あらすじ
「使える哲学本」として、ビジネスパーソンから圧倒的支持!
知的戦闘力を最大化する、リベラルアーツ超入門。
コンサルの現場で一番役立ったのは哲学だった――。
「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。
【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス)
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか
●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル)
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか
●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
・アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム)
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか
●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
・シニフィアンとシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール)
・反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
山口周さんの本はどれも面白い。
本書は、ビジネスパーソンこそ「哲学」を学ぶべきであると主張し、山口周さんが自身のためになる哲学の解釈を、50の哲学者の論説から書かれている。
さらに哲学書にありきたりだと言う時系列順の記載ではなく、4つの型ごとの記載順とされている点も、世に出回る哲学書と一線を画す読みやすさになっているポイントである(らしい。自分は哲学書は読んだことなくわからないが。)
天才哲学者たちの思考のプロセスや歴史を知ることは、自分の血肉となり、人生を豊かにする一助となるだろうと感じられる一冊だった。
Posted by ブクログ
自由について、わかるということについて、変化について。。。何事にも共通する概念であり、読みながらいろんなことを思い出して、一応私は生きてきたんだな、と思った。
疑う力、思考する力、哲学といまを照らし合わせ、その必要性を感じた。
学べる事が非常に多い一冊だった。読んでよかった。
特に印象に残ったもの↓↓↓
・フロム「自由からの逃走」
自由は孤独や責任を伴う
「人間の理想である、個人の成長、幸福を実現するために、自分を分離するのではなく、自分自身でものを考えたり、感じたり、話したりすることが重要であること。
さらに、何よりも不可欠なのは「自分自身であること」についての勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定することだ。」
選択肢が増えてきている現代において向き合わなければいけない課題
・アーレント「悪の陳腐さ」
悪とは、システムを無批判に受け入れること
現行のシステムの中でいかにうまくやるかor現行のシステムをよいものに変えていくか
という生き方があった時に、前者を選ぶ人が多いが、それは悪に加担する可能性がある
・マズロー「自己実現的人間」
自己実現を成し遂げた人に共通する15の特徴
・チクセントミハイ「フロー」
フロー理論
うまくいっているときの共通点
・デシ「予告された報酬」
「予告された報酬」は創造的な問題解決能力を著しく低下させる。
アメもムチも逆効果。ただ自分がそうしたいから、が動機になるのがよい。
・レヴィナス「他者の顔」
他者とは気づきの契機
わかりあえない人、理解できない人が大切
わかるというのはそれによって自分が変わるということ
・マルクス「疎外」
自分たちが生み出したシステムによって、自分たちが振り回され毀損される
ルールやシステムで人の行動をコントロールしようとすれば、おのずと疎外が発生する
理念や価値観といった内発的なもので望ましい行動へ促すのが重要
・ボードリヤール「差異的消費」
消費とは記号の交換
記号とは個人間の差異
消費の目的は
機能的便益、情緒的便益、自己実現的便益
社会的な欲求
記号の地獄
マーケティングにおいて、どんな差異を規定するか
・ソクラテス「無知の知」
知らないことを知っている
わかるということの深遠さ
わかるということに対してもっと謙虚になるべき
コミュニケーションレベル U理論
要はーでしょの危険性
・デカルト「コギト」
我思う、ゆえに我あり
方法的懐疑、すべてを疑う
その末すべてを疑っている自分がいる事だけは確かだとわかる
・ソシュール「シニフィアンとシニフィエ」
概念を示す言葉 言葉によって示される概念
自分が知っている言葉でしか世界は把握することができない
言葉を多く知っているということは、多くのより細分化された概念を知っているということ
・デリダ「脱構築」
二項対立の構造を崩す
枠組みが間違っている
・ケイ「未来予測」
未来はどうなるか?ではなく未来をどうしたいか?
未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ