【感想・ネタバレ】箱根駅伝に魅せられてのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

第100回記念大会の前にタイミングよく読めた。

年末にでる陸上競技の専門誌の別冊特集も、今年は100回記念ということで、歴史を振り返るような記載が多いが、各エピソードに関連する人物との対談だったり、それぞれライターが違ったりで、見どころはありつつも、全体を俯瞰したものにはなっていない。

その点、本書は著者ひとりが70年代ころから実際にラジオ中継を聴いていた体験、テレビ中継が始まったころの驚きから、職業としてスポーツライターとして携わってきた経験が活かされた、一気通貫で歴史を眺めた壮観さがある。

特に第5章。著者自身もあとがきで記すが、「目の上のたんこぶ」という、ライバル校の存在の変遷を時代を追って解説したものが、はからずも箱根駅伝の戦後史を浮かび上がらせており面白い。

日体大の初優勝が1969年だったのは、ベビーブーマー、いわゆる団塊の世代が大学に進学した時代で、地方から教員免許を取って故郷に錦をという学生が日体大に集まることになり、日体大のひとつの黄金期を築いたと著者は分析する。

また、テレビ放送が開始され、箱根での活躍が大学の人気につながり、受験生の増加に繋がるのは、見ていても分かるが、その頃から、箱根出場を大学の知名度UPに使おうと出場してくる学校のユニフォームの特徴が、大学名が漢字でフルネームで書かれているというのも、面白い分析だと思う。真偽のほどは定かではないが、さもありなん。

然様に、箱根駅伝は、話題性、ドラマ性に富み、参加する者は勿論、観る者、関わる者を魅了し続けるコンテンツであることが本書を読んでいても良く分かる。

さぁ、100回目という節目の大会。どんなドラマがまた誕生するか。おだやかな新年の、熱き戦いを、また楽しみに拝見するとしよう。

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2023年12月20日

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