを買ってくれている人に双方のことを知ってもらうことは大切。ら

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

三章で構成されたお仕事小説。

それぞれの物語は独立しているが、全編に共通して中小企業診断士・北川徹が登場する。

県内に十店舗を構える洋菓子店・ルージュの跡継ぎ問題、女性向けのブランドバッグを販売する会社の経営問題、社長の急な逝去により、外国人オーナーの元で働く事になった刃物メーカーの社員達。

三者三様の悩みを北川の型破りな提案で活路を開いていく。

一章の兄弟対決では、よもや一触即発の危機かとドキドキしたが柔軟な対応が功を奏しホッ。

二章のコロナ禍による経営不振や人間関係の難しさはリアル。

軽快に読めるザ・お仕事小説。

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2023年12月18日

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